1話
―容姿が似てない双子。冷静で若干シスコン気味の兄。
冷静で物静かな妹。両親は3年前に亡くなった。
両親が亡くなっても涙を流さない兄、床にへたり込んで泣きじゃくる妹。二人の人生はこんなもの―
『千代兄さん、転入日そうそう遅刻するつもりですか?』
俺のベッド前で真顔でその言葉を掛けてくる妹の千咲。
「起きてる、大丈夫。千咲…スカート短くないか?」
確かに、最近の制服は短い。膝上15㎝は短い。
『そうですか?これでも長い方ですよ』
「俺らが行く高校って何て言う名前だっけ?」
『私立夕凪学園ですよ』
そうだ、そんな名前だった。
―ガチャッ
『いってきます』
―ガラッ
教室に入った途端俺達を見て女子が騒ぎ出した。
「初めまして、蒼羽千代です」
このクラス…騒がしいな。
『初めまして、蒼羽…千咲です』
何か…千咲、涙目なんだけど?
「ほらっ!静かにして、よろしくな。蒼羽兄妹」
担任は、雪星聖華という…らしい。←聞いてなかった。
「…大丈夫か?千咲」
『千代ぃ…』
―やっぱりか…。
家では、威張ってるくせに…。
学校やデパートに行くと泣きそうな顔する妹は完全に人間不信だ。
…意味が分からん。
学校と家では何が違うのか…人数はともかく、みんな同じだと思うんだが…
「分かったから、泣くな。見っとも無い」
…お前は仮にも高校1年なんだぞ?
『…うん』
全く…困るなぁ、これからやっていけるのだろうか。
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