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グリーンスクール - 野球小僧  作者: 辻澤 あきら
26/64

野球小僧-26

 1球目はカーブ。山本はタイミングが取れず、見送り、ストライク。しかし、山本は今回は悔しそうな顔もせずに冷静だった。

「狙い球を絞ってやがるな」

高松が呟くとまわりの仲間も頷いた。

山本は2度3度バットを振り、次の球を待った。ゆっくりとしたフォームからインコースへ速球。山本は力任せにバットを振り抜き、

「どうだ、この野郎!」

そう叫びながら走り出した。打球はまっすぐにライトの頭上を越え、植え込みを越えて遊歩道に出た。

「ホームラン」

審判の手が回り、コールされた。全速力で1塁を回っていた山本は、そのコールを聞いて大きく手を掲げ、ガッツポーズを取った。

「どうだぁ!」

歓声と野次の中、山本がホームインした。スリーラン。3対0。

「やるじゃないか、山本」高松

「まぁね。チビになんか負けてらんねえからな」山本

「チビって呼ばないでよ。ボクのほうが上級生なんだから」

「いいじゃねえの。気にしない、気にしない」山本

「よぉし、続け」高松

「おう!」中沢

掛け声とともに中沢が打席に入った。

 中沢は凡退して、ツーアウト。次の小林がストレートをセンター返しで出塁。サンディがレフト前ヒットで、1、2塁。池田は粘って、カウント3エンド2からついにセンター前ヒット。小林が2塁から返って1点追加、4対0。高松は三振で、愛球会の攻撃終了。

 その裏、サンディはピッチングに工夫をしてきた。投げるタイミングをずらす作戦に出た。間合いを長く取るかと思えば、キャッチャーから返球されるとすぐに投げたり、山なりのボールを投げたりして微妙にタイミングを外した。結果として、宮磯は内野ゴロで3者凡退に終わった。


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