063 攻略開始
いよいよ敵前線基地への攻略が始まります。 出番は少ないですが、ずいぶんとひさしぶりな人も出て来ます。
では、よろしくお願いします。
【敵領有宙域 攻略艦隊 総旗艦『黒虎』作戦室】
敵基地発見の報告を受け取った攻略艦隊は、全力加速で向かっていた。
「皆、遂にこの時が来た。 敵基地まで後6時間程だ!
イエローアラートで持ち場に就いている者は、戦闘準備が整い次第その場で休ませよ。
5時間後レットアラートを発令、敵基地攻略を開始する。」
「「はっ」」
時間と共に次々と報告が入って来る。
「殿下、主力艦隊及び左右艦隊戦闘準備完了しました。 加速中です。
後方の支援艦隊も戦闘準備完了、こちらは主隊との間隔を広げる為、低加速実施中」
「よし、作戦通りだな・・・ 別動隊の動きはどうなっている?」
「はっ、別働・・・」その時、幕僚の声を遮る様にオペレーターが声を上げる。
「別動隊ツツイ少将から報告。 各戦隊の集結完了、ただいまから戦闘を開始する。 繰り返します戦闘を開始する。 以上です。」
「始まったな・・・ こちらも急ぐぞ!」
【敵領有宙域 攻略艦隊別動隊 臨時旗艦『ヘクター 』司令部区画】
別働隊2500隻は終結後、敵基地への攻撃を開始した。
ツツイ司令からの指示が次々と出される。 「無理に突っ込むな! 情報収集をメインに行え。 敵艦の種類・数・基地の防衛力。 何でもいい、とにかく敵に関する情報を集めて攻略艦隊本隊へ送れ。」
「了解。」
「艦正面を敵に向けたまま艦隊を上下左右に振れ、敵の攻撃圧力の変化を見逃すな!
敵の脆弱部分を探しだせ!」
「「了解。」」幕僚達が効率的な艦隊機動をとるための位置取りを話し合う。
「本隊到着まで圧力をかけ続けるんだ!」
「「はっ」」
【敵領有宙域 攻略艦隊 総旗艦『黒虎』司令部区画】
あれから更に数時間が経過し、攻略艦隊が敵基地にたどり着いた。
ルコール殿下が大きく息を吸うとマイクに向かって、「総員に達する。 本艦隊は間もなく戦闘を開始する。 敵艦隊は今の所10000隻程度しか確認されていない。 又、敵基地についても大口径レーザー砲6門以外は通常兵器ばかりで特筆すべき事はない。
敵基地のシールド等防御力については未知数な部分もあるが、我が方の圧倒的優勢は揺るぎない。
各員、作戦計画に則り冷静に行動する様に・・・
この敵基地攻略は始まりに過ぎない、我々は更なる奥に存在する敵と戦わなければならない。 この様な所で足踏みなどしてはいられないのだ!
皆の祖国、そして人類への献身を・・・ 軍人としての矜持を示せ。」
「「「はっ!」」」
「全艦・・・ 攻撃開始!」
攻略艦隊は攻撃開始の号令とともに、作戦計画に基づき行動を開始した。
「両翼艦隊、左右への回り込みを開始しました。 中央主力艦隊前衛部隊、敵防衛艦隊との交戦を開始、優勢です。」
オペレーターからの報告を聞き、近衛艦隊司令のティ大将が殿下に「思っていたより簡単に済みそうですな。 作戦通りとは言え、囮艦隊による敵の誘引がここまで有効とは・・・ 」
「確かにな・・・ ロア子爵から王宮で作戦計画を聞いた時は、正直ここまで上手く行くとは思っていなかったよ。 しかし、この結果を見せられてはな・・・」
ルコール殿下が苦笑いする。
と、その時「緊急報告! 敵のゲートより敵艦隊の出現を探知、5分間隔で100隻づつ出てきます。」
オペレーターが慌てるが、「問題無い! 5分間隔で100隻なら十分に対処可能だ!」 ティ大将の一喝により落ち着きを取り戻す。 実際問題として、圧倒的多数で取り囲んでいる現在、100隻程度誤差の範囲でしかない。
が、オペレーターが更に「艦隊直上方向より接近中の艦隊有り、約30000隻。」 この報告で一気に浮足立つ。
「敵の新手か? 確認急げ。 右翼艦隊を艦隊直上に遷移させろ・・・ 基地攻略を邪魔させるな!」
ルコール殿下がが指示を出していると、オペレーターが「直上より接近中の艦隊から敵味方識別信号を受信、友軍艦隊です。」
すかさず先の命令を取り消し、「友軍だと? 三神公爵の援軍が来るには早すぎる・・・ 何処の部隊だ?」 思わず独り言を呟く。




