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21.クリスティーナの企み


 

「そう、指先まで意識して」

「なんかプルプルします」

「顔をしかめない。常に笑顔」


 夜会開催の3日前、フィーネ様との特訓の成果もあり、淑女教育もだいぶ形になってきた。


「なんとか及第点ね。落第ギリギリだけど」

「あとは、出たとこ勝負ですね!頑張ります」

「その自信はどこから出でてくるのよ」


 フィーネ様は、さすがニコラウス様と御姉弟だけあってなかなか鋭いつっこみを入れてくれる。オーベルマイヤー家のノリの良さとツッコミのキレは血筋なのだろう。


「本当に有り難うございます。女性としての技術を、ここまで一生懸命勉強したのは初めてです。フィーネ様がいなかったら、一生男として暮らしていたかもしれません」

「貴女本当に男爵令嬢?」


 軽口も受け止めてくれるこの度量。本当に素敵なお姉様だなと、ニコラウス様が羨ましくなった。


「それはそうと、夜会翌日のガーデンパーティの着付けについてなのですが」

「ああ、もちろんうちでやってあげるわよ」

「いえ、実は我が家でやろうと思いまして」

「着付け、出来るの?メイクも?」

「実はとっておきの秘策がありまして」

「······なんか悪いこと企んでるの?」


 フフフと薄暗く笑う私に、方眉を上げてこちらを見ていたフィーネ様は、

「ま、貴女の好きなようになさいな。その代わり夜会の着付けはバッチリやるわよ」

 と言ってくれた。


「ギルベルト様に素敵なお相手が見つかるといいんですけど」

 とため息混じりに呟くと、

「もう見つかってると思うんだけどね」

 とフィーネ様は眉尻を下げた。



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