表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

蜘蛛の檻

蜘蛛足に糸が絡まった~彼女said

掲載日:2025/10/05

 私は部屋の窓から外を眺めていた。 雲はどこか霞でいて、周りの景色がぼんやりしている⋯⋯まるで私の心のように。


 別に今の生活に問題や文句がある訳ではない、それどころか私は恵まれているとさえ思っている。 でもどうしてか、満たされないのだ、何故なのか自分にもわからない。


 私はモヤモヤする気持ちをスッキリさせる為に散歩に行くことにした、玄関へいくとお母さんが声をかけて来た。


 「美咲、出掛けるの?」


 「うん、ちょっと散歩しよと思って」


 「そう、気をつけてね。 いってらしゃい」


 母に見送られ家を出た⋯⋯さて何処へ行こうかな。


 私はあてもなく、家から近い場所を歩いていた。 交差点を曲がった時、誰かと接触してしまった。 私はその人に慌て声をかける。


 「すみません、大丈夫ですか」


 「痛ってな、全然大丈夫じゃねぇわ。 どう責任とってくれんだ!」


 「申し訳ございません。 許してください」


 「はあ? 許せる訳ねーだろ! おい、よく面みせ⋯⋯うぅ」


 突然の事態に謝ることしか出来ない私。 しかし、その人が私の顔を見た途端、突然地面に跪いたのだ。


 どうしよう、責任取らなくちゃ⋯⋯そう私が思っていると、その人はさっきまでの態度を変えて、私に話かけてきた。

 

 「ごめん、ちょっと目眩がしただけだから⋯⋯もう大丈夫だから、じゃこの辺で」


 「いえ、心配ですのでついて行きますね。 私の名前は白石美咲と言います」


 先程まで、私に掴みかかってきた相手が、突然謝りそのまま去っていこうとする。 その異常さに、私は彼を心配になり、放っておく事が出来なかった。


 その後も断ろうとするのを、説得して家についた時知った事実は更に私を不安にさせる事実だった。


 「心配ですので、一緒に行きますね。 家族の方にも説明が必要ですから」


 「俺、家族がいないので問題ないです」


 そんな⋯⋯じゃあ家に帰ったら彼は一人なの? 私は彼を一人にしたくないと強く思った。 

 後から思えばこの時、私は彼、中村颯汰さんーー颯汰を異性として意識し始めたのだと思う。 理由など後から色々出てくる⋯⋯でもここで敢えて答えるのだとするなら一目惚れと言うことだ。


 

 家に中に入ると、衣類やゴミなどであたりが散乱していた⋯⋯颯汰に関わる理由を見つけたと心の中で思った。


 ご飯はどうしているのかと、冷蔵庫の中を見ると消費期限を過ぎたものしか入ってないので買い物に行こうとすると、颯汰が止めて来たので、ワザと悲しむ振りをした。 すると颯汰は諦めてこう言った。


 「そんなことない、むしろ嬉しいよ。 いままでこんなに親切にしてくれる人は、いなかったからさ⋯⋯って待てよ!一緒に行くからさ⋯⋯いい人すぎだろ白石」


 私はいい人じゃないですよ、騙されやすいんですね⋯⋯私がこれから颯汰のことをお世話しますからね。


 颯汰と一緒に家を出る⋯⋯私は空を見上げた。 晴れ渡る景色に、私の今の気持ちを重ね合わせた。



 


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ