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4-2 棍棒-Club-

 モンスターの中には簡単な武器を恐るべき武器として

扱っているものもある。例えば一つ目の鬼、サイクロプスはそうだろう。


サイクロプスはいにしえの神の使徒メジャー・サイクロプスと

巨人族の仲間マイナー・サイクロプスとに分けられるが

どちらも巨大な棍棒を武器として使用している。


どちらも恐るべき膂力で敵を棍棒で打ち倒す。


盾や鎧ごと吹っ飛ばされるのだ。防ぐにはその恐るべき棍棒を身に当てさせない

ことが一番で、優れた俊敏性が試される。


「ほらほら!そんなんじゃ遅いって!」


ファンが裏庭でマールの動きに叱咤する。


マールはファンが投げてくる小さな木の切れ端を当てられないように

避けていく。しかし、どうしてもいくつかは避けきれない。


「原始的な木製の棍棒でも相手が馬鹿力の持ち主だと致命傷になるし

 甲冑鎧でもダメージを軽減させることは難しいからね」


ファンが言いながら木切れを次々と投げていく。


冒険に出るなら、俊敏性が必要となる場面があるだろうから

ファンに頼んでこの特訓をしてもらっているのだが、思ったよりも自分の

動きが鈍いことをマールは知る。


だんだん足が動かなくなってくる。


「ちょ・・休憩」


「はいはい」


ファンは笑顔でマールを見る。まだまだ冒険者としては発展途上なのだ。


「棍棒は昔から使われている武器だけど、今でも十分現役の武器よ。

 とにかく安価で甲冑鎧相手でも有効。普通は木製の棍棒が多いわね」


「鋳鉄や鉄、鋼などの金属でも作ることがあるの?」


マールが尋ねる。


「鉄で作ることはあるけど、重くなるし、鉄で作るならメイスにするわね。

 鋳鉄はもろいから棍棒のように力任せで使う武器には不向きだし、

 鋼で作るのは高価になってしまうから、棍棒のメリットがなくなるかな

 ときには怪物や大型獣の骨で作ることもあるよ」


「メイスとクラブの違いってなに?」


「叩く部分と握る部分の材質が同じか異なっているかが1つの目安ね。

 メイスは木製柄に鉄の打撃部分を持つ合成棍棒で、クラブは全てが

 同じ材質になっている単体棍棒が普通かな。なにせクラブの最大の

 メリットは安価である、ときには自然にあるものを叩く武器にする

 ってことだからね」


「そっかぁ・・・」


「だからオークとかコボルドなどの亜人間型モンスターでも持っている

 ことがあるからね」


ファンは本当に物知りだ。マールはその横顔を見ながらファンと一緒に

冒険に行けたらどんなに心強いだろうと思う。


そんなマールの心中も知らずにファンはマールを見つめる。


いつか冒険に出てしまうだろうマールに出来ることをしてあげなければ

ならない・・と思いながら。




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