066 囮(子爵領)艦隊、第2目標地点へ行くのを取り止め?
【敵領有宙域 王国海軍第2特務艦隊 旗艦『久須見』戦闘艦橋】
王国海軍第2特務艦隊は艦首をゲートに向け警戒および戦闘を続けていた。
トクリ少佐は艦隊全乗員に対し状況説明を行っていた。(全乗員とはいえ『久須見』に乗り込んでいる9名のみ、『久須見』以外の艦は無人艦である。 又、『久須見』は司令部区画が無い為艦隊司令以下全員が戦闘艦橋に居る。)
「皆、先程ロア様からの指示書を受信した。 第2特務艦隊はこの宙域に留まり、ゲートの保持に全力であたれとの事だ。
今のところは、敵はゲートから5分間隔で100隻づつしか出て来ていないが、向こうにこちらの艦がゲートOUTした後の敵の動きが読めない。
さっさと此方の艦を破壊し、送り込む艦艇数を増やしてくるかもしれない。
よって、艦隊陣形を変更し戦いやすくする。
先ずは20隻づつ3グループをつくり、ゲートを正面から見て出口の下・右上・左上の3か所に配置する。 射線をゲートの中心軸線上すれば見方艦への誤射は起きないだろう。
それとゲートの正面には壁兼、囮役として10隻を配置、更にその後方に少し距離を開け『久須見』と残り20隻を配置し予備戦力とする。」
「「はっ」」
「なお、攻略艦隊がゲートに突入し、第2目標への強襲を計画している。 そうなれば今回の任務も早々に解かれるだろう。 もう一息だ! 無事やり遂げるぞ」
「「はっ!」」
【敵領域宙域 囮(子爵)艦隊旗艦『あまつかぜ』】
囮作戦を実施中の子爵領艦隊では、第2特務艦隊からの報告と攻略艦隊からの作戦案を基に今後の艦隊行動についてロアが考え込んでいた。
さてと・・・ 先ずは現状確認からだな・・・
「『あまつかぜ』、状況を報告せよ。」
「はい、ロア様。
2日前から敵艦の増加率が減少傾向にあります。 どうやら奥に進むにつれ敵防衛艦隊の数が減っているようです。 敵戦力は支配宙域の外周部に集められている可能性が高いと判断します。
此方の迎撃強化と相まってピーク時、65万隻まで増えていた敵艦艇数は現在60万隻まで減ってきています。
このまま敵艦隊の出現数が低下していけば、囮任務だけでなく敵防衛艦隊の壊滅も可能でしょう。」
「そうか・・・ では次に・・・」などとしているうちに第2目標地点へゲートOUTした超大型艦から位置情報や周囲の索敵情報が送られてきた。
「『あまつかぜ』、送られてきたポイントまでの所要時間はどのぐらいだ?」
「はい。 現行の速力では後2ヶ月程掛かる見込みです。 全力加速を行うなら6日です。」
「そうか・・・ 送られてきた情報を見るに、前線基地と違って領域の内側に在る基地のせいなのか防衛戦力も5000隻と多くない・・・
下手に我々が近づくと追撃してきている敵艦隊を連れて行ってしまう事になるな・・・
それに、敵基地発見の任務は達成したと言える。 よし、艦隊進路を第2目標地点から離れるよう設定する。
王国軍統合参謀本部には、敵防衛艦隊の配備状況についての考察と進路を変更し敵追撃艦隊の誘導と殲滅戦を行う事の是非を問え。 後、攻略艦隊旗艦にも参考で送れ。」
「はい、ロア様。 ・・・送信終わりました。 艦隊進路を右に45度ふります。 面舵回頭開始。」
「『あまつかぜ』、後は任せた。 殲滅戦を開始しろ。」
「はい、ロア様。 ・・・回頭終わり、進路037度、俯角30度。 敵艦隊を誘導しながらの殲滅戦を開始します。」
ロアは参謀本部は殲滅戦を許可するはずだと考え、正式な作戦変更許可が出る前ではあるが、三神子爵領艦隊の進路と作戦指針の変更を行った。




