合宿
お久しぶりです!ようやく続きが書けました遅くなって申し訳ないです......
「もうそろそろ夏休みに入るのか」
唐突に言い出したのは日向だ。そう言えばそうだな。夏休みってことはバンドの練習計画たてなきゃいけないのか。
「あ、提案があるんですけどちょっといいですか?折角の夏休みだから親睦会を兼ねて合宿なんてどうかと思ってるんです。」
確かにバンドは息を合わせるのが大事だ。親睦を深められるのはいいことだろう。
「いいと思うけど、どこで合宿なんてやるんだ?僕にはあてがないんだけど?」
合宿といったらどこかに泊まるということだろう。どこでやるつもりなのだろうか。
「それなら安心して下さい。私の親戚がペンションを営んでいるので、空いてる日に貸してもらおうと思ってます。」
さすが音波、準備がいい。後の2人も称賛の眼差しを送っている。
「皆さん大丈夫であれば、空いてる日にちを確認して来ますね!」
音波の言葉に皆でうなずく。しかし、このメンバーでの合宿が上手くいくのだろうか......。
音波の計らいで夏休みが始まってすぐに合宿をすることになった。皆楽しみにしているようだが、僕には少し不安が......。
「あぁ、新しい服買った方がいいのかなぁ。」
そう、服である。僕が持っている服はごくごく普通の地味なTシャツ、ジーパン、パーカーくらいだ。
それに比べて他の3人は......いかにもお嬢様な音波、流行に敏感そうな希望、そしてイケメンと噂される日向だ。いかにもオシャレな服を持ってそうではないか。
合宿当日。少し憂鬱になりながら集合場所の駅に行くと、案の定オシャレな3人組がいた。うん、僕は明らかに浮いている。
「皆さん集まりましたね!それではペンションまで行きましょう。」
音波の言葉に続いて皆でペンションへ向かう。
「うわー、広いねぇーっ!」
感激の声をあげたのは希望だ。彼女は何に対しても嬉しそうな声をあげる。あんな風に生きれたら人生幸せだろうな。そんなことをぼーっと考えていると、音波が皆を呼び寄せた。
「合宿だと練習だけじゃなくて、料理や掃除もしないといけませんから分担しましょう。とりあえず私は料理担当のつもりなんですけどいいですか?」
音波が聞くと、隣で同じようにガッツポーズを見せる2人がいる。男の子の日向はともかく、希望は女の子だろう......。
「その代わり、後片付けは手伝ってくださいね?」
音波のその一言でガッツポーズを決めていた2人の肩が下がっている。いや、君たちはなにもしなくて良いと思ってたのか?
その日は個人練習やペアで部分的に合わせてみたり途中で音波の作ったご飯を食べたりして過ぎていった。
「そう言えばこのペンション、1階に1部屋と2階に1部屋だね?1階は楽器とか、皆の荷物置くなら寝る時どうするんだ?」
夜、ふと気になって聞いてみる。すると、音波が何かを訴えるような視線を向けてくる。どうかしたのだろうか?
「皆で寝ようよ、その方が仲良くなれるって!」
思っていた通りだが、希望がニコニコしながらいう。そうだな、と答えようとして思い直す。女子と同じ部屋なんて絶対寝れないじゃないかっ!
女子2人が寝支度している間、日向がこそっと耳打ちしてきた。
「女子がいると寝れる気がしないんだけどお前は平気なのか?」
いやいや、平気な訳ないだろう。
というより、
「日向なら別々にしようって突っ込むと思ってたんだけど、突っ込まなかったんだな。」
そう聞くと日向はちらりと女子達のいる方をみて答える。
「音波の視線がおかしかっただろ?あれ、絶対希望と2人になりたくないんだよ。あの2人正反対と言っても過言じゃないしな。」
なるほど、それで音波があんな視線を向けてきたのか。確かに音波の性格では希望がキツいかもしれない。
書きだめが切れてしまったのでこれからはペースが遅くなると思われますm(_ _)m
これからも読んでいただけると嬉しいです!!