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グリーンスクール - 野球小僧  作者: 辻澤 あきら
31/64

野球小僧-31

 とぼとぼと歩いて野球部のグラウンドの横を通り抜けて帰る途中、野球部で居残り練習をしていた光明寺一郎イチローに声を掛けられた。

「おーい、チビ」

亮はぼんやりしていて呼び止められたことに気づかなかったが、何か声がしたなと顔を上げて見ると、ネットの向こうで手を振っているイチローに気づいた。

「おい、お前、同好会だろ。今日、試合だったんだろ。勝ったのか?」

「あ、ぅん…」

「なんだ、負けたのか?」

「あ、いや……、勝ったよ…」

「なんだ、良かったじゃないか。負けたのかと思っちまったよ」

「勝ったよ…」

「なんだ、お前、チョンボでもしたのか?」

豪快に話すイチローについていけず、亮は、じゃぁと言ってそのまま立ち去った。

「おーい、なんだ、くれぇやつだな」

「兄さん、いいじゃないか、別に」

後ろから弟のジローが言った。

「だけどよぉ、強いんなら、練習試合くらいやってやるのに」

「そんなの、監督が決めることじゃないか」

「バカ言え。オレがやるって言ったらやるんだよ」

「また、無茶言って。知らないよ、どんなことになっても」

「いいじゃないか、あいつらとの練習試合くらいなら、オレにも投げるチャンスはあるさ」

「結局、それが目的か…」

「悪いか?」


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