野球小僧-58
『続くバッターは、キャプテン高松君。ここはキャプテンの面子を保つためにも、塁に出たいところです。やっぱり、ウェイティングですか?』
『えぇ。高松君は左バッターですから、イチロー君の投球が変わるかもしれません。少し様子を見てもいいと思います』
『でも、追い込まれると、かえって焦りませんか?』
『1球目は待ったほうがいいでしょう。2球目は、1球目の様子を見てからということになります』
『マウンドのイチロー君、どう攻めるか!第1球投げた!ボール!高めへボール!東君、立ち上がってやっと取りました。なるほど、さっきはまぐれだったかもしれませんね』
『イチロー君の性格だと、連続三振を捕るつもりだったでしょうけど、無駄な力が入りましたね』
『さぁ、今度は慎重にバッターに対して、第2球目を投げた、ストライク!アウトコース。高松君、ちょっと不満そう』
『低いと判断したのかもしれませんが、こういう判定はよくあります。あまり気にせず次のボールに向かってほしいですね』
『さぁ、3球目、ふりかぶって、投げた。ストライク!空振りのストライク!やや、高いですが、入ってますね』
『入ってます。さっきの低めで、少し姿勢が前かがみになっている分、ボールを叩けませんでしたね』
『うまくボールが散っています、今日のイチロー君。普段のお調子者とはずいぶん違います。さぁ、勝負に来るか、4球目、投げた!空振りだぁ!三振!三振!愛球会、高松、フルスイングも空を切りました!三振!万事休すか』
『お上手ね』
『そんなことどうでもいいの。




