軽音部
続きに興味をもって下さった方ありがとうございます!
それから数日。僕は彼女と一言も話していない。彼女はチラチラと僕を見てくるが、小学生の低学年以来女子に話しかけたことのない僕には自分から話しかけることができない。
どうしようかと思っているうちに部活動体験が始まった。参加しないつもりだったが、担任が言った一言で僕はがく然とした。
「せっかくの体験だから全員参加しましょう。」
運動音痴なので運動部には入れず、文化部で僕が入れそうなものは軽音部だけである。これではどうしても彼女と同じになってしまうではないか。気まずくなっている彼女とどう接するべきだろうか。
放課後。仕方なく軽音部に行くと、そこには、イケメンと言われているクラスメイトの男子と、彼と仲良く話す女子、そして希望の三人がいた。どうやら希望と一緒にいるしかないようだ。
1日目。今日はベースの体験だ。ペアを組んで体験しているのだが、希望は全くといってもいいくらい弾けていない。しかも、君は上手く弾けるよねとでも言うように僕の手元を覗いてくる。
弾きづらい。思いきって聞いてみたいが、最近のギクシャクした空気のせいで言い出せずに終わった。
2日目、3日目...とギターやドラムの体験をする。そうしているうちに分かった。彼女は思ったとおり楽器が弾けない。それどころか楽譜すら読めないようだ。
どうして軽音部に入ろうと思ったのだろうか。そう考えたとき、僕は決意した。「どうして軽音部に入ろうと思ったの?どうして僕に話しかけたの?」それをきくために僕は軽音部に入る、と。
次の日。僕は一週間ぶりに彼女と目を合わせた。
「僕、軽音部に入るよ。君が組みたいならバンドを組んでもいい。ただ、君がちゃんと楽器を弾くならね。」そう言うと彼女はこぼれんばかりの笑顔になった。
その顔に懐かしさを覚えたのは気のせいだろうか。
1話が短くて申し訳ないですm(_ _)m
短い分書けたらすぐ投稿するつもりです!是非続きも読んでくださいね~!!