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085 偽りの第3勢力

【ダケタ王国 王宮】


 その日、ダケタ王国国王が第3勢力の存在を確認し、敵艦隊との戦いで共闘する為の交渉に入ったことを発表した。(今まで、我々人類と敵の2勢力しか確認されていなかった。 又、遺跡等から遠い過去には別の文明があったようだとの認識。)


 突然の発表に全人類が驚愕すると共に、ダケタ王国の貴族や他国の外交官が少しでも情報を得ようと王宮に集まった。 結果、そのままという訳にもいかず、宰相が大広間に顔を出し情報を開示すると共に、未だ交渉中であり今後どうなるか分からない事を強調し、憶測で噂を広めたりしないよう注意した。


 「余りに多くの者が集まった事で憶測が独り歩きを始め、間違った知識が拡散しないよう陛下が懸念されている。 そこで、陛下から私が現状知り得た事柄について情報共有し、皆の不安を少しでも和らげるよう仰せつかった。 皆騒がずに聞いていただきたい。」

 「「はっ」」


 「先ず、第3勢力についてだが彼らは『ゲーマー』と名乗っている。 そして彼らの技術力は我々のはるか先をいっている・・・  協力体制を築ければ敵との戦いが楽になるどころか、勝利することも難しくは無いだろう。

 だからこそ、『ゲーマー』との交渉は細心の注意を払って成功させなければならない。 下手に騒ぎ立て交渉の邪魔になるような行為は厳に慎むようにとの仰せだ。」


 そこで一旦話を止め、宰相は皆を見渡した後、ゆっくりと続きを語りだした。


 「さて、事の始まりは辺境宙域で調査活動をしていたロア伯爵が未知の艦隊と遭遇した事だ。 そうとは知らず『ゲーマー』の領有宙域に入り込んでしまった為に迎撃部隊が現れたのだ。

 ロア伯爵は『ゲーマー』及び領有宙域について知らなかったため起きた事故であり、悪意ある行動ではなかったと説明した上で謝罪したが、現場検証が済むまで拘束される事となった。

 皆ももう分かったと思うが、これがロア伯爵行方不明の真相だ。

 その後、現場検証が済み事故と認められ拘束を解かれたロア伯爵が、こちらに連絡を取り『ゲーマー』の存在を報告すると共に我が国の代表として、交渉の為そのまま『ゲーマー』の基地に滞在している。

 ロア伯爵からは、友好な関係は築けたがどの程度協力してもらえるか不明、更なる関係構築を目指すとの報告を受けている。」


 「「・・・」」

 皆が言葉を失っていると1人の貴族が、「そうゆう事でしたら軍事畑のロア伯爵より、外交に強い貴族で使節団を派遣するべきです。」と発言した。

 一部の貴族が出世のチャンスとばかり意気込むが・・・


 「『ゲーマー』からは、ロア伯爵は信用に値するが。 人類が信用に値するかは未知数の為、ロア伯爵以外との交渉を行う気はないと公式に言われている。」

 宰相の言葉を受け・・・


 その後、宰相は王宮に集まった人々を解散させると報告の為、国王執務室に向かった。



【ゲーマー母星 軌道上SBA00基地】


 ロアは一連の出来事を思い返し、冷汗を掻いていた。


 感情が振り切れて、ただただ基地や艦隊を眺めていたが、トクリ准将からの伝言を受け取り一気に現実へと引き戻された。 


 私は今まで一体何を・・・  (前世での艦隊を見つけた事で、人格なども前世に強く引っ張られていたが、トクリ准将からの伝言で目が覚めた。)


 「まずいぞ・・・ 『あまつかぜ』、最後の定時連絡から何時間経った?」

 「はい、253時間39分です。」

 

 ・・・そんなにか・・・  10日以上連絡していないとは、本国でどんな騒ぎになっている事か・・・

 何とかしなければならないが、どうしたらいいか・・・ 

 いっそのこと死んだことにして、この艦隊を使い裏で暗躍するか・・・

 焦るばかりでいい案が思いつかない。


 それでも何とか『ゲーマー』という架空の第3勢力をでっち上げ、拘束されていたので連絡できなかったというシナリオを創り上げた。


 そして『ゲーマー』の信頼を得ているのは自分だけで、他の人とは交代できないので交渉の為に基地に留まっています。 と言う事にして、細かい設定を考える時間を作り出し一旦地球に伝令艦を飛ばしていた。


 ロアは行方不明になっていた事との言い訳と、時間稼ぎを成功させたことで危機を脱したが、非常に危ういところだった。



 そして、本当の意味での危機はまだ脱していなかった。

 アリスティア王女が第2特務艦隊旗艦『久須見』に乗り込んで、ロアのもとに向かっていたのだ。

 

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