074 論功行賞
【ダケタ王国 王宮 謁見の間】
攻略作戦が終了し1ヶ月、主だった軍指揮官と貴族達が集まっていた。
今回の一連の作戦では、「敵侵攻艦隊の撃破」、「敵前線基地の攻略」、「1つ奥の敵中継基地の攻略」という主目標を達成しており、その結果について高く評価される一方、連合国艦隊と一部貴族艦隊の壊滅という大きな損失を出した事でどの様な扱いを受けることになるか・・・ 不安からか、皆の口数は少なかった。
やがて皆が頭を下げる中、国王が入室し一言、「面を上げよ。」
皆緊張しながらも顔を上げ、陛下に視線が集まる。
「皆の働きにより、当初の計画通りの結果を得られた。 まこと大儀であった。」
「「はっ」」
「又、此度の戦いにおいて多大な犠牲を出しながらも戦い抜いた連合国艦隊、及び関係各国に感謝を・・・(本当の事を言うと問題がありすぎるので、外交的観点から当たり障りのない内容に・・・)」
そして論功行賞が始まった。
「先ずは攻略艦隊から論功行賞を行います。 今回は数が多いため陛下に代わり私宰相が読み上げます。」
攻略艦隊については、全体指揮を執ったルコール殿下、敵前線基地を占領した近衛艦隊司令ティ大将、敵前線基地を発見した別動隊指揮官のツツイ少将、敵防衛艦隊を撃破した前衛艦隊指揮官達、後方支援の重要性を鑑み補給整備部隊や救難艦隊の指揮官達。 これらの功績の発表と勲章の授与、昇進等が言い渡され、陛下のお言葉を一言づついただきながらも粛々と続いた。
「次に敵侵攻艦隊を迎え撃った迎撃艦隊。 及び敵戦力誘引を行った囮艦隊の論功行賞を行います。」
こちらも宰相が続けて読み上げた。 (全てを纏めて表彰すると、功績の大きさからルコール殿下の上にロアが来てしまうので、部隊毎に表彰する事でごまかした。)
ロア大将は敵侵攻艦隊に対する迎撃支援と囮としての任務の完遂、後に敵艦隊殲滅の功績極めて大。
リラ少将は敵侵攻艦隊の迎撃総指揮。 及び敵艦隊殲滅の支援の功績。
トクリ少佐は、この場で表彰されるには異例の低階級だが、王国海軍第2特務艦隊司令として敵侵攻艦隊に対する迎撃支援と第2目標の発見及び攻略の功績が認められ特例での表彰。(左官以下の階級の者は、所属部隊の長やその地域の領主が表彰するのが慣例となっている。)
一通り功績の発表と勲章の授与が言い渡された後、昇進等については陛下自らが口を開いた。
「ロアよ、圧倒的多数を相手に此度の戦果、誠に見事。 上級大将に昇進と共に伯爵へ陞爵とする。 また、ロアには海軍長官を辞め、新設される辺境軍の総指揮を執ることを命じる。」
「はっ、謹んでお受けいたします。」ロアは跪きながら頭をさげる。
「さてリラよ、迎撃戦の総指揮。 更には敵艦隊殲滅の支援見事であった。 未だ10代でこの功績、先が楽しみでもある。
リラには男爵位を授けると共に中将へ昇進、ロアに代わり海軍長官を命ずる。」
「はっ、謹んでお受けいたします。」リラは、ロアにならい跪きながら頭をさげる。
「トクリ少佐も目標の発見及び攻略見事であった。 特に第2特務艦隊単独での攻略成功は称賛にあたいする。 爵位の授与は無いが、その分も含め准将へ特進させる。」
「はっ、身に余る栄誉、謹んでお受けいたします。」トクリは声を少々震わせながら跪き、頭をさげる。(心の中では、目標発見はロア様に言われた通りにしただけだし、目標の攻略はロア様が用意した超大型艦のAIが自動で行ったので、私は特に何もしていない・・・
そんな私が将官になっていいのか? 本当にいいのか? 少しばかりパニックになっていた。)
更には、連合国に大使を通して謝意や贈り物の授与などが行われたが、終始撃破数等の具体的な数は出てこなかった(具体的な数を隠すことで、三神とその他の戦功の差をごまかした。)
この後、大広間で戦勝パーティーがおこなわれるとの事で、国王が謁見の間から退室して行くと皆ぞろぞろと移動を開始した。
本編に書かれていませんが、海軍の第2特務艦隊の超大型艦100隻は第2目標だった敵中継基地に留まり、敵ゲートから出続ける敵艦の撃破と周辺宙域の警戒監視をしています。
指揮船の補給艦『久須見』はトクリ少佐達と地球へ帰還、就役したばかりの久須見型補給艦2番艦『間宮』が進出し現在第2特務艦隊を指揮しています。




