自決
ある日僕は決意した。
この銃で自らの人生の幕を閉じよう と。
退屈な日々、壊れていく人間関係、全てにうんざりしていた。
右手には悪い大人に貰った銃、心には両親に貰った愛を持ち今自殺をする。
不安か?いや、そんなことはない。
逆にスッキリしているかもしれない。ようやく開放されるんだ、と。
防犯カメラに悪い大人と取引しているのが映っていたらしい。ドアを強く叩く音が聞こえる。警官だろう。今更止めたってもう遅い。
後悔などない。こんな腐っている世界には未練なんてないんだ。
愛する人も消え、頼れる友人も消えた。もう僕には何も残っていない。
ゆっくり引き金に手を掛けた。
この世には死神がいるらしい。死期が近づくとその人を霊界に連れて行ってしまうという。
僕も今、死神に手を引かれている最中なのだろうか。
この引き金を引けば楽になれる。そう思うと、とても喜びの感情が溢れてきた。
『死神、いこうか』
部屋に銃声が鳴り響いた。
僕の人生は最高の最後を遂げて終わっていった。
もう一度言う。後悔などない。これで良かったんだ。