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水彩パレット  作者: 夏姫
2/3

2話

昨日の一件があってから、妹によって来る奴らが多くなった。

…あ、また絡まれてる。

菊間(きくま)神田(かんだ)、何やってんだよ。俺の妹に…」

―ドスッ

「痛って。いきなり蹴んなよ!蒼羽」

「悪かったって。じゃあな千代」

…あいつ等悪い奴らじゃねぇんだけどな。ただのメガネと茶髪だし。

千代(ちより)って彼女いんの?」

―ブハッ

「なにを言い出すんだお前ら。」

飲んでいたコーヒーを吹きだしてしまった。

「…彼女なんていないよ」

(ちさき)よりかわいい子なんで居ないだろう。

「…お前って、女好きじゃないんだな、意外」

―誰が女好きだ…シスコンではあるけど。

「モデル事務所が恋愛NGなんだよ」

「ふーん。俺もモデルやってみてぇー」

「オーディション行けよ。…やりてぇなら」

―♪♪♪~

携帯の着信音が鳴った。

…神(かみ)()さんかな?

「はい、千代です。神都さん…すんません。…大丈夫すよ」

「大変だな、案外モデルって」

「…うん」

―自宅―

『千代兄さん、未来堂(みらいどう)行ってきます』

…未来堂?あぁ、菊間の兄貴がやってる本屋。

「いってこい」

―ガチャンッ

ソファーに座りテレビを点けると、以前テレビに出演した時の番組が放送されていた。

【蒼羽さんは、現役高校生らしいですね】

「はい。高校1年生です」

【クラスに好きな子なんて居たりするんですか?】

「居ないですよ。流石にこの職業なんで…」

…つまんな。この司会の人、完全に愛想笑いだし。

♪♪~♪~

「はい。蒼羽ですが…って菊間かよ」

(あのさ…今、麻鶴が来てんだけど来るか?)

「本屋?それともお前の家?」

(本屋の方だよ)

「千咲…まだ居るのか?」

(うん…真剣に本選んでる…10分くらい)

…行くか。

「15分で行く」



続く



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