豊臣秀次切腹事件と駒姫
なぜ、私が。
牛車で三条河原に向かっていた駒姫は、そんな気持ちを頭の中でくりかえしていた。
(秀次様は猿のせいで、切腹してしまったのね。まあ、あの猿ももうおしまいよ。この惨殺事件に多くの大名が同情をよせるでしょう。そうすれば、豊臣は滅びる。せめて、最上の名に恥じぬよう、凜としなければ)
一方、秀吉は駒姫への処置に悩んでいた。
「のう、三成。」
「はっ。」
「最上の娘はどう対処すれば良いのかのう?」
「命は取らず、鎌倉の東慶時に送り、尼にしてしまえばいいかと。」
「そうじゃのう。では刑場に使者を送れ。」
「ははっ。」
駒姫の乗った牛車は、刑場についた。
(そろそろ、私の最期。でもいいわ。父上が必ず、あの猿を殺してくれる)
まずは、子供たちから。
子供たちは無造作に刺され、死んでいく。
見ていた人は悲しみの声をあげる。
(うるさい。あの人たちは私たちの苦しみを理解してないくせに。何を泣いているんだろうか)
駒姫の番がきた。
(さて、父上。どうか豊臣を根絶やしにしてくださいまし)
首に痛みが走る。
「っ!!」
(願わくば、豊臣滅亡)
運命とは、仕方ないものだと思います。
秀吉を批判する人もいますが、私はちがいます。
罪もない人を殺すのは、伊達政宗だってしてますよ。しかも、秀吉は駒姫を助けようと考えていたわけですけど、政宗は予定通り一人残らず処刑しました。もちろん、子供も。
なぜ、豊臣秀吉だけが批判されるんですか。
政宗が処刑した理由は見せしめというだけ。
秀吉は、反逆の目をつみとるというはっきりした理由があります。
まとめ
秀吉だけを批判するのはおかしい。