限界論
おのれ、天才どもめ。
限界ってのは 無理して超えるものじゃない
その名のとおり 境界の限りを定めるためのものだ
だから そのぎりぎりを攻めることまでを
とがめはしないさ
むしろ勇敢だとほめたたえすらしよう
だけどそれを超える領域まで踏みこもうと
無謀な挑戦をするってんのなら
それをはやしたてる気はおきないし
愚かだと とがめたくもなるんだ
なぁ おい
限界を超えようだなんて
馬鹿げたことは考えないで
こっち側のあまらせてるスペースを
ひろく使っていこうぜ
限られた領域だからって
嘆くことなんてないさ
その有限のなかに めいっぱいの可能性を
見出そうとするのが
ほんとに前向きなやりかたってもんじゃないのか?
そう 諭しても 天才どもは
首を縦に振りやしないだろうし
凡人の考えだと笑われまでするだろうけど
まぁ けっこうだ
限界のラインをいくつもむこう側へと
おしひろげてくれてきた彼らの功績に
敬意と感謝をおぼえはするものの
そんなのは やっぱり
ひとにぎりの天才にまかせとくべき
おれたち凡人のなせる業でもない
天才どもが おしひろげてくれたおかげで
今のラインがある限界の領域をうまく使ってやれる
ちょこざいな凡人を秀才と呼ぶのなら
それこそ まさに
おれたちの目指すべきすがただろう
秀才になれるとも思いませんが(笑)