王の帰還
ぬまおと申します。よろしくお願いします。
「双炎にリィンカーネーションの花束を」をどうぞお楽しみくださいm(_ _)m
小説を書くのは初めてですのでよろしくお願いします。
それでは本編をどうぞ!
『必ずあなたを探しだすから』
この世界は生きづらい。
庭ではしゃぐ子供達や、空を自由に飛び回る鳥達の様にはいられない。
アルビノの俺には。
「「がいとーっ!!」」
名前を呼ぶ子供の声が響く。
響いた声の主は、男の子と女の子。
彼らはこの孤児院の子供達だ。
そんな二人は、窓際で本を読む全身真っ白な少年に飛びかかる。
「どうしたんだい?」
白い少年、ガイトが飛びかかって来た二人の頭を照れくさそうに撫でる。
「あのね!この絵本よんでほしいの!」
そう言う女の子、陽菜の小さな手には、古びた本が持たれていた。
「がいこくの文字だからわかんねぇ!」
男の子、凌太がそう言いながら、ニヒッと笑う。
ガイトが絵本に目を移すと、古びた本のタイトルには見た事が無い文字で書かれていた。
アルファベットでもなければ、漢字でもない。
「見た事無い文字だな。この本どうしたの?」
問いかけるガイトを見つめながら、二人は後ろを指す。
「あのおじさんから貰ったの!」
凌太の声に気づき、指さした方向から背の高い男が近づいて来る。
細身の背が高い男。スーツを着て、フェルトハットを被っている。
顔つきからして、日本人ではなさそうだった。
「その本を差し上げたのは私です。」
男が口を開く。
ガイトは誰かの里親なのかと首を傾げていると、奥から先生。子供達の面倒を見る職員の立花もこちらに来た。
「立花さん。この人は?」
「決まったのよガイト。あなたの里親よ。」
そう安堵した様子で彼女は答えた。
「俺の里親?」
赤ん坊の頃、この孤児院の玄関先に捨てられていたという自分。里親が決まったという事は、十七年間過ごしたこの場所を立ち去るという事でもある。
ガイトは里親が決まった事よりも、ここを離れる事が嫌で、素直に喜べなかった。
「初めまして。私はショーン・インビテと申します。よろしくお願いしますね。」
長身の男が挨拶をする。
呆然と立ち尽くすガイトのシャツの裾を陽菜がギュッと握る。
「ガイトは生まれつき特異体質だけど、インビテさんはお医者様だから安心よ!」
ガイトの肩に手を置く立花さんにガイトは笑顔で返した。
いや、苦笑いだったかもしれない。
[孤児院を出る当日]
「がいとー。ほんとに行っちゃうの?」
「もう会えないの?」
一番仲良くしていた凌太と陽菜から離れるのは辛いが孤児院とはそういうもの。
しんみりとしている三人の所に立花さんもやって来る。
「ガイト。いつでも遊びにおいでね。」
「ありがとう。立花さん。凌太や陽菜達をよろしく。」
そう言って俺は最後の挨拶を交わし、荷物を持ち、インビテの車に乗り込んだ。
「ガイト君。家まで遠いので寝ていて大丈夫ですから。」
ルームミラー越しにガイトを見るインビテ。
ガイトはルームミラー越しに頷くと共に、眠りについてしまった。
「う、うん?着いたのか?」
目を擦りながら目を開くと、そこには車どころか家1軒すら無い野原に倒れていた。
「インビテさんは?」
インビテの姿もそこには無かった。
「なっ何が起こったんだ?」
ガイトはインビテに捨てられたと考えたが、捨てる理由も無い。そんな事を考えていたが、ガイトはアルビノ。アルビノは、直射日光を避けなければならない体質だ。
体の事を考え、ガイトは近くに佇む森に駆けた。
読んでいただきありがとうございます。
これからも投稿をしていくのでよろしくお願いします。
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