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02 聖女フロレンシアの危機

人の名前を考えるのがバトルシーンと同じくらい難しい・・・。

とくに外国人の名前?カタカナの苗字は「あれ?これ苗字じゃなくて名前じゃない?」の状態になったりなりそうになったりで大変です・・・



「フロレンシア、うん、フロレンシアって呼んでください」


俺はなんとなく思いついた名前を言った。


 フロレンシア、咄嗟の割にはいい名前だと思う。


「フロレンシア様、こ―――――――」


―――――――バタンッ!!!


 黒髪のショートである美少女、菱形由紀さんの話の途中、突然部屋のドアが勢いよく開かれ、だれが見てもイケメンというくらいの容姿を持つ黒髪の青年と金髪の可愛いというか綺麗というほうが適切な女性が入ってきた。

 菱形さんは名前からして日本人、今部屋に入ってきた黒髪の青年も髪の色から考えると日本人だと思われ、青年と同時に入ってきた金髪の女性は日本人かもしれないし、そうでないかもしれない。まぁ、どこ出身等どうでもいいことなのだが。


善二ぜんじさん!!緊急事態です、巨大飛行型のランハーンが突如現れました。恐らくランハーンの目的はここかと、現在はAランクチームとBランクチームで応対しています。善二さん達は聖女様と一緒に避難してください、その後私達はランハーン討伐もしくは撃退のため現場に戻ります」


「なっ!!ああ、君の言うとおりに避難しよう。フロレンシア様、申し訳ございませんここは戦場になる可能性があるので私達と一緒に避難おねがいします」


 金髪の女性が善二さんと呼ばれたおっさんにそういうとおっさんや菱形さん、友仲さん、研究者、おっさん・・・善二さんの隣に居た女性のこの部屋に居た俺以外全員が驚いていた。


 多分だが、ランハーンというのが菱形さんが言っていたなぞの生命体だと思う。そしてAランクチーム、Bランクチームという単語も聞こえてきた。俺の記憶ではこの単語は中世のファンタジー小説などにでてくるギルドに登録してある冒険者のランクとして出てきていた。なんか未来に来たはずなのに中世ファンタジーの異世界にきたような感じだな、まぁ服や文化などは前世と同じかそれ以上だけど。


 とにかく、今は善二さんの言うとおりに避難しておくのが吉だろう。まぁいつかは俺も魔法を使って戦ってみたいと思っている。


「はい、わかりました」


 俺が返事をすると、その直後金髪の女性が俺の近くに寄ってきた。


 あれ・・・この人身長どのくらいなんだ?俺確か175cmくらいだったはずなんだが、この人は俺よりも頭ひとつ以上大きい。ということは2mくらいなのか?いや、そうなるとこの人と一緒に入ってきた青年は2mを優に超していることに・・・、はっ、そういえば俺の今の体前世とは違うんだった。となるとどのくらいかはまったく分からないな。


「貴女が聖女フロレンシア様ですね、私はナターシャ・ルーラーといいます。貴女を必ず守りますのでご安心ください。では善二さんお願いしますね」


「ああ、分かっているさなんせ―――――――」


―――――――ドゴォーーーーン!!!


 突然再び先ほど勢いよく開かれた扉の音よりもはるかに大きい音が響き渡り、俺からして右側にある壁に大きな穴があいており、そこにはファンタジーなどによく出てきてはいるが、現実には存在しないはずのドラゴンが部屋のなかを覗き込んでいた。

 もしかするとドラゴンではないのかもしれないが、俺にはどうみてもドラゴンにしか見えない、よって俺は目の前にいる巨大飛行型ランハーンのこれをドラゴンと呼ぶことにした。


「なっ!!こいつは外でAランクチームとBランクチームが抑えているはず、ということはあいつらは負けたのか!善二さん!俺とナタルで抑えます。なのでその間に!!」


 青年はそういうと腰に下げていた剣を抜き構える。いつ、どこからでも対応できるようになっている構え、この構えや、気迫などからして熟練者であることは一目瞭然だった。

 そして、ナターシャさんも腰から下げている細い剣を抜き構える。


「フロレンシア様、行きましょう」


 俺は菱形さんの言葉に従い、逃げることにしたが・・・どうやら簡単には逃がしてくれないようだ。


「もしやッ!狙いはフロレンシア様!?でもなぜ!?」


 ドラゴンはナターシャさんと青年の攻撃を受けながら、俺が逃げる方向へ先回りしたのだ。しかし、ナターシャさんや青年は結構な実力の持ち主であることは見るだけで分かるくらいだ、なのにその攻撃を受けてもまるで無傷だったというのはどういうことなんだろう。


 それと、なぜナターシャさんは俺が狙いだと思ったんだ?今俺は一人で行動しているわけではない、俺と一緒に善二さんや菱形さん、研究者等他にも人はいる。なのにすぐ狙いが俺だと言い切ったということはなにか知っているのだろう。


 そう考えている間にドラゴンはすぐ目の前まで迫ってきていた。体全体を覆う青い鱗、口からこぼれ見える鋭い牙、俺よりもはるかに大きい体を支えている二つの足、そして空を羽ばたく模様がついた翼、腕はなく変わりに翼が生えている。見れば見るほどファンタジーだなと思うと同時に心に恐怖が生まれ始める。


 俺には高い魔法資質があるらしい、だが、魔法なんて実際に使ったことなんてないし、使うのには道具が必要だ、なぜならば道具なしでは俺が考えた魔法論は複雑だからだ。

 そう今の俺は何もできないただの人間。

 じわりじわりと迫り来る力強い二つの青い足。


 あの鋭い牙で噛み千切られ貫かれるのだろうか、それともドラゴンといえばブレスもセットでついてくることがよくあった(ゲームや小説などで)ならば俺はブレスで跡形もなく焼かれるのだろうか・・・


 そんな考えが頭の中を駆け巡る。


―――――――怖い


 怖い、死ぬのが怖い、痛いのが怖い、目の前に居るドラゴンが怖い。


 そしてドラゴンは大きく息を吸い込む動作をし、何かを吐き出すような感じで真っ赤な、すべてを燃やし尽くしそうなブレスを吐き出した。


 目の前には迫ってくる赤いもので視界を埋め尽くされていた。

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