2.食事(1)
コンコンコン。
「システラお嬢様。お食事をお持ちしました。」
ワゴンを押してミラが部屋に入ってきた。
「ありがとう、ミラ。」
ここでの食事ってきっと洋食よね。
公爵家っていうんだから、きっと豪華で美味しいのかな?
システラは高揚した表情である。
ミラが机に食事をテキパキと並べ始めた。
「システラお嬢様。お食事の用意ができました。私は外しますので、ごゆっくり召し上がってください。何か御用の際は、呼び鈴をお鳴らしになってください。」
「ありがとう。」
ミラはにっこりと笑って、部屋を出た。
ミラが持ってきてくれた食事は…
硬そうなパンとなんか茶色いスープ。
食器は所々黄ばんでいて、清潔感がなかった。
「えっ…」
ここの食事ってこんななの?
ていうか、めっちゃお皿汚いんだけど…
公爵家でもこれなら一般人はどうなるの?
でも、せっかくミラが持ってきてくれたんだし、意外と美味しいかもだし、食べてみよう…!
「いただきます。」
じゃあまずは、スープを飲もう。
ところどころ黄ばんでいるスプーンを手に持ち、少し湯気が出ているスープを掬った。
腹くくれ、私!
あむっ
これってコーンスープかな?
ん~食べれなくはないけど、なんか、なんか物足りない!
何なんだろう、塩分が少ないのかな?
味も薄いし、よく分からん!
もうスープはあれだから、パンにしよう。
見るからにこのパン硬そうなんだよな~
パンを手に取り、一口サイズにちぎって
「いや、めっちゃ硬いな!」
歯で噛めるんか、これ?
あむっ
やっぱり、くそ硬い…!
何も味しないし。
そうだ、このスープでつけパンにして食べよう!
そうすると少しは軟らかくなるでしょ!
パンを一口サイズにちぎり、スープにつけた。
「よし」
あむっ
まあまあ良くはなったかな。
でもこれが毎日ってきついよな~
まずお皿が汚いのがだめだよね。
学校では何よりも清潔感とか環境整備とかめっちゃ言われるけど、ここに来て本当に実感する。
清潔感がないと、食欲失せる!
しばらくはここにいることになるんだし、ミラに聞いてみようかな。
私が快適に過ごすために必要なことだもん!
勇気をもって言ってみよう!
汚いって!