062 敵前線基地発見
【敵領有宙域 攻略艦隊 総旗艦『黒虎』作戦室】
作戦室ではルコール殿下の下、会議が行われていた。
「傍受信した情報によると、予想通りロア子爵の艦隊は囮を優先する事になりました。 別動隊を編成しておいて正解でしたな・・・
しかし歯がゆい、電波封止のため聞くことはできても此方から意見を言えないとは、何とも・・・
今回は予想通りでしたから良かったですが・・・」
「貴官の言いたい事も分かるが、我々司令部はそのために有る。 出来る範囲で最上の結果を出すのだ。」
「「はっ」」
「それで・・・ 別動隊の方はどうなっている?」
「はっ、別動隊は既に敵基地捜索のため先行しています。 ただし、存在秘匿のためセンサー類をパッシブのみに限定しているため捜索可能範囲が小さくなってしまいます。」
そこに別の幕僚が、「それについては、ロア子爵の艦隊が8割近くの宙域捜索を終えており残り2割と少ない範囲で済みますので、問題にはならないかと・・・ 又、未捜索エリアについても精度が低いもののある程度の情報が入ってきており、参考にできる分、早めに敵前線基地を発見出来ると考えています。」
「よし、別動隊は敵基地発見次第、電波封止を解除して位置情報を伝えてくる事になっている。 即応出来るよう準備を怠るな、発見の第1報が入り次第イエローアラートを発動し総員配置、最大加速で突っ込む。」
「「はっ」」
【敵領域宙域 囮(子爵)艦隊旗艦『あまつかぜ』】
第1次目標の発見には失敗したロアの囮艦隊だが、囮として敵を引き付ける事には大成功と言えた。
「ロア様、敵の追撃艦隊増大中、間もなく60万隻に達します。 あまり増えると引き付けきれず、外周部の敵艦が離れて行ってしまう可能性が高くなります。 攻撃の比率を高め敵艦の撃破率を上げる必要があります。」
「分かった・・・ 多少の被害は許容する。 囮として敵艦隊を誘引する事に支障をきたさない範囲で積極的に敵艦を狩れ、一ケ月もすれば三神公爵領からの増援が来るから艦載機やオプション艦については使い潰して構わない、頼むぞ『あまつかぜ』」
「はいロア様、お任せ下さい。」
【敵領有宙域 攻略艦隊別動隊 臨時旗艦『ヘクター 』司令部区画】
ツツイ少将率いる別動隊は敵前線基地を発見すべく前進を続けていた。
「間もなく予定ポイントに到着する。 作戦計画に則って艦隊を戦隊毎に分割するが、レーザー通信圏外に出た後は電波封止のため各戦隊指揮官に指揮を任せる。
電波封止解除の条件は2つ、1つ目は敵基地の発見報告、2つ目は敵艦隊に発見された場合だ。
敵艦隊に発見された戦隊は、以後囮として敵艦隊を遠くへ誘引しつつ状況を逐次報告せよ。 見つかれば電波封止の意味も無くなる。 センサー類をアクティブモードとし少しでも多くの付近宙域のデーターを集めて送れ。
又、敵前線基地攻略が最優先事項となる。 囮になった戦隊への救援はその後になるだろう・・・
場合によっては救援部隊を出すことも出来ないだろう・・・ 皆の人類への貢献に期待する。」
「「はっ」」
悲壮な覚悟と共にツツイ別働艦隊は作戦宙域へと侵入していった。
そして5時間後・・・ ついに電波封止の破られる時がきた。
旗艦『ヘクター 』のオペレーターが叫ぶ様に報告する。「第7戦隊より敵前線基地発見の報告有り、ポイント89-194-5Zにゲート及び敵基地を目視で確認。 との事です。」
「よし、攻略艦隊でも傍受しているだろうが念の為だ、こちらからも報告を上げろ。
電波封止解除、艦隊集結信号出せ、発見ポイントに向かう。」
「はっ」
別動隊各戦隊は、敵基地に向け全速で向かった。




