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2◆ヒッチハイカー

バイト帰りの大学生。ある日の深夜、いつものように自宅までの道を運転していると、道の途中に若い女性が所在なげに立っているのを見つけるが… ◆サイトから転載しました。

とある若者が

バイト帰りの夜中、

家まで車を走らせていた。


もうかなり遅い時間で

バイトの疲れもあり

眠い目をこすりながら

ハンドルを握っていると


前方の道路脇に

ヒッチハイカーと見える

若い女性が立っている。


「こんな時間に…」


少し驚いて車を止め

話を聞いてみると



「カバンを落としちゃって

 帰れなくなったんです…」



若い女性が一人で

こんな時間に可哀相に、と

家の場所を聞いてみるが


自分の自宅とは

全く逆の、しかも

かなり遠い街。


免許を取り立てで

まだ運転歴も浅く、


よく知らない夜道を

長時間走るには

少し不安もあり


なにより疲れもピークに

達していた。





気の毒には思ったが

目的地までは無理だから

せめて途中まででも…


と思い、それを伝えたが



こちらの好意を解さず


「嫌だ!絶対、ウチまで

 送ってくれ!」


と、我が儘を

言いだす女性。




せっかく好意で

言ってやってるのに…と

気分を害し、


じゃあ、他の車を

あたってくれ、と

言い残し、車を発進させた。




しばらく走ったが

だんだん腹が立ちはじめ


「なんだったんだ、

あのワガママ女!

勝手なこと言いやがって」


と、苛立ちながら

音楽のボリュームを上げ


点滅信号をいくつも

通り過ぎた頃…





…何か、

車に違和感を感じた。



「うわっ、なんだ!?」




なんと、車のスピードが

少しずつ勝手に

速くなっている!!



ヤバイ、夜中とはいえ

人通りも無い訳じゃないし

すぐ減速しなくては…!



と思ったが、

なぜか足が動かない!



…おそるおそる

足元を見てみると





さきほどの女性が、




運転席のシートの下から


うつ伏せのまま上半身だけ

ズルズルと這い出し



手で、アクセルを

押し続けている!!




そして、

くるりとこちらを振り向き


じわじわ…と

足をはい登りながら


ひとこと、




「ちゃんと、案内してあげるね…」







†††


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