077 三神公爵、三神伯爵、三神男爵の情報共有
【王国軍月面基地 三神公爵領軍専用エリア 情報センター】
前回、少々やらかした感のあるロアだが、その能力の高さ(チートで手に入れた技術力など)から早々に辺境軍の体裁を整え、国王への報告等のため地球圏に戻っていた。
「明日の陛下への報告のためにロアが戻ってきた。 そこで、ロアが陛下に会う前に三神としての情報共有と意思統一を図るため皆に集まってもらった。」
三神公爵がそう言いながら周りを見渡す。
「「・・・」」
「父上、雰囲気を出されているところ申し訳ありませんが、此処にはリラと私と父上の3人しかいませんので、普通にお願いします。」
「む、そうか・・・ それではロア、お前が他に知られたくない3人だけで話したい事が有るということで集まった訳だが・・・ 話を聞こうか。」
「はい。 ・・・私は今、大きな秘密を抱えています。 それを家族で共有した上で、陛下に知らせるべきか協議したいと考えています。」
「「・・・」」
「分かった・・・ 何か聞くのが怖くもあるが・・・ 話せ。」
「はい、D-51宙域の一部を陛下から拝領したおりに視察を実施したところ、遺跡を発見し中から高度な技術で造られた船を見つけました。」
「 ・・・兄上、それは囮艦隊に参加していたあの船ですか? 1隻で、確か攻守共に通常戦艦100隻分の能力が有ると言っていた・・・ 」
「察しがいいな、その通りだ。 残っていたパーツ等も組み立て全部で250隻程有る。」
「ふむ、興味深いな・・・ ロアよ、技術解析や量産は出来るのか?」
「それについては残念ながらとしか・・・ ただし、遺跡にあった修理・整備用の施設を造船に転用する事で、10日に1隻のペースで建造が可能となりました。」
「思ったより早い建造だが・・・ 圧倒的に数が足りないな・・・ それで?他にも何かあるのか?」
「はい。 ここからが本題と言ってもいいでしょう・・・ 実はこれらの船にはゲートを必要としない単独ワープ能力があります。」
「なんだと! ・・・それが本当なら今後の戦い方が一変する事になるぞ。」
「はい。 私が一番懸念しているのもその事です。」
「聞かせろ。」
「 ・・・圧倒的物量を誇る敵に何かのきっかけで技術がわたり、ゲートを必要とせずに次々とワープして来たら我々の敗北必死です。」(具体的には破壊された遺跡戦艦が鹵獲され、技術が盗まれる事を懸念)
「確かに・・・ 敵には渡せんな、運用が難しいか・・・」
「というか・・・ 父上、兄上、その船は敵に見せるのもダメなのでは?」
「ほう・・・」(ロアは感心するような目でリラを見る。)
「む、どういう事だ?」(公爵はリラに続きをうながす。)
「はい。」(ここでリラがロアを見ると軽く頷いたので更に)
「ワープ装置が敵の手に渡らなくても、単独ワープという方法がある事に気が付けば、いずれ独自に開発するのではないですか?」
「むっ・・・ ありえなくもないか?」
「はい、父上。 リラはよく気が付いたと思います。
1年・10年は大丈夫でしょうが、100年・1000年となれば、敵が自力で作り上げるかもしれません。 敵には単独ワープの存在そのものを秘密にする必要があると考えます。」
「なるほど、それでこの集まりか? 知る者が増えれば使いたがる物が現れ、使う者が増えれば敵に露見する可能性が上がる。」
「その通りです。 それで最初の話に戻りますが、陛下に伝えるべきでしょうか?」
ロアはどこかスッキリした顔をしているが、話を聞かされた2人は・・・
【ダケタ王国 王宮 アリスティア王女私室】
明日、ロアが国王への報告を終わらせた後、2人でおでかけ出来ると浮かれる姫が・・・
報告がすんなり終わることを祈るばかりである。




