2話
昨日の一件があってから、妹によって来る奴らが多くなった。
…あ、また絡まれてる。
「菊間、神田、何やってんだよ。俺の妹に…」
―ドスッ
「痛って。いきなり蹴んなよ!蒼羽」
「悪かったって。じゃあな千代」
…あいつ等悪い奴らじゃねぇんだけどな。ただのメガネと茶髪だし。
「千代って彼女いんの?」
―ブハッ
「なにを言い出すんだお前ら。」
飲んでいたコーヒーを吹きだしてしまった。
「…彼女なんていないよ」
…妹よりかわいい子なんで居ないだろう。
「…お前って、女好きじゃないんだな、意外」
―誰が女好きだ…シスコンではあるけど。
「モデル事務所が恋愛NGなんだよ」
「ふーん。俺もモデルやってみてぇー」
「オーディション行けよ。…やりてぇなら」
―♪♪♪~
携帯の着信音が鳴った。
…神(かみ)都さんかな?
「はい、千代です。神都さん…すんません。…大丈夫すよ」
「大変だな、案外モデルって」
「…うん」
―自宅―
『千代兄さん、未来堂行ってきます』
…未来堂?あぁ、菊間の兄貴がやってる本屋。
「いってこい」
―ガチャンッ
ソファーに座りテレビを点けると、以前テレビに出演した時の番組が放送されていた。
【蒼羽さんは、現役高校生らしいですね】
「はい。高校1年生です」
【クラスに好きな子なんて居たりするんですか?】
「居ないですよ。流石にこの職業なんで…」
…つまんな。この司会の人、完全に愛想笑いだし。
♪♪~♪~
「はい。蒼羽ですが…って菊間かよ」
(あのさ…今、麻鶴が来てんだけど来るか?)
「本屋?それともお前の家?」
(本屋の方だよ)
「千咲…まだ居るのか?」
(うん…真剣に本選んでる…10分くらい)
…行くか。
「15分で行く」
続く