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63.恋とキス

 


 私達はゆっくりと、唇を重ねた。


 軽く触れて、心臓が鼓動を早め、直ぐにまた吸われて、また鼓動が強くなる。


 何度も、何度も、啄むように唇を重ね、胸がじんっと痺れて呼吸が浅くなる。


 空気を求めて口をら開けたら、ギルベルト様の舌が私の中に入り込んで、彼が私を強く抱き締めて身体が震えた。


「クリスティーナ、好きだ」


 囁くように呟いて、また私の唇に触れて、さっきよりもたくさん吸われて、彼の舌が押し込まれる。


「んっ······」


 言葉よりも先に、彼の唾液が私と混ざり合い、甘くて、甘くて、溶けてしまいそうになる。


「大好きだ」


 唇と唇が、手錠のように糸で繋がれまま、彼が私の首に唇を寄せた。


「ふぁ······っ!」


 まだ何もされてないのに、吐息がかかるだけで背中が仰け反る。

 そのまま、何度も、何度も吸われて、静かな部屋の中で、リップ音だけが響き渡った。


 首からギルベルト様の顔が離れ、お顔を見たら、目元は紅く紅潮して、そんな顔をさせたのが自分なんだと嬉しくなる。


 もう一度、自分から唇を差し出し、軽く舌を絡めたら、ギルベルト様の大きな手が私の開襟シャツの中に入り、大きく動いた。


「あぅ······っ」


 あんまり色気のない声が出て、身体中が痺れて上手く動けない。片手だけで太股を撫でられて、あちこちにギルベルト様を感じて、私は甘い吐息を溢した。



「乙女は、結婚式まで守らなくちゃね」


 微笑みながら、私に触れるギルベルト様に私も笑い、「そうですね」と答え、私はまた唇を重ねた。


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