第1話 双つの炎
双炎にリィンカーネーションの花束をの第1話です!
どうぞお楽しみくださいm(_ _)m
俺は気づいたら、知らない野原に寝ていた。
周りは森に囲まれている。そして、日が差している。
僕は、幼い頃からアルビノだから、日が差す場所へは日傘無しでは出てはいけないと、口酸っぱく言われていた。
だから、俺は急いで暗い森に駆けた。
それが全ての始まりだった。
「ハァ、ハァ、ハァ」
息が荒れる。
外で遊んだ事がほぼ無いガイトに、寝起き早々のランニングは苦行であった。
座り込み、息を整えながら辺りを見回す。当たり前だが、周りは木々が生い茂っている。
木が1本1本大きいので薄暗い。いつ、動物が飛び出してきてもおかしくはない。
そう考えながらも、歩を進める。歩いていれば森は抜けれると思ったが、想像以上にこの森は大きかった。
一旦、元いた野原に戻ろうと、方向転換したところ、物音が聞こえてきた。
「グゥガァルルル...」
動物が威嚇している声だ。
「なんだ...?熊か狼か...?」
震えながらも息を殺す。
その声に耳を澄ましていると、答えは後者。黒い狼、三匹がこちらを睨みつけていた。
「ヒィッ!!」
思わず声が出る。
ガイトは恐怖に押し負け、狼に背を向け逃げ出した。
殺される 喰われる 死ぬ
その事で頭がかき乱される。
足音で追跡されているのが分かる。死が迫るのが奴らの足音で感じる。
死と隣り合わせの中走るガイトの目の前に、古びた石造りの祠の様な建物が、日が当たってたたづんでいた。
力を振り絞り、ガイトは祠の中に入る。
「これは...。」
中は草木が自由に生い茂っていて、手入れされていない事が分かる。
そんな祠の中を見回し、隠れれる所を探す。
しかし、中は隠れれる様な障害物は無かった。
「クソッ。最悪だ。」
死を覚悟した。
絶望のガイトの後ろには、すでに祠に侵入しようとする狼達がいた。
雄叫びと共に狼が飛びかかる。
しかし、ガイトの目の前には、透明な壁?に阻まれて建物に侵入できない狼達がいた。
「な、なんなんだ?」
状況が分からなかったが、ひとまず助かり安堵する。
だが、透明な壁?を信用できる事はできないので、この隙に逃げようと他の出入口を探していると、奥の部屋に通じる通路があった。
出口に繋がるかは分からないが、行くしかない。
「っ、なんだこれは!」
奥の部屋に入ったガイトの目の前には、紅く透き通る大きな結晶の中に、白髪の少女が眠っていた。
ガイトと同じ白髪。
ガイトは同じ白髪の人間を見過ごせなかった。
「今出してあげるから!」
呼びかけと同時に結晶に触れる。すると、結晶が眩い光と共に消滅した。
結晶が消え、少女が石畳の床に落ちる。
「おい!大丈夫か!」
眠った少女の体を揺さぶると、少女がゆっくりと瞼を開いた。
「ん、なぜ目が...?」
紅い瞳がガイトを映す。
「良かった、目が覚めて!早くここから逃げよう。」
意識が朦朧とする少女を背負い、出口を探す。
結晶で隠れていたのか、外へと通じる出口があった。
「ハァ、ハァ、ハァ。」
出口から脱出に成功した二人。
体力が無いガイトが人一人背負って走れる訳が無かった。
だが、少しづつ明るくなってきたので森の出口が近いはずだ。
「良かった、ハァ、もうすぐで森を抜けれる。」
そんな希望を胸に森を抜けたが、先には崖が待ち受けていた。
「そんな...。嘘だろ...。」
絶望するガイトを後ろから狼達が睨む。
「なんだよ、俺は、俺は、いきなり知らない場所に連れられてこんな狼に喰われて死ぬのかよ!」
怒りと恐怖でそう叫んだ。
その瞬間、背負っていた少女が耳元で呟く。
「私を下ろせ。」
「え?」
「いいから、早くしろ。」
さっきまで意識が朦朧としていたとは思えない対応に、驚きながらも少女を下ろす。
「人間。私はあいにく呪いで奴らとは戦えん。」
彼女はいきなり意味の分からない事を言った。
「呪い?こーいうパターンって助けてくれるんじゃないのか!?」
ピンチの時に強気な奴は、大体助かる手段があると考えていたガイトだったが―――
焦るガイトに少女が白い手を差し伸べる。
「お前は生きたいか?」
その質問に対して今までの出来事が蘇る。
この世界に突然来てしまった事。
消えたインビテと名乗った男の行方。
この世界。異世界の事を何も分からないガイトはまだ死ねない。死ぬ訳にはいかない。
「お、俺は生きたい!!」
ガイトの返答に少女は微笑む、
「そうか。ならば我と契約だ。私は剣を守りたい。お前は生きたい。どちらも叶う。」
契約がなんなのか分からないが、ガイトは答えた。
「契約...するッ!」
ガイトの宣言を受け、少女がガイトの手を握ると、紅い光が2人を包見込む。
紅い光を浴びた狼達は、苦しそうな声を上げている。
「人間。お前の名前は?」
「ガイト。ただのガイトだ。」
「君は?」
「私はミラ。お前と同じただのミラだ。」
彼女の凛とした声と表情に、思わず息を呑む。
「ガイト。私の力をお前に貸す。お前が戦うんだ。」
彼女は戦闘経験などある訳がないガイトに言う。
「俺が戦う!?」
「私に合わせろ。ガイト。」
「そう言われても...。」
「共命」
少女がそう宣言したと同時に、ガイトはまた紅い光に包まれる。
「なっなんだこれ!?」
ガイトが目を開けると、手には紅の剣が握られていた。
「これは...?」
『お前がその剣を守り、戦え。』
彼女の声が直接脳内に響く。
『これでお前は奴らと戦え―――』
ガイトの意識が遠のいていく。
彼女の声が途切れる。
ガイトが気づいた頃には、地面に3匹だったものが赤く染まり、散らばっていた。
「え、な、何が起きったんだ...。」
後ずさりすると、何かが足に当たる。
足元には意識を失った少女が倒れていた。
「おい!目を覚ませ!何が起きったんだ!」
少女を揺さぶるが意識を失ったまま。
そして、段々と、血の匂いと共に、ガイトも気を失ってしまった。
「この森だ。ここの奥から大きな魔気を感じた。」
「本当ですね。誰かが戦闘をしたのでしょうか?」
馬に乗った男女が、そう森の中を駆けながら会話する。
「ここだ。っ...!?」
「そうですね。ここで...。」
2人が絶句する。
彼らの目線の先には、散らばったケルベロス達の死骸と血に濡れた少年と少女が倒れ込んでいた。
読んでいただきありがとうございます!(´▽`)
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