088 敵の襲来
【辺境宙域 第132警戒用観測基地】
辺境軍では、敵の襲来予想宙域を中心に200基の無人基地と、約8000機の無人偵察機による警戒監視網が作られていた。
その日、第132警戒用観測基地ではセンサーに反応があった為、プロトコルに従って『MQ-801B無人偵察機』3機編成3部隊を発進させた。 そして約5時間後、敵艦隊を発見し情報収集の為1部隊が突入した。
直ぐに破壊されたものの、必要十分な情報収集には成功しており、距離を取っていた残り2部隊により中継され司令部に報告された。
そして報告を受け取ったオペレーターは手順書に従い、直ちに司令を始めとする上級幹部達に緊急招集の為連絡をおこなった。
【辺境軍司令部 作戦室】
集まった幹部達を見渡しながらロアは、
「さて、皆も資料に目を通したと思うが敵が現れた。 出現時期については予想通りだが、敵艦隊の規模に疑問が残る。
前回の敵艦隊は65000隻で、それを壊滅したことから今回はその10倍の60~70万隻で攻めてくると予想していたが、確認できたのは30万隻と少ない。
皆の考えを聞きたい。」
「「・・・」」
「では私から・・・ 過去の例から推測するに速力の遅い艦種の一団が後から追随しているのではないでしょうか?」
「私もその考えに同意しますが、もしかしたら一度に部隊編成出来る上限が30万隻という可能性もあると思慮します。」
ロアは皆の意見を聞きながら前世の記憶を参考に考え込んでいたが、ゲーム内では10万隻が上限だった事からあまり意味は無かった。(既に10万隻を越えた敵艦隊が出現しているため、上限が予測できなくなった。)
結局、敵の後続部隊に注意しつつ当初の計画に基づき迎撃する事に決まった。
「よし、辺境軍は直ちに全力出撃に備えよ! 王宮と統合本部に支援要請をおこなえ。」
「「はっ」」
【ダケタ王国 王宮 国王執務室】
王宮では少し困った事態となっていた。
本部長が宰相等集まった人達を気にしながらも口を開く。
「陛下いかがいたしましょうか?」
「敵が30万隻か・・・ 辺境軍が出来た今となってはルコールが総指揮官となって援軍を率いるにはちと弱いかの・・・ 」
「はっ、私もそのように考えますが、王族が指揮を取らないとなると、諸侯軍も集まらないでしょう。 王国軍だけとなると援軍に出せるのは15万隻程度かと・・・ 敵に後続があった場合を考えると少々心配な数字です。」
「そうだの・・・ メイとアリスを王族教育の一環として観戦武官扱いで送り出す。 さすれば護衛の名目で近衛艦隊を送り出せるからの、少しは兵力の増強も出来よう。」
「それは・・・ 」本部長が言いよどむと共にルコール殿下が、
「それならば私が観戦武官として行きます。 妹達を危険な目に合わせられません。」
「男系王族だと指揮官でなければ恰好がつかん。 王女だからこそ観戦武官扱いで出せるのだ。 他に方法もあるまい。 決定だ!」
「「はっ」」
そして、その事を知って慌てたのが2人。
リラ海軍長官はメイレリア王女の安全を少しでも確保する為、海軍の指揮を幕僚長に預け実家の三神公爵家から5000隻の艦隊を率いて辺境へ。
そしてアリスティア王女の事で思わず暴走したロアは『ゲーマー』から新たに2万隻を越える艦隊(王国宇宙軍の通常戦艦500万隻相当の戦力)を呼び寄せた。 いや、呼び出してしまった。
これは『ゲーマー』全艦隊の8割にあたり、正気に戻ったロアは消費した特殊燃料等の事を考え顔が真っ青に・・・




