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グリーンスクール - 野球小僧  作者: 辻澤 あきら
25/64

野球小僧-25

 ベンチに戻って来ると、室が来ていた。

「おう、亮君。やるじゃない。もう、ちょっとだったけどね、ずいぶん上手くなったもんだ」

「なんだ、今頃来たの」

「なんじゃ、その言い方は。別にあたくしは部員、じゃない、会員じゃないんだから、来なくてもいいんだよ。来てくれてありがとう、ぐらい言ってもらいたいもんじゃ」

「はいはい」

「投げやりじゃな」

「もぉ。この回、ボクに回ってくるんだから」

「ほー。頑張れよ。でも、そんなに長いバット使っても打てないんじゃないの」

「長くないよ。これで標準なんだから」

「あ、そうか、亮君には長いんじゃな」

「ほっといてよ」

 亮と室が無駄話をしている間に、林がフォアボールを選んで塁に出た。ワンナウト1塁で亮の出番。

「リョウ、ファイト!」

「サンキュー、サンディ」

 亮は打席に入った。前と同じように緊張していたが、やっぱりまわりがよく見えている。1球目、ボールは高めに外れた。亮が小柄なので投げにくいようだった。ただ、亮には妙にボールがよく見えていた。2球目、今度は低く外れた。亮は簡単に見分けることができた。見える見える。そう思いながらも、振る勇気はなかった。このまま、フォアボールが選べればいいと思っていた。しかし、3球目はストライク。少し高いと思って見逃したが、ストライクを取られた。

「振らなきゃいけないな」

 亮はそう決心して次の投球に向かった。「Hit the ball! Have a go!」サンディに言われた言葉を思い出した。目の前のボールを打て!向こうへ飛ばすんだ!

 ゆっくりとしたフォームを見て、カーブだと思った。打てないと思ったが、じっと腕のふりを見て、そして放たれたボールの軌道を追って、スイングした。ボールはバットに当たり、サードの頭をふんわりと越えた。歓声の中、亮は必死で1塁を駆け抜けた。やった、やった。

「やったぁ」

そう叫びながらガッツポーズで1塁ベースに着いた。

「あのチビ、やりやがってぇ」

そう言いながら打席に山本が入った。気合を入れる掛け声を一つ放ってピッチャーを睨んだ。


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