5ステータス
ブンッッッッッッ!
50cm×50cmほどの板。
『早乙女剣人
生存:67.00/100.00
魔力:9942/10000
属性:分解属性、合成属性
総合:レベル1
魔術:レベル1
備考:勇者
守護≪フラン≫
所持元素:H、O 』
そう書かれた青白い光を放つ板が剣人の眼前に現れた。・・・いや、目をつぶっているから瞳前?
剣人の瞳前、クリアの眼前に現れた[ステータス]を二人は確認する。
「すごいです!」
「スゴイのか、これ?」
(生存はまぁ年を考えれば、、うん。年相応の健康体で転生できたということか。それは有難いけどフラン、
魔力の量が……思ってたより少ないんだが?デスゲームか!?おいっ!)
剣人がフランにツッコむ。勿論赤い鳥はもういない。
「これ、魔力多い方?」
「王宮魔術師である父上の上限が156なので十分多いです!」
(そう、、なら多いのか。、、、俺は∞とか期待してたのに。
ていうかクリアがこの世界にいるのなら、何か能力貰えんじゃね?
おぉ!希望の兆し!)
なにやら踊り始めた剣人。
剣人が『魔力が少ない』と感じてしまったのには訳がある。剣人はさっきの魔法で、一般的な水魔法術師が一生の間に生成できる水の量を作ってしまっていた。ゆえに、魔力を58も失っていた。剣人の認識上では一度魔法を使っただけなのに。
けれど10000で少ないとは、些かゲームのしすぎである。
∞とか、ないわー
(なんか寒気するんだけど、、、
あ、そりゃそうか。濡れてるんだもんな。)
「・・・う~ん。この属性ってどうなの?」
剣人は目を開け、少しの間、明順応にひたりながらクリアに尋ねた。
さすがに目を閉じながら会話するのにいい気持ちはしなかったらしい。主に『変人と思われるのではないか』という懸念の面で。うん、
そうかそうか、キミはそういう奴だったよね!
「初めて見た物なのでなんとも、、、聞いたこともありませんし、、
まずこの言葉の意味が分かりません」
「え?あー・・・」
(分解、物を分けること。合成、結合して作り出すこと。
つまり、
・・・・・あれ、もしかして俺、「無」から水を生成したわけじゃないんじゃね!?
――――HとOは普通に空気中に存在する。たくさん。
空気の分解によりHとOを所持。それから俺はそれらを合成してH₂Oを生成した!?)
「あーマジかー」
「何かお分かりになりましたか?」
「うん。自分が創造の神じゃなかったことが分かった、、、」
「はぁ、」
(いやでも『所持元素』としてステータスの中に残ってたから、、、。から?
だから何? どうすればいいの?
あれこれ本格的にヤバいやつじゃ・・・?
何とかなるよね!フラン~??)
フランが剣人に与えたのは適当な量の魔力だけであった。本当に適当な!
よって剣人が真に頼れるのは自身の想像力のみである。おかわいそうなことに。
「なぁ、勇者がレベル1って、ヤバい?」
「そうですね。やばいです。やばたにえんです!!」
「そ、そんなに、、、」
「すいません遊びました。まぁレベルは鍛錬を積めば上がりますから大丈夫です!」
「・・・」
ハア。大丈夫、なの、ね?
「ちなみにクリアはどのくらいなんだ?」
「剣技はレベル67です。」
「・・・」
「私からもいいですか?
『守護≪フラン≫』ってなんです?」
「さぁ?」
おそらく、あの鳥のことであろうが。『守護』なんて絶対かっこつけてるだけだ。本当に守ってくれるのなら熱烈歓迎だけれども。
「『元素』というのは? 何かの物体ですか?」
「!」
「え?」
クリアの一言によって、剣人は武器をくり出すことに……
「クリア君。元素は、思考によって認識できるもので、実在の物質をさすことばではない。
古代から中世において、万物の根源は仮説を積み上げる手段で考えられ、その源にある不可分なものを「元素」と捉えていた。ヨーロッパで成立した近代科学の成立以降、物質の基礎単位は原子、とする理論が構築されてからは、原子は「物質を構成する具体的要素」、元素は「性質を包括する抽象的概念」というように変わった。
しかしながら昔は一つの物質がいかなる方法によっても2種以上の物質に分かれず,またいかなる2種以上の物質の化合によっても作られないとき,その物質を元素と呼んだ。分かったかな?つまりこの世界が『原子=元素』と揶揄するのであれば、元素こそ創造の神である。元素を操る者こそ創造の神である!」
「・・・」
「あ。、、、」
「満足、しましたか?」
「ごめん」
「いえ、、。もうすぐ家に到着します。ご支度してくださいね。」
――――ひっ、引かれた、、、
そうは思いつつも少し元気になった剣人。うん、萌えは心を満たす!
そんな剣人を乗せた馬車が、伯爵家の門をくぐっていく。
「うっわぁ!お城だ、、、」
「王城はもっと大きいですよ?」
――――東京ドーム100コは入るぞ!!(適当) エントランス前には使用人と思わしき人達が並んでいる。
『玄関』より『エントランス』という方がしっくりくる。
そんな感じの西洋風の建物に剣人は足を踏み入れた。
「勇者様は先に湯あみに行ってください・
後に食堂で夕食を頂きましょう。
テリア、この方の世話を。」
「かしこまりました、お嬢様。」
メイドの人につれていかれる。
大理石(?)と思われる白一色の廊下、壁。柱にはところどころ金箔が貼られ、幻想的な趣を醸し出している。いかにもお金持ちといった感じだ。
「ここが浴場になります。
お召し物を頂戴いたします。」
「え?」
「えっと、湯あみをお手伝いさせていただき、」
「な!だだ大丈夫でぇすっっっ!」
(お世話ってそういうイミか!クリア~~!!)
貴族であるのなら当然のことなので別にクリアは悪くない。
「ですが、、」
「すぐ出ますから!」
「あ。はあ、いってらっしゃいませ、、、?」
とまどうベテラン侍女であった、、、
* ~~~おふろ~~~ *
湯あみを終え、剣人はメイドにつれられ食堂へと向かう。
足音が木霊する。
「勇者様、こちらの食堂でカーソン伯爵家当主、ルーカス様がお待ちです。」
「・・・」
―――――――なんか、緊張してきた、、、
食堂には想像通りの長机。ろうそくによる灯りはとても綺麗。ろうそくってこんな綺麗なものだったけ?
食堂にいく最中にテーブルマナーなどを付き添いのメイドに尋ねていた剣人はものすごく緊張していた。
もちろんその侍女は剣人を変な人だと思った。
(テーブルマナーも大体日本と一緒だし大丈夫だよね。
俺こんなことしに異世界、きたんだっけ?)
一番奥に座るはカーソン伯爵家当主。剣人が入ってきたのを確認し、重々しく口を開く。
「よくおいでくださった、勇者殿。
此度は祖国のため、宜しく申し上げる。」
そう言って伯爵とそばにいた夫人、そして既に着替えを済ませ、ドレス姿となっていたクリアが深々とおじぎをする。
(……え。そんなこと言われても、、、俺、レベル1、ですよ?
そのことを踏まえておいでませ~?(泣))
たいへん先が思いやられる剣人であった。