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プロローグ
10歳のあの日
僕は神様に出会った
「お前の歩む道は、必ずや苦難の道となる」
両親の死、今まで以上によそよそしくなった村人たちの反応、――彼女の涙。
その全てから離れたくて、それでも来てしまった断崖の、両親の墓の前で、僕は彼の話を聞いていた。
「18の誕生日に村を出て、旅に出るといい」
時折、共同墓地で見かけた、僕の見た幻覚は、確かに目の前に。
全身を包む黒のローブ、骸骨の面。――あの時はフードを脱ぎ、面をはずしていた。
「旅の中でお前と同じ者に出会い、彼らと行動する中で、やがて気づくことがあるだろう」
見た目18歳の、地に付くほどの幻想的な白髪の彼は、
「気づいたとき、私は再びお前と出会うだろう」
再会を誓い、その圧倒的な存在感に惚けるだけの僕に、
「お前の存在詩篇、『刑死者』に、祝福と哀れみを」
願いの詩を託した。