報告1.死後は有るか
俺はある企業に勤めていた元社員だ。
まぁ、確実に世界を動かしている類の、な…
そして今日も俺はその最前線に立ち、仕事を確実にこなすつもりだった訳だが…その最中に子供を庇って死んでしまった…
…我ながらお人よしだ………バカか俺は…
……その仕事を完遂する為に産まれていたようなものだったしな…
………俺一人欠けたところで同僚は見向きもしないだろう…
…………うん、問題無しだ『大有りだ』…ん?誰だよ……
そこで俺は目を開ける。
真っ白な空間。まるで何も無いかのように。
そこに居たのは人間・・・いや翼みたいなのが生えた…人?が居た。
しかも周りより強烈に光ってる。目を向けられない。
『私か?私は【死神】だ』
…とうとう俺の魂は来る所まで来てしまった様だな。
…んで、【死神】さんよ…俺は地獄行きか?…
『例えばこんなのか?』
【死神】はそう言った。それだけで周りの真っ白く見えた空間がまるで地獄図絵をに見るが如くの様相を一瞬にして映し、その地獄の音が何も介さずに聞こえてくる。
…何なんだこれは…俺の経験上から言っても酷過ぎる…
『ほう…これを見ても大して驚きも、ましてや絶句をしないとはな…』
それは暗に俺の神経が図太いと?
『そうだ…やはり…そうかもしれない』
…では、俺はどうなるんだ?
『いつも通りに物事が進めばな、このまま地獄に堕としている所だ』
…いつも通りに?
そうだ。と答える【死神】。
『私のミスだ』
…は?どういう事だ?
『間違ってお前を殺してしまった』
……………
『すまない』
……仕方ない……起きたことは巻き返せないからな…
『ありがとう』
ところで…あの子供は?
『大丈夫だ…今難民キャンプに向っている。』
…そこまでの道のりの危険を全部無くせよ…
『分かっている。問題ない』
…お前の問題ないは信用できないぞ。
『サポートはしている。安心しろ』
で、俺がこうなった落とし前はどうつけるんだ?
『お前の望みを聞こう…それで良いか?』
俺の望みねぇ…無いぞ
『そうか…ん?何だ?創造神か………』
『ちょっと待ってろ。』
そう言うと【死神】は黙り込んでしまった。
そのまま数分間静かなままだった。追記するなら百面相していた。とでも書こうか。
『…重ね重ね済まないが、お前に行ってほしい世界がある。』
急に何だ?俺に行って欲しい世界?
俺が行って何か得するのか?
『ああ…そうだな。得はすると思うぞ?』
なるほど…俺の居た世界とは全く違うのか?
『ああ…そこの世界は魔法、超能力があるぞ。』
ほう…何でまたその世界に行かなければならないんだ?
『それは…死鎌っと言う鎌を探してほしい』
俺の身体が白く染まっていく。
意識にも白く靄がかかり、それと同時に身体が熱くなるのを感じた。
なんだ、もう行けと?
【死神】は頷く。
『急げよ。…そうだ…あっち行って早々に死なれても困るから創造神直々にお前に眠る異能の力を目覚めさせてくれるそうだ。良かったな』
良くねぇよ。と思った瞬間、俺の魂は爆発的な光と熱と共に此処から消えた。
そして次の瞬間、理解しがたいものが目に入る。
おじさんが女の子…いや、どちらも人間じゃ無いな…まぁ、背が小さく、神々しい羽が生えた…顔立ちからして女の子か…が、これまた神々しく羽が生えた…背は180mは有るか?って言う位の青年の身体つきをした、まさしくお兄さん!っていう感じのに対し怒っている。
そこで、俺は羽付きお兄さんが怒られている理由を発見する。
…何だ?…あの山になってる物は…
近づいて見ると、それは大きさバラバラのフィギュアだった。しかも無駄に地球のアニメのキャラクターのが多いのかも知れない。
「何?これ…」
って言うか普通に喋れてるじゃん。地味に感激する。
良く見て考えると体がある。手足も付いてる。生前着ていた服もある。ボタンが首元まである黒のコードフードに、黒っぽい緑色のスキニージーンズ、黒っぽい青色のTシャツ、薄汚れた黒と白のフィンガーレスクラブに、これも薄汚れた黒色のスポーツシューズだ。
死ぬ直前に持っていた物が有る。
死神の時はどちらも無かったのに…あいつは気前悪いなぁ…
『おっ、来た様だな』
あ、気づいた。
『まぁなんだ~。こっちへ来こい』
手招きをされたので羽付き幼女と羽付きお兄さんの所へ行く。
『お前、身体白いな~』
何だ。いきなり。俺の身体は今イギリス人と同じ身体をしているはず…何で元の身体に戻ってる?
まぁ、そこは元々俺の身体だからと言う事にした。だが…左腕だけが元に戻っていない。なぜ?
俺がさっきの発言した奴を睨むと、すまんと謝った。
謝る位なら言わなきゃ良いのに。
「まぁ、あんたか?【創造神】ってのは」
『おう、そうだ。俺だ。』
横の羽付き幼女を指差しながら言う。
『こいつは、異世界でお前のサポートをこっちからやってくれる精霊だ。』
〝よろしく〟
声が聞こえ、精霊が軽く会釈する。俺もそれに倣って会釈し返す。
「俺は、レン・ミラーだ。ある企業の何でも屋だ。よろしく頼む。」
『……ちょっと訳ありの精霊さんだ。色々気にするな。それと、仲良くやれよ』
何だ。今の3秒の間は…
紹介するのにそんな言葉すら出ない間は要らない。
だが、そんな事はどうでもよかった。
『まぁ、お茶でも飲め』
【創造神】は左手に緑茶の入ったペットボトルを出す。
…面倒くさい。そんなのは後で考えれば良いだろう。
「ん、サンキュー」
ペットボトルを受け取り、キャップを開ける。
すると、抹茶の良い香りがする。これ本格なやつかも?
…あれ?何か本格的な匂いだ…
香りに疑問を持ちながら飲むと案の定、本格的だった。
それにお茶が減ってない…
「おい、創造神。なんでペットボトルなんだ」
『突っ込むところそこかよ』
呆れながら【創造神】は言う。
『だってお前、ペットボトルで何時も飲んでたじゃん。それに此処に有っても無駄だから、異世界へ行くお前にプレゼントしようかと』
「んじゃ、何で中身が減ってない?」
『そりゃ俺の能力、創造で創ったからな。…そうだ、お前の異能目覚めさせるからこっちへ来い』
言われたので近づく。
【創造神】の手から光が放射され俺に降り注ぐ。
「ん?何だ?これ」
その時だった。急に目眩がした。立ち眩み、そのまま意識が飛ぶ。
…
……
………
再び目覚める時、それは創り直す。
【それ】は全てを殺す。
そして、創る。
ただ、見て、聞く。
ただ、存在している。
それは、ただの評価。
だから、
小説書いてると眠くなりまふ