001 撤退しています。
初投稿作品になります。
よろしくお願いいたします。
22年1月12日 実力不足の為、全話書き直しを始めました。 少しはマシになったと思いますので、宜しくお付き合い下さい。
【ダケタ王国 第21宇宙艦隊旗艦、司令部区画】
「センサーに感あり。 この目標をアルファと呼称します。 アルファの方位、右30度、俯角15度。 距離25宇宙マイル。 敵味方識別信号なし。」
オペレーターからの報告を聞き、当直幕僚が指示を出す。
「艦隊にイエローアラート発令せよ。」
艦隊各艦にアラームが鳴り響き、総員が配置に就く。 司令部も艦隊司令が入室してきて、当直幕僚から指揮を引き継ぐ。
「状況を報告せよ。」
司令の指示にオペレーターが報告する。
「アルファ目標、方位変わらず距離近づく。 23.5宇宙マイル。 艦艇数は、10000隻前後と思われる。 識別信号なし。 こちらからの呼びかけに応答なし。」
1万隻と聞いた途端、司令部内に騒めきが起き、思わずといった感じで誰かがつぶやく。
「こちらの4倍か・・・」
室内の空気が重くなる中、司令から指示が出される。
「アルファ目標は敵と思われる。 全艦にレットアラート発令。 避難船団に進路を左に90度取るよう指示を出せ。 我々は避難船団がこの宙域を出るまでの時間を稼ぐ。 艦隊正面をアルファに向けながら、船団への進路を塞ぐよう前進せよ。」
艦隊が陣形を整えながら敵の前に移動すると、更なる指示が出される。
「アルファの射程圏内に入らないように相対距離を合わせて後退開始。 ステルス機雷を散布せよ。 敵のセンサーに対するジャミングを開始。」
艦隊が後退を初めてから暫らくして、機雷を散布したエリアに敵が近づくと、オペレーターが報告してくる。
「アルファの発砲、及びステルス機雷の爆発を確認。 機雷原への誘導は失敗と思われます。」
司令部内が静まる中、司令から次々と指示が出される。
「これより敵アルファ艦隊中央を突破する。 火力を前方に集中、全艦全速前進。 シールド及びジャミング出力最大。 残っている機雷を自爆させよ。」
機雷の爆発を目くらましに使って、艦隊が敵アルファ艦隊中央部に襲い掛かり、突き破る。 と、中央突破され約9000隻に数を減らした敵艦隊が反転し追撃してくる。
敵の目を上手く避難船団からそらし、誘導出来たことで司令部内の緊張が和らぐ、避難民を乗せた足の遅い輸送船と違い、艦隊の戦闘艦は速力に優れているので、敵艦隊を船団から引き離した後なら逃げることは難しくない。
「避難船団、危険宙域から出ました。」
暫らくしてオペレーターから報告をうけると、司令から次の指示が出される。
「右20度方向の小惑星帯で、デコイを使い敵を撒く。 偵察機を先行させ、小惑星帯の情報収集及び、航路の選定作業を行え。」
艦隊が進路を変え小惑星帯へ近づいていくと、偵察機からの緊急報告が入る。
「こちら03号機、小惑星帯を抜けた所に別の艦隊を発見しました。 艦数約5000隻、距離10宇宙マイル。 敵味方識別信号なし。 こちらに近づいてきます。」
「了解、03号機。 以後この目標をブラボーと呼称します。 精密観測を実施して下さい。」
「こちら03号機、了解。 精密観測を実施します。」
静まり返る室内に次々と偵察機から報告が入る。 結果、司令部の各幕僚から次々と意見が出されるも、このまでは小惑星帯で敵艦隊を振り切れないとの結論に達する。
「敵の数が前後合わせて14000隻に対し、こちらは2500隻、過去のデータから、敵は艦隊の被害が5割に達すると撤退することが分かっているが、それでも7000隻を撃破しなければならないか・・・ いや違うか、先程1000隻程撃破しているから、総数は15000隻その半分ならば7500隻、そこから撃破済みの1000隻を引けば6500隻・・・ あまり変わらないか・・・ さてどうするかな・・・」
思わず出たらしい司令の独り言が室内の空気をさらに重くする。
「今まで通り敵艦隊からの離脱を基本方針とするが、このまま引き離すのは不可能となった。 小惑星帯に入ると同時にチャフを散布、慣性制御システムを緊急出力で使用しその場に停止、デコイを真上に放出、放出後は各システムを停止させ敵のセンサーから隠れ、やり過ごすこととする。」
司令からの指示が各艦に伝達される中、旗艦艦長と司令部要員だけに更なる指示がされる。
「ただし、ここにいる皆には私に付き合ってもらうことになる。 各艦停止後、この艦にはデコイに混じって直上方向に進んでもらいながら、敵に全力攻撃を行ってもらう。」
驚きに皆の視線が集まる中、司令が皆に頭を下げる。
「すまないが、我々は味方を逃がすための囮となる。」
静まり返る中、艦長が口を開く。
「頭を上げてください、司令。 私も敵の目から艦隊を隠すために囮が必要だと考えます。 精々派手に暴れてみせます。」
周りから次々と賛同の声が上がりながら騒がしくなる。
何となくで書き始めたので、今後の展開が全く決まっていません。
気長にお付き合いください。