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070 仕上げの始まり

【第2攻略目標宙域 攻略艦隊 総旗艦『黒虎』司令部区画】


 三神艦隊からの情報を基に攻略艦隊が移動を開始していた。


 司令部では幕僚の1人が、「殿下、右翼艦隊・左翼艦隊共に発進し終わりました。 予定宙域への到着は30時間後を予定しております。

 主力艦隊は、この宙域に10個艦隊ほど置いていくため編成替え中ですが、1時間後には出発出来る見込みです。」

 「了解した。 残留艦隊先任指揮官のポック少将に通信回線繋げ。」

 すかさずオペレーターが、第7艦隊司令部に連絡を取りポック司令との通信を確立する。


 「お呼びでしょうか殿下。」 敬礼しつつポック司令が通信モニターに現れる。

 ルコールが答礼を返しつつ「貴官には、残留艦隊の指揮を任せる。 奥のゲートから出てくる敵艦隊については海軍の第2特務艦隊が対処しているので、周辺宙域の警戒をメインに行ってくれ。

 ただし、第2特務艦隊がゲートから出現する敵艦艇群に対処しきれなくなった場合に備え、ゲート破壊の為の戦力を付近に待機させておくのを忘れないでくれ。」

 「はっ、了解しました。」


 主力艦隊は現宙域に10個艦隊25000隻を残していくと同時に、後方の支援艦隊から救難艦隊を2個艦隊5000隻と整備補給中だった別動隊2500隻を呼び寄せて組み込んでいた。

 最終的に11万隻となった主力艦隊は予定通り1時間後、作戦宙域に向け発進して行った。



【敵領域宙域 三神家艦隊 艦隊旗艦『あまつかぜ』】


 艦隊旗艦『あまつかぜ』と増援艦隊旗艦『礼文』で臨時の作戦会議がおこなわれていた。


 通信モニター越しにリラが、「では兄上、防御重視から攻撃重視にすると言う事ですね?」

 「そうだ、ルコール殿下からの連絡では間もなく予定宙域への艦隊配置が整うとの事だ。 時間稼ぎを止め、敵艦隊を半数以下まで撃沈し撤退に追いやる。

 既に囮を始めてからの累計敵艦撃破数は44万隻を超えている。 後一押しで撤退させられるだろう。」

 「了解しました。 と言っても全艦『あまつかぜ』の制御下ですから我々にする事は無いですね?」

 「まぁそうだな・・・ 覚悟を決めるぐらいか?  ・・・後、追撃戦を行うが、私としては1隻残らず撃沈したい。 1隻でも逃せば此方の情報を知られ、対策される恐れがある。

 今より追撃戦の方がきつくなるだろう。 それこそ覚悟していてくれ。」

 「了解。 最後までお付き合いします。」


 その後2時間程で敵艦隊が後退を開始し、追撃戦が始まった。


 少ししてロアが、「『あまつかぜ』、ここで敵艦を1隻でも多く撃沈出来れば攻略艦隊の被害がその分減る。 エネルギー消費の制限を解除、全艦全力攻撃を開始せよ。」

 「了解しました。 ・・・全艦の制御システムの上書きを実行。 各リミッター解除しました。

 攻撃出力上昇に伴い撃破率も上昇していますが、各艦艇への過負荷も増大中です。 子爵艦隊及び増援艦隊の内、新型艦1000隻は問題ないですが、改装高加速艦4000隻については余り長く持ちません。 船体への不具合が発生すると予想されます。」

 「了解だ。 出来るとこまででいい、ぎりぎりまで持たせてくれ。」

 「了解しました。」


 敵艦隊は反転全力加速で離脱しようとしているが、三神の艦隊の方が加速力に優っているため有利な射程が保たれるし、敵艦は防御力の低い艦尾をこちらに向けているため、出力制限解除と相まって次々と撃沈されていく。


 敵艦隊が攻略艦隊の待ち構える宙域に達する頃には、約30万隻と数を大きく減らしていた。


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