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グリーンスクール - 野球小僧  作者: 辻澤 あきら
23/64

野球小僧-23

 晴天の日曜日、亮たちは宮磯公園の球技場にやって来た。宮磯中学の部員たちはもう練習を始めていた。亮たちも急いで着替えて、アップを始めた。亮は楽しみだった。打てなくてもいい、エラーをしてもいいから、絶対にひとつはアウトを取ってやると意気込んでいた。

「今日も、こないだと同じオーダーでいくから」

高松の声にみんな応じた。

 試合開始。先攻は愛球会。1番の山本が打席に入る。左投げのエースがぽんぽんとストライクを取って、ツーナッシング。

「おいおい、どうしたぁ」池田

「打っていけよ」高松

野次に促された山本は、高めのくそボールに手を出してキャッチャーフライ。

「おい、どうした?打てない球じゃないだろ」高松

「ちょっと腕の出が遅いんだよ。タイミングが取りにくいんだ」山本

山本は悔しそうにそう言った。

 2番の中沢が打席に入った。1球目を見逃して、おかしいな、という仕草を見せた。2球目、打ちにいったボールはサードゴロ。あっけなく2アウトとなった。

「打ちにくいだろ」山本

「ちょっと、ボールが見えにくいっていう感じなんだよな」中沢

「おい、小林、よく見ていけ」高松

 打席に入った小林は、高松のアドバイスに頷いてボールを待った。それでも、1エンド2と追い込まれてしまった。ゆっくりとしたフォームから投げてきたカーブは、好打者の小林のバットに空を切らせた。ため息まじりに意気消沈したベンチの中で、亮は、よし、と呟くと勢いよくポジション目掛けて駆けて行った。それに触発されて、サンディも走り出し、

「さぁ、行こうぜ」と高松が気合を入れた。


 ボール回しも終わって、プレイの声が掛かった。亮は自分でも驚くほどリラックスしていた。サンディのピッチングのタイミングに合わせて、リズムを取った。ストライク、のコールも自分のリズムに合っていた。それに、まわりがよく見えていた。前を見ているはずなのに、山本が少し腐っている様子が感じられた。ちょっと振り返ると、やっぱりグローブを見ていて、バッターに集中していない。ダメだな、あれじゃあ。と思い声を掛けようと思ったとき、サンディが2球目を投げた。高い金属音とともに、ボールが飛んできた。1、2塁間抜けるか、という打球は、気づいた時には亮の目の前にあった。走りながら差し出したグローブにボールは収まり、打球の勢いに一瞬生きの良さを感じたが、ぐっと抑え込み、1塁に投げた。

 アウト!

「やったぁあ!」

亮は自分がいま一塁線上まで駆けて来ていたことに気づいた。

「ナイスプレー!」高松

「リョウ、ファイン!」サンディ

「やるじゃんか、チビ!」山本

声援と野次の中で亮は照れ臭くなって、グローブを振って否定するような仕草をした。

「さぁ、次、行こうぜ!」池田

池田の掛け声に促されてサンディが投げ込んだ。次々とストライクを投げ込むと、バッターはきりきり舞いだった。あっけなく2者三振でチェンジ。いつものようにガッツポーズをサンディは見せた。

「あんまり、飛ばすなよ。今日は7イニングなんだから」池田

「大丈夫デス。まだ、ジュンクンもいます」サンディ

「宮磯は、結構、強いな。本気を出すか」山本

「へえぇ、山本、今まで、嘘っ気だったのか?」中沢

「決まってんだろ。じゃなかったら、打てないわけないだろ、この俺が」山本

「まぁ、いいじゃない。さぁ、サンディ頼む」高松


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