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【ダケタ王国 王宮 アリスティア王女私室→国王執務室】
アリスは朝から機嫌が悪かった。 ここのところ中々ロアとの連絡がつかず、昨日などは一度も話す事が出来なかったのだ・・・
しかし、昼が過ぎ夜になっても連絡がつかないと今度は心配する気持ちが大きくなってくる・・・ ついには陛下の元へ
「お父様、この二日間ロア様と連絡がつきません、何かご存知ないでしょうか?」
「いや、何も聞いてはおらぬが・・・ 伯爵家は何と?」
「はい、辺境軍で軍務中と・・・ そこで、辺境軍司令部に問い合わせると辺境宙域の偵察任務に出ていると・・・ 更に状況によっては電波封止を行う事もあるので、連絡がつかなくても心配無いと・・・」
「ふむ、軍司令部がそう言うのならその通りなのだろう・・・ 何も心配いらん。 大丈夫だ、もう少し様子を見るとしようではないか。」 陛下は王女を安心させるため、敢えて何の心配もないとの態度をとっていたが、辺境宙域で長時間の電波封止をしなければならない事態を思うと、とても嫌な感じがしてならなかった。
ともあれ、国王はアリスティア王女を部屋へ帰すと、本部長へと連絡を取った。
【辺境宙域 辺境軍総旗艦『あまつかぜ』】
後方が少々騒がしくなってきている中そんな事とはつゆ知らず、ロアは上機嫌で戦闘艦のオペレーターと会話をしていた。
「こちらに来たのは、第1に現状確認、第2に可能ならばログインをしたいと考えてです。 ところでそちらのお名前をうかがっても?」
「私に名前はありません。 ユニット29タイプCとお呼びください。 現状確認については正規ユーザーでは無いので権限不足の為実行出来ません。 又ログインについても顔認識の結果、該当データなしの為キャンセルされました。」
「それは困りましたね・・・ 姿形が変わってしまったのです。 手動ログインを申請します。」
「 ・・・了解。 手動ログインを許可しますが、コンソールへの直接入力が必要です。 こちらへの移乗が必要です。」
「分かりました。 小型機でそちらに向かいます。 どちらの船に向かえばいいでしょうか?」
「それでは04C1の格納庫が空いていますので、そちらに向かって下さい。」
「分かりました。 10分で行きます。」
ロアは、『あまつかぜ』に現場待機を命じると小型機に乗り込み04C1へと向かった。 勝手知ったる何とやら、さっさと後方下部の格納庫ハッチから中に入り小型機から降りると、ユニット29シリーズが数体見守る中コンソール卓へ
〔ログイン〕
〔ID〕
:○○△□〇△△: ポチポチ・・・
〔PW〕
:□○○△△△□〇: ポチポチ・・・
〔二段階認証〕
〔最初のペットの名前〕
:ポチ: ポチポチ
「正規ユーザー 〖肉球〗 と確認できました。 指示待ちの為、待機します。」
「よし、ユーザー名を〖肉球〗から〖ロア〗へ変更。 認証用の外見データーを更新せよ。」
「データの更新終了しました。 待機中。」
「次は私が乗ってきた艦との情報連結を実施せよ。 三神コアのシステムとこの艦のコアは同系列のはずだ。」
「 ・・・情報連結出来ましたが、処理速度が上がりません。 限定的なものとなります。」
「 ・・・何が原因でそんな事に・・・ まぁいい連結は出来たのだ、よしとするか。 B-SBA07のポジションを全艦で共有せよ。」
そのままロアは繋ぎっぱなしの通信回線に話しかける。
「『あまつかぜ』、私はこのまま04C1でB-SBA07に向かう。 そちらも全艦B-SBA07に集結するように。」
「了解しました。 ロア様」
「よし、04A1は元の哨戒任務に戻れ! 04C1はこのままB-SBA07に向かえ。」
「了解。 出力上昇中、5分後ワープを開始します。」
かつての自分の基地の一つを見つけた事でテンションが上がっていたロアは電波封止のことをすっかり忘れていた。
おかげで王宮が徐々に騒がしくなっている事にロアは全く気付いていなかった。




