021 特別ボーナス支給 合併企業の立ち上げ
本日の投稿は此処までになります。
よろしくお願いします。
【コスカ海軍基地 海軍合同司令部 長官執務室】
ロアは、朝から特別ボーナス支給の手続きを行っていた。
それは、海軍で分析した敵の行動パターンが、とても重要な事を示唆していたからだ。
先日行われた王国会議の時、宇宙軍が分析し、報告した敵の行動パターン(元になったのは、ロアが国王に行った説明。)こそが、前世のゲーム知識と一致するものと思い込んでいた事であり、海軍の分析で分かった事実から、分かったつもりで勘違いしている事があるのでは? と気づかされた。(ゲーム知識では単に出現周期が半分になっていくとなっていた事から、敵基地からの距離がそのまま敵出現間隔と同じと考えていたが、実際は片道ではなく往復の距離が敵出現間隔と一致する。) 敵基地は、思っていた距離の更に半分の所に存在している。
それは、前世のゲーム知識から推測していた、敵艦隊の出現最大隻数10万隻があてにならなくなった事も示唆している。(ゲーム世界では、一回当たり数年で終わってしまうので最大10万隻だったが、この世界は数十年、もしくは数百年続くと思われ、その場合10万隻以上の敵艦隊が出現するのでは?)
大変ではあるが、10万隻の敵艦隊なら対応出来ると考えていたロアにとって、100万隻、1000万隻といった敵艦隊出現の可能性は、非常に衝撃的な事であった。
そして、その事を思いつかせてくれた海軍の分析チーム(司令部の幕僚達と戦術支援隊の分析チーム)に感謝していた。(その感謝の気持ちがボーナスに繋がった。)
【海運都市コスカ 行政庁舎 会議室】
そこには、三神家と裏で繋がっている各企業の上位者が集まっていた。
「ロア様、この様な所に我々を集めて大丈夫なのでしょうか? 三神公爵家との繋がりが周りにばれてしまうのでは?」 参加者からの問いかけに、ロアが説明を始めた。
「この話は陛下からなのだが、三神家が力を付けてきた事を演出するため、三神家傘下企業である事を表に出し、合弁会社を立ち上げるよう話があった。
そこで、今交渉中の『ギリスンド連邦』の機関関係企業との合弁会社を新たな三神家傘下企業として発表し、更に数か国の企業との合弁会社を立ち上げ傘下企業を次々に増やすつもりだ。
三神家としては、自国で時間を掛けて技術開発している余裕は無いと考えている。
そこで、各企業それぞれの得意分野で、各国との合弁会社を立ち上げ技術力の底上げをしてほしい。」
「成程、ロア様の考えは分かりましたが・・・ ギリスンドとの一社位なら問題無いのですが、複数の会社を立ち上げるとなると・・・ 予算とかの問題が・・・
合弁会社を作るには、双方に利点が必要になります。 我々は相手国の技術が欲しい。 相手国は研究の為の資金が欲しい。 ですので・・・」
周りから複数の合併企業の立ち上げは難しいとの意見が上がる。
「予算については、三神家に用意があります。 長年落目の貧乏貴族を装って居たので、使えずに貯め込んでいたお金が国家予算並みにあります。 又、各企業の経営、裁量権を父から渡されていますので、合弁会社を立ち上げるのは決定事項です。 各自、速やかに準備に掛かって下さい。」
ロアがそう言うと、皆が一礼して会議室を出ていた。
【救難艦運用研究所 所長執務室】
「所長・・・ 否、アリスティア王女、大事な話があります。」 ロアは執務室に入るなり王女に詰め寄る。
「な、な、何でしょう・・・」
「・・・」
「ロア様?」
「いや、その・・・ 何から話したらよいか・・・
先ずは表向きの話からする事にしますが・・・ 先行量産救難艦が続々と就役しています。 これらの救難艦については、これから就役訓練や艦隊運動等の訓練を行う必要があります。 そこで、専用の訓練宙域を用意したいと考えています。 又、訓練の一環として、敵との戦闘後に放置されている残骸を訓練宙域まで運びたいと思います。
残骸の移動は、損傷艦のえい航訓練になりますし。 訓練宙域に運んだ残骸は訓練用のダミーとして使えます。
所長の方から王宮に、訓練宙域の指定と残骸の移動許可を取ってもらいたいと考えています。」
「はあ・・・ えっ、大事な話ってそれですか?」 アリスティアは思わず聞き返す。
「はい、半分はそうです。」
「半分ですか、ではもう半分は何でしょうか?」
ロアは、これから話す事は秘密ですよと念を押しながら、「訓練宙域の中に、宇宙船用の秘密造船所を建設し、集めた残骸はユニットごとに分解し、再生して使うつもりです。 今まで残骸の再利用についての実績も無く、貴族の反発も考えられる(ゴミ拾いの真似事など出来るか!など)ので秘密裏に行う事で、先ずは実績を作るつもりです。」
何処まで前世のゲーム知識が役立つか分からないが、ゲームと同じなら敵艦のユニットも残骸としてサルベージした後、自分の物として利用可能となるので、それなりの戦力になるだろう。
そんな事を考えながら、「陛下には、所長の方から説明して、許可を貰って下さい。 もちろん陛下以外には内緒でお願いします。」
「はあ、分かりました。」
「では、宜しくお願いします。」 アリスティア王女は、なし崩し的にロアの悪巧みに巻き込まれる事になるのだった。




