086 秘密が多いロア伯爵
【B-SBA01基地 周辺宙域 辺境軍旗艦『あまつかぜ』】
これからの事を考えていたロアは、『あまつかぜ』からアリスティア王女が『久須見』でこちらに向かって来ていると聞かされ、こちらの地球を見せるわけにはいかないと慌ててB-SBA01基地まで進出していた。(SBA00基地まで来られねと、ゲーム世界の地球が見えてしまう。)
「『あまつかぜ』、『久須見』のETA知らせ。」
「了解。 『久須見』ETA 1430Z」
ロアは慌てて01基地まで出て来たが、アリスティア王女の到着までまだしばらくかかる(約5時間)と分かり落ち着きを取り戻していた。 そこで早速、王女出迎えの準備を始めた。
先ずは『ゲーマー』の代表団をでっち上げないとならないが・・・ ユニット29シリーズだと人間そのまんまの外見だからな・・・ 如何にも異星人って外見のユニット30シリーズで構成するべきだな。
01基地にもそれなりの数が配備されているはずだから問題なく集められるだろう。 制御もそのまま基地のコアに任せれば大丈夫だろう。
後は・・・ 使っている言葉が一緒だとおかしいから、技術力の高い『ゲーマー』が早々にこちらの言葉を解析して翻訳機を使用している事にするか・・・ ちょっと苦しい言い訳だが、何とかなるだろう。
そうして『あまつかぜ』や基地コアに指示を出しているうちに時間となり、『久須見』がワープOUTしてきた。
【B-SBA01基地近傍 海軍第2特務艦隊旗艦『久須見』 艦橋】
ワープOUTした後、メインモニターに映し出された円筒型の大型コロニーを見て、アリスティア王女を始めとする全員が言葉を失っていた。
「なんて大きさ・・・ 」
するとオペレーターから、「『あまつかぜ』からの誘導信号受信、指定ポイントに向かいます。」と、更に「ロア様からの通信を受信、サブモニター1番に繋ぎます。」と報告が上がる。
皆の視線がサブモニターに集まる中、ロアが映し出された。
「アリスティア王女を始め、皆様にはご心配をおかけしました。 又、来訪を歓迎します。」
「ロア伯爵、無事な姿を拝見できて嬉しく思います。」
周りの目がある為、毅然とした態度で話しているが目を真っ赤にしながら訴える様な視線を向けてくるアリスティア王女を見て、ロアの良心がめった刺し状態に・・・ そして気まずさから目が泳いでしまう。
そして、王女はそれに気が付き、(さっきまでロアの無事な姿を見て感極まっていた思考が瞬時に切り替わり、後で問い詰めなければいけない事がありそうですね。)恐い笑みに変わった。
【ダケタ王国 王宮 国王執務室】
珍しくロイド公爵が国王執務室に来ていた。(表向きは、王国に迷惑をかけた息子の謝罪) そこには既に宰相と軍本部長も来ており、国王を含め4人だけの秘密の話し合いがなされていた。
「ではロイドよ、ロアは先史文明の遺跡を見つけ、単独ワープ能力を持った宇宙船を手に入れたというのか?」
「はっ、その通りです。 ロアは前回、陛下への報告に来た際に話をする予定でしたが、予定外の乱入者により報告できなかったと言っておりました。」
「そうか・・・ で、アリスがその内の一隻に乗り込み、ロアを追って『ゲーマー』領域に向かったのだな?」
「さようです。 事が事なので、直接報告しに登城しました。」
「 ・・・そうか、頭の痛い話だな。」
「はっ、それともう一件あるのですが・・・ 『ゲーマー』がロア意外と交渉する気は無いとの公式発言は、ロアが『ゲーマー』にお願いして言ってもらったとの事です。 何せ、単独ワープ能力が無い普通の船だと、1000年掛かってもたどり着けないとのことです。」
「それは・・・ まぁ単独ワープ能力を秘匿するならそれしかないか・・・ 分かった。こちらも話を合わせるとしよう。」
「はっ、よろしくお願いいたします。」
「それで、今使える単独ワープ艦は有るのか?」
「いえ、姫様が乗って行ったのでこちらには1隻も有りません。」
「 ・・・ではロア達が帰って来るまで、こちらからは何も出来ないという事か・・・」
「はっ、その通りです。」
「 ・・・本当に頭の痛くなる話だな。」
「「・・・」」
「「は~~~」」全員がため息をつくのであった。




