3-3 矛-Halberd-
「戦斧と矛の違いってなに?」
マールが不思議そうな顔で尋ねてくる。
確かに柄の短い戦斧なら矛とは長さが違うから、見分けはつきやすいが、
戦斧にも柄の長いものもある。その場合の見分けのつけ方は難しいだろう。
「そうねぇ・・・やはり刃先の重量かなぁ」
「ふぅん・・どう違うの?」
「ハルバード、グレイブ、ブロードアックス、バトルアックスの順に刃先が
重くなっていく感じ。ハルバードはやっぱり斬るより突くだし、
ブロードアックスとかなら突くより斬るだしね」
「ふぅん・・・グレイブは?」
「どっちの長所も持ってるけれど、中途半端なイメージはあるかな。
ただ1vs1の戦いなら、グレイブも相当脅威になるわね。
突けるし、斬れるからね」
「そっかぁ・・・」
「マールも槍術を習うといいんじゃない?冒険に行くなら使えて損はないわよ?」
「うん。今度、どこかで教えてもらえたら、そうする~」
「あ、そういえば、最近ね、お客さんがちらほらこの店に来るようになったのよ!
なんか城の歩兵隊御用達っていう噂が立ってるらしくて、あなたの留守中も
結構お客来てるんだから」
「そうなんだ~すっごいすっごい!」
すごいのはあなたよ・・そう呟いてファンはマールを見る。
子供だと思っていたけれど自分の中で存在の大きくなっていく
マールを見る瞳はどこか潤んでいた。