第7話 妹《まい》のお願いと汗拭き
「兄子君、体が、とっても熱いの、服を脱がせて欲しいわぁ」「いや、でも妹」
「お願い、…お願いだから、・・・あついのぉ」
甘えた様な声で、いや、甘えてるなこれは、でも妹のこんな表情は今まで見た事がない。
・・・聞かない理由は、・・・ないか、汗、拭かないとだめだし。
「おっ、ぉ~、分った。でも後で怒りん坊は無しな、このベット広いから、上がるからな」
僅かに目を開いているだけだが、瞳が妙に大きい様な気もする。
しかし、熱の所為なのか、妹は再び目を閉じた。
妹の上半身を抱き起し、抱き抱える。
髪、いい匂い、シャンプーか、こっ、こら亀さんっ、落ち着け、落ち着くんだ。
背中の中程まである髪を避けて、薄い青色のブラのホックを不慣れな手つきでどうにか外した。
いつの日か、『慣れた手つきで外した』と言ってやるっ。
「妹、枕に戻すからな」
左手でブラの肩ひもを握り、右手と腕で妹を支えながら、枕の方へ戻して行く。
妹の頭が枕に近付くにつれて、ブラが妹から離れる。
ゆっくり枕に戻したつもりだったが、本当に小さく、ちょっとだけ、小刻みにぷるるんと震えて、二つの膨らみが露わになる。
大き過ぎず、小さくもなく、真に良い形をしている。
小さめの淡い桃色の円の中央に、小さいピンク色の蕾が配されている。
小さかった妹が、・・・・・・感動している場合じゃない。
触りたいっ、違う違う、汗だ汗っ。「汗を、・・・拭くから」
あー、失敗した。寝かせる前に、背中の汗を拭いてあげれば良かった。
焦るなぁ~、俺ぇ~、落ち着けぇ~、落ち着けっ。
取り敢えず、両脇の下、そして二つの膨らみを優しく丁寧に拭っていく。
そう、丁寧にだっ。擦っちゃだめだぞぉ~、綺麗なお肌に傷が付いたらたいへんだ。
ぉぉぉおおお~~~、タオル越しなのに、この弾力、この柔らかさ。
しかしこの状況、恨めしい。肌のきめ細かさや温もりも感じたい。
ちっがうだろっ、早く汗を拭いて、病院へ連れて行かないと。
自問自答している場合じゃない。
お腹や脇腹を拭いて、美脚と言うに相応しい両の足、内股を拭くか迷ったが、拭く、拭く事にした。
左足を持って外に少し広げ、タオルを差し込んで汗を拭く、そう汗を拭くのだ。
・・・もう少し足を広げようかな、ちょっとだけだから、ちょっとだけ。
よっ、よしっ、拭くぞ、・・・手っ、手がぁ~、震えるっ、左手は添えるだけ。
ぷるぷる。震えが止まらん。
ふきふき。ぷにゅ。「はぁっぅ」手の甲がちょっと、当たった。・・・柔らかいぃ。
おっ、・・・はっ、・・・早く熱さましシートを貼らないと、俺も熱が出そう。
「あついぃ~、・・・脱がせてぇ~」「まっ、妹、でもな」
「兄子君、体があついぃ、・・・お願いぃ」こ、と、わ、れ、な、い。「・・・分かった」
右手を妹の括れた腰の少し下に入れ持上げる。
左手で薄い青色のショーツを引き下げる。
「うーん、ぅーうーん、・・・引っかかるなぁ、汗の所為かな」
腰に引っかかるので、左、右、左、右と少しずつ引き下げるが、汗の所為か丸みのある、形の良いお尻にも引っかかる。
「できるかな」
右手をずらして行き、丸みに沿って、左手と同時にショーツをももの辺りまで下げる。
淡い桜色のつるつるとした二枚貝が現れた。
・・・・・・こっ、こんな近くで御出座し。
「…ぉ~」これも遺伝子の傷の所為なのかなぁ~。
・・・まっ、まぁー、これでミッションコンプリート出来そうだ。
ショーツを太ももから膝下、脹脛、足首、右、左と無事脱がす事に成功した。
「ふいぃ~、すっごいドキドキするなぁ~」
綺麗だ、・・・美しぃ~、本当にスタイルがいいな。
じゃっ、じゃぁー、残されたつるつるの二枚貝もタオルで丁寧に拭こうか。
その前に深呼吸だ。すぅ~~~はぁ~~~、すぅ~~~はぁ~~~、うしっ。
手の震えはない。デリケートらしいから、丁寧に優しく。
ふきふき、ふきふき、ふきふき。「ぅぅ~ぅ」と弱弱しく声が、声がっ。
「妹、無事に拭いたから、ほんとっ」
横に移ろう。熱さましシートを貼らないと、ここらからじゃ手がとどかない。
「妹、熱さましシートを貼るからな、終わったら布団掛けるから」口惜しいけど。「えっ」
妹の額に貼ろうと上半身を倒した時、これまでの妹の動作では、見た事のない俊敏さで、俺の首に両腕を回し抱き着いてきた。
「なっ、ちょっ、妹」何だろう、何かとてもいい匂いが妹からする。髪の匂いじゃない。
いや、そんな気がするだけかも。いやぁ~、香っている。
脳は間違いなく認識している。だけど、匂いとしては感じない、判別不能な香り。
うわぁーーー、亀さんが超元気に、首をぐぅ~~~んと伸ばしてる。
妹に悟られない様にしないと。