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グリーンスクール - 野球小僧  作者: 辻澤 あきら
27/64

野球小僧-27

 行け行けのムードの中、木村は凡退。林の打球は、快音を発して外野に飛んだがレフト正面。そして、亮の打席が回ってきた。

「亮君、打てぇ!」

 室の甲高い声援も聞こえないほど亮は集中していた。どうせ2アウトだ、好きに打たせてもらおうと思った。初球、ストレートが風を切ってミットに収まった。アウトコース高めへのストライク。速いと思った亮は、さっきと同じようにカーブを待とうかとも思った。しかし、相手もそう思っているような気がしたのでストレートを狙うことにした。思いっきり速く振り抜かないと力負けする。そう思いながら、次の球を待った。第2球目。今度はゆっくりとしたフォームから投げ込んできた。速球、インコースだ。亮は思いっきり踏み出して、目一杯振った。ボールはかすりもせずミットに収まった。

「ストライク、ツー」

コールに頷きながら、亮は冷静に次を待った。ストレート、ストレート。ただ、ストレートが来ることを祈っていた。エースは今度もゆっくりとしたフォームから投げ込んできた。ストレート!でも、高い。一瞬躊躇したが、ままよとばかりに叩きつけた。アウトコース高めのストレートは、セカンドの頭を越えて、右中間に転がった。外野は浅めの守備を取っていて、センターが左中間よりに守っていたこともあって、ちょうど誰もいないところにボールは飛んでいった。

「行っけぇ、チビ!」山本

亮はボールが転々と転がっていくのを見て、2塁も回った。サードコーチャーに立っていた池田が手を回している。いいんだろうか。戸惑いながらも亮は指示どおりに3塁も回った。ふっと外野を見ると、遠くでライトとセンターの二人がボールを返しているようだった。亮は、目を逸らすとじっとホームを見据え、キャッチャーの様子を見ながら一気に突進した。キャッチャーは手を振ってはいるが、捕球体勢には入っていなかった。亮は、そのままベースを、駆け抜けた。

「ホームラン!」


 審判のコールが聞こえるより前に、ベンチで揉みくちゃにされてしまった。特に、関係のない室が、両手で亮をぱたぱたと叩き続けた。

「痛いよ、室ちゃん」

「やった、やった、やったよ。亮君、すごいよぉ」

「グレイト!リョウ!」

 サンディも歓迎してくれた。ただ、サンディの歓迎は、抱きしめてくれたので、亮は照れくさく、またサンディの胸がちょうど亮の顔に当たったので、恥ずかしくて逃げ出したくてしかたなかった。

「やるねぇ。特訓してたのか、チビ」山本

「チビって呼ぶなって言ってるじゃないか。打つほうなんて、ほとんどやってないよ。素振りだけ」

「いやいや、バッティングの基本は素振りだ。亮はいい見本を見せてくれた」高松

「よおし、続くぞ」山本

 山本が打席に入ろうとしたとき、ピッチャーの交代が告げられた。右投げの2年生。山本は初球をセンターに弾き返した。しかし、次の中沢が凡退して、チェンジ。結局、亮のホームランによる1点の追加だけで終わったが、試合は5対0。

 サンディのピッチングは、相手の攻撃のタイミングを外していて、ワンナウトからヒットを打たれたが、後続を絶って、無得点に抑えた。

 しかし、愛球会も代わったピッチャーにタイミングが合わず、小林がヒットで出たものの後続が続かず、無得点。5回を終わって、5対0。


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