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017 王国からの金銭的な支援を・・・

 津波、このまま収まってほしいですね。 3年前まで30年ほど船乗りをしていたので、落ち着きません・・・

 

 今は高台に住んでいるから、安全なはずなんですけどね・・・


【ダケタ王国 王宮 国王執務室】


 ロアは、国王に誘われ応接スペースのソファーに掛けていた。


 「陛下、今回の呼び出しはどの様なご用件でしょうか? もしや、敵艦隊の動きに不測の事態でも?」

 「ロアよ、不測の事態ではあるのだが、敵艦隊についてでは無い。 アリスについてだ・・・ 昼頃に帰って来てから、妙に機嫌が悪いのだ。 しかも、儂を見る時のあの目・・・ 

 午前中は、研究所で一緒だったのだろう。 何か心当たりはないか?」

 午前中の出来事を思い出しながらロアが、「救難艦の新型オプション製作についての話の中で、三神家の秘匿企業についての秘密を打ち明けました。

 その時、既に陛下はご存じだと教えたので、殿下は陛下よりも後に知らされた事に不満があるのではないでしょうか?」

 「ふむ・・・ そういう事なら、一晩たてば収まるか・・・」国王が呟く。

 「陛下、ところで・・・ 呼び出しの理由はそれだけですか?」まさかそんな事は無いだろうと思いつつ訊ねると、「うむ、そうだ。 ご苦労だったな。」 そのまさかだった。


 「そうですか・・・ せっかくなので今言いますが、陛下にお願いがあります。」ロアが国王陛下を見ると頷くので、続けて「海軍では、宇宙軍の戦力増強に対応するため、大規模な海軍軍人の宇宙軍への転属を行えるように海軍の人員削減を考えています。

 但し、それには艦艇や陸上施設の大幅な自動化が必要であるとの結論に達しており、莫大な予算が必要な事から、計画が足踏み状態になっています。

 王国からの金銭的な支援を・・・ 是非ともお願いしたいと・・・ 今度の予算会議で是非検討のほどお願いします。」ロアが、頭を下げる。

 「ふむ、確かに宇宙軍の増強に人員確保は課題の1つだ。 何とか予算を確保しよう、計画を進めてくれ。」

 「はい。 よろしくお願いします。 では、私はこれで失礼します。」ロアが、帰ろうとすると


 「そう言えばもう一つ話があった。 アリスから要請のあった高性能救難艦を『ギリスンド連邦』と共同開発する事についてだ。 王国としては問題無いのだが、『ギリスンド連邦』が難色を示している。

 このまま話を進めると、反発を招きそうな感じだ。 王宮及び外務部の結論として、国家間の共同開発は無理と判断した。

 そこでだ、欲しい技術は推進装置等の機関関係一式と聞いているので、三神家傘下の企業を使って『ギリスンド連邦』の関係企業との合弁会社を作れないか? と思ってな・・・ そちらで動いてみてほしいのだ。」

 「分かりました。 父と相談しながら秘匿企業の選定を行い、合併話を持ち掛けてみます。 これで又、三神の秘匿会社が増えそうですね。」ロアは、どの会社が適任かな等と考えながら返事をすると。

 国王から、「その事だが、王家と三神家の表向きの関係改善策の1つとして使えないかと考えておる。 王家との仲が良くなった三神家が、力をつけ始めた様に見えるように、秘匿しないで三神の関連企業として合弁会社を表に出しても良かろう。」

 ロアは、確かに良い考えとは思いますが、私の一存では決められないので、父と良く相談してから決めますと言って、話は終わった。



【海運都市コスカ 三神公爵領海軍居住区 海軍長官用官舎】


 官舎に戻って来たロアは、結局今日も遅くなったなと思いながら冷めた夕食を取っていた。 だが、そのおかげで、陛下に海軍の人員削減のための予算をお願いできたので、そんなに悪くなかったとも思っていた。

 それどころか、明日には幕僚達に、これ以上頭を悩ませなくていいと伝えられる。 と思うと気持ちが楽になっていた。


 その日は、気持ち良く眠る事ができた。

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