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1-4 両手剣-Two Handed Sword-

 店の片隅には巨大な剣が置いてある。


北方の騎士団が使用したという巨大な両手剣。


それがツヴァイハンダーである。


「ね、ね、これ僕にも使えるかな?」


自分と背の変わらないマールが目を輝かせながら聞く。


「まぁ・・無理」


「そんな一言で・・」


「『両手剣』の類は身体が大きくて体力が余ってる連中が

 振り回す用に使うものだからね。

 マールじゃ逆に振り回されてしまうと思うよ?」


「ううう。。」


「そもそも冒険者になりたいんでしょう?だとしたらまだ

 片手半剣-BastardSword-か大剣-Claymore-くらいでないと。

 活用法ったら怪物相手に振り回して霍乱するとか馬に乗ったときに

 兵士槍の柄を切り払うとか、そういう使い方が主だし、

 こんな大きかったら、狭い洞窟とかじゃ無理だしね」


「そっかぁ・・・」


「まぁ戦争とかなら使えそうだけど、冒険には不向きよ。

 試しに使ってみる?」


「え?いいの?」


目を輝かせてファンを見るマール。


「いいよ~裏で振り回してごらん」


巨大なツヴァイハンダーを抱えるマール。うれしそうに店の裏の

空き地でその剣を握る。

自分の背丈よりは短いが十分な大きさのツヴァイハンダー。

少し振り回すと従来の間合いが広く感じられる。


「これ、いいかも!」


嬉々として振り回すマール。この剣があれば背の低さも補って

くれるかもしれない。


しかし20分後・・・


「はぁはぁ・・」


肩で息をするマール。手がしびれて、息が切れ、体力がもたない。


「言ったろう?体力が十分あるような成人男性じゃないと、

 この剣は使えないのよ」


いつの間にかファンが後ろに立っている。


「これだけ大きいと鋼で作る分には加工代は高くなるし、鉄だと安い

 けど鉄で作るなら長剣の方がまだ使い勝手が良さそうだよ?

 森の中じゃ木々が邪魔で振り回せないしね」


恨めしそうに両手剣を眺めるマール。


「まだまだ成長途上だもんね!がんばりなさい」


ファンの笑みが聞こえてきた。

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