051 艦隊戦 続き
【B-17宙域 戦場 前衛艦隊】
前衛艦隊の中心は3侯爵の艦隊だが、陣形も乱れ被害が拡大していく。
真ん中に白井侯爵艦隊、その左右に腹田、黒田両侯爵艦隊が陣取っていた。 ロアは、正面中央の白井侯爵艦隊の後退を支援(500隻と少ない兵力のため、他の艦隊まで手が回らない)するため、敵と白井艦隊の間に割って入った。
「全艦三位一体を徹底、シールド出力全開。 デコイと機雷を全弾放出、敵の注意を白井艦隊からそらせ。
白井艦隊にもデコイと機雷を放出するよう連絡、反撃よりも全力で後退する様に伝えろ!」 ロアの指示のもと、第1特務艦隊と三神艦隊が白井艦隊の後退支援を開始する。
【同上 総旗艦『黒虎』 戦闘指揮所】
オペレーターから報告が、「正面の白井侯爵艦隊、敵艦隊との距離開きます。」
それを聞いて、ルコール殿下と近衛艦隊司令のティ大将が強張っていた表情を少し緩める。
戦況をモニターで確認しながら「正面中心の白井艦隊は助かったが、残り2侯爵艦隊と中心付近の王国艦隊が後退に手間取っているな・・・ 反抗的な連中を懲罰的な意味で被害が出やすい敵の正面に纏めたが、これでは被害どころか潰されて突破されそうだな。」
殿下の言葉を聞きティ大将が「大丈夫でしょう、その為に中心には真面な白井艦隊を配置したのです。 ロア大将の支援もありますし、突破される事は無いでしょう。 ・・・しかし妙ですな。」
「?」
「正面兵力はこちらが上なのですが、此方の被害に比べて敵艦隊の損害が少ないような・・・」
「それは、此方が防御重視で後退を優先させているからでは?」
ティ大将が、モニターに映る敵のデータを確認しながら少し考えこむ。 「どうやら今回の敵艦は、全て防御特化タイプの様です。」
「「・・・」」
「 ・・・取りあえず、後方の救難艦隊と予備兵力を呼び寄せるか?」
「そうですな、合流して正面火力を高めるもよし、回り込んで防御の弱い後ろから敵艦に攻撃するもよし、とにかく呼び寄せましょう。 後はそうですね・・・ 遊撃の10000隻を白井艦隊に合流させ、正面兵力を厚くしましょう。」
王国艦隊が立て直しの為、動き出す。
先ずは、一旦後方に下がった白井艦隊に遊撃と三神艦隊を合流させ、25000隻の諸侯艦隊に再編してロア大将の指揮のもと、予備兵力の艦隊が来るまでの時間を稼ぐため敵艦隊との距離を詰める。
「敵に近付きすぎるな! ギリギリの射程を維持しつつ攻撃せよ。 敵は防御特化タイプだ、数隻で組んで敵を一隻ずつ狙え」
最前列には三神艦隊が並び、多重シールドで味方を守る。 白井達諸侯艦隊も 見様見真似でそれに続く。
中央部から敵艦隊が数を減らし始め、腹田達劣勢に立たされていた前衛艦隊が持ち直し、すでに約半数にまで数を減らしていたが、何とか後退を始める。
前衛艦隊が後退するのに合わせ、敵の攻撃がロア達諸侯艦隊に集まって来るが、それを見て外周部の王国艦隊がロア達との距離を詰めて、周りから敵艦隊に攻撃を仕掛ける。
ある程度の敵艦を減らし、艦隊を立て直すとそのまま後退しながら遅滞戦闘に入る。
その間に、腹田・黒田両侯爵艦隊と戦力が半減した一部王国艦隊は、再編のため後方の補給艦隊に合流すべく撤退して行った。
その後、予備兵力の艦隊が合流し、戦力を回復した王国軍が何とか敵を30000隻撃破し、計画通り守りを固め持久戦へと持ち込んだが、予想以上の損害に早々に予定を切り上げ撤退する事になった。
ルコール殿下が「敵が予想外の動きを見せ、緒戦で翻弄された戦いだったな。 敵が予想通りに動くと決めつけて、それ以外の動きをした時の対処を決めていなかった。
これを教訓とし、今後の戦いに生かしていかなければな・・・ 大勢死なせてしまった。」
それに対してティ大将が「確かに敵の動きを決めつけた我々にも問題がありましたが、戦死者が多く出たのは、敵を甘く見ていた一部の貴族と艦隊司令が原因です。 殿下が気にしすぎる必要はないかと・・・」
しかし、約20000隻の艦艇が大破撃沈され、それ以上の損傷艦を出したことで今後の計画に大きな齟齬が出る事に・・・




