アルベリヒside3
カールハインツはソイツに向かってと歩き出した
無意識なのか少し足取りがおぼつかない
「殿下、化物とは心の持ちようで決まるのですよ」
本当にこのギルベルトと言う幼児はなんなのだろうか?
オニキスのような黒に煌めく瞳に髪は闇そのものを閉じ込めたようでサラサラと肩まで伸ばされていて綺麗だ
顔立ちは整いすぎているがゆえに人形めいていて美しすぎて恐ろしい
姿も異質だが中身はもっと異質だ
向かい合う双黒の二人を見ているとギルベルトがカールハインツに手を伸ばし触れる直前で引っ込めて跪ついた
「お久し振りですね
また会えたことを嬉しく思いますよ」
「ひさしぶりだな我が友よ
待ちくたびれたぞ」
この光景をみて俺は絶句した
隣でも同じような気配がするからテオフィオスも絶句しているのだろう
俺達はこの光景を知っている
いや、魔界にいる全国民が知っているだろう
視線を戻すとギルベルトの方が静かに泣いていた
「おい、泣くなよ」
「すみません嬉しくて」
間違いないこの二人は先祖返りで生まれ変わりなのだ
「おい、どういう__」
テオフィオスはまだ理解できないのか息子が泣いているから驚いたのか二人に声をかけたがカールハインツに言葉を被せられた
「親父コイツ俺の側近にする」
「いやまぁそのつもりだったが……」
「なら問題ないな
周りに転がっている奴等回収して出てけ」
今は俺も混乱しているし大人しく退室するか……
「わかった」