044 海軍第1特務艦隊、三神領軍宇宙艦隊、王国宇宙軍艦隊合流
【三神領軍 宇宙艦隊 戦艦アンズー】
一方、ロアの弟であるリラ准将に率いられた三神領軍の宇宙艦隊7500隻が、第1特務艦隊の進路をなぞる形で後を追っていた。 更に後方から王国宇宙軍の艦隊10000隻も続行しているが、こちらは敵との戦闘になった時の為について来ていた。
臨時旗艦『アンズー』の戦闘指揮所では、ちょっとした混乱が起きていた。
「またセンサーに艦影あり。 今まで同様エネルギー反応無し。 敵艦の残骸と思われます。」
オペレーターの報告を聞き、「どうなっている・・・ 既に破壊された敵艦が1万隻以上だぞ! しかもまだまだ先に続いているときている・・・ 兄上は何をした。」
「分かりませんが、敵艦はどれもこれも急所を撃ち抜かれています。 コア以外の損傷が殆どありません。 どうやったらこんな事が出来るのか・・・ 確かにロア様の艦隊には敵の狙撃艦が搭載していた大型レーザー砲がありますが、それでも小型艦はともかく戦艦クラスのシールドと装甲を撃ち抜くほどの威力はありません。」
「本当にどうなっているんだ!」 リラ達の混乱は続く。
後方の王国艦隊も多少の違いは有れど、同じように混乱していた。
(確かに大型レーザー砲単体では戦艦クラスを撃ち抜く事はできませんが、複数の砲をタイミングを合わせて着弾させることで撃破可能。
但し今までその発想に至った者は無く、連動射撃システムが存在していない為、自動射撃装置を使用しても他艦艇との射撃タイミングに誤差が出るので敵艦の撃破に手間取る事になる。
今回の第一特務艦隊とロアからの技術支援により建造された三神艦隊の先行艦300隻は、全艦リンクシステムにより『あまつかぜ』の電子制御を受けており、完璧な連動射撃を可能とした。)
【第1特務艦隊・三神領宇宙軍艦隊】
索敵範囲の広い『あまつかぜ』のセンサーが接近中の艦隊を捉えた。
『玄武』を呼び出したロアが、「父上、センサーが前方45宇宙マイルに接近中の艦隊を捉えました。 現在、識別作業をしていますが、取り敢えず減速しますので、タイミングを合わせて下さい。」
ロイド公爵は、手でオペレーターに減速を指示しながら、「了解した。 しかし、そんな遠方の艦隊を捉えられるとは、随分と高性能のセンサーだな。」
「はい、本艦に搭載しているセンサーは、まだ試作品なのですが、完成したら領軍の方にも回します。」
「頼む。 で、接近中の艦隊の正体は判明したか?」
「はい、今結果がでました。 友軍艦隊です。 王国宇宙軍と三神領宇宙軍合わせて17500隻が向かってきます。」
「ふむ、リラの艦隊だな。 陛下が援軍を付けてくれたようだ。」
「現在、向こうの艦隊に呼びかけと減速を指示しています。 後は父上にお任せします。」
【三神領軍 宇宙艦隊 戦艦アンズー】
いきなり『あまつかぜ』からの呼びかけがあり、戦艦『アンズー』の指揮所では皆が驚いた。
リラが、「何処からだ!」 オペレーターに尋ねるも「分かりません。 レーダー画面にそれらしき艦影ありません。」
そうこうしているうちに、特務と三神の艦隊が画面に映り出す。
「前方に友軍艦隊を捉えました。 減速するよう言っています。」 オペレーターがリラに報告する。
「よし、減速する。 全艦に減速信号送れ。 後方の王国艦隊にも伝えろ。」
しばらくして、全ての艦隊が集まった。
【三神領軍宇宙艦隊 総旗艦『玄武』 作戦室】
そこには、ロイド公爵を始め、ロア大将、リラ准将、そして4名の王国宇宙軍の艦隊司令が集まっていた。
先ずは、皆がロアの無事を喜び。 ロアが皆に感謝を示していた。
ロイド公爵が、「無事ロアを見つける事ができた。 また、敵艦隊を殲滅する事が出来たので、後は地球に戻るだけとなった。」
と、リラが口を挿む「敵を殲滅したのですか?」
ロイド公爵がニヤリとしながら、「そうだ。 第1特務艦隊と三神の艦隊合をわせた約300隻で、30000隻を撃破した。」
ロイド公爵のドヤ顔がウザイが、リラと王国宇宙軍の司令達はそれどころじゃなかった。 驚きに言葉を無くす。
暫らくして、驚きに固まっていたリラ達が元に戻るのを待って、「もう何の問題も無くなった。 纏まって地球に帰還する。」 ロイド公爵がそう言うと、王国宇宙軍の司令の1人が、「第47宇宙艦隊司令のシムウト少将です。 ロア大将だけは、早急に帰還する事をお勧めします。 王宮では少々騒ぎになっておりまして・・・ ロア大将を見つけたら直ぐに王宮に連れて来るよう言われています。」 残りの王国宇宙軍の司令達も頷く。
「むっ、そうなのか・・・ 分かった。 第1特務艦隊だけ先行して地球に帰還しろ。 残りは纏まって帰る。」
ロイド公爵の決定を受け、第1特務艦隊が最大加速で先行して行った。




