保健室のベッドで寝たら
「おい、ナオキどーした!こんなもんか??」
そう言いさらに僕の腹部に蹴りを入れて来る。
息がつまる。立ち上がれない…。
「弱いんだから、大人しくしとけよな!俺らに関わって来るんじゃねえぞ〜」
そう言って奴らは去っていった。
事は数分前、学校での不良グループが1年生の生徒からカツアゲしようとしていたところに居合わせた。
変な正義感からか、つい1年生を助けるために口を出してしまったのだがこのザマだ。
(クソ…僕がもっと強ければ…)
「あ、あの…大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だよ。気にしないで!」
そう言って保健室に向かう。
(痛てて…大丈夫って言ったけどさすがに腹に蹴り入れられたのはきついな…)
「失礼します」
保健室に入るが誰もいない。
(あれ、先生は?まあいいかいつものことだし寝させてもらおう。)
ベッドの方に向かうと2つあるベッドの片方で誰かが寝ていた。
(先客か?ここで寝るなんて珍しい)
そんなことを考えつつもう1つのベッドに潜り込み、目を閉じた。
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(騒がしいな…)
そう思い目を開けると驚きの光景が広がっていた。
そこはまるで会議室のような場所に人が座っている。
そして、その視線の中心にいるのが僕だった。
「それで、次はどこの国を攻める?」
「そうだな…シャールドロールなんかはどうだ?」
「それよりもまずは近々攻めて来るであろう国への防衛対策だろ!」
(え、何だここは…!国を攻める?防衛策?どういうことだ?)
「どう思います?ボス」
僕の右にいた人物が僕に尋ねてくる。
全員の視線が僕に向く
(ボスって僕のこと…?てか確かに僕にしては腕が太い。足も!そして何だこの装備は…!)
「え、えっと…」
「どうしました、ボス?」
(どうなっちまってるんだよ…!
これはきっと夢だ!)
質問されても当たり前だが答えれない。
どうすればいいか考えようとした時、
【緊急通報!緊急通報!敵国の窓が開きます。
場所は南東1km。解放まで約5分。直ちに隊員は出動せよ!】
「出動だ!行きますよ、ボス!」
(え、出動?なに?どういうこと?)
とりあえず他の人たちについていって走る。
しかし、なぜか1人他の人たちのように出動せず部屋でじっと僕を観察するように見ている人がいる。
(僕のことじっと見てる…?なんで?)
そんなことを考えながら部屋を出て少し走ると滑り台みたいなのがある別の部屋についた。
みんなが滑り降りていく。どうやらなにかの機体に乗るらしい。
「ボス!はやく!」
先ほど右側に座っていた人物が僕を促す。
滑り台を降りるとそこには機体の入り口があった。
それに乗り込むとすぐさま機体が発進した。
めちゃくちゃ速いことがが体感でわかる。
【敵国の窓開放予想地点到着。開放まで3…2…1…】
カウントダウンがゼロになるより少し早く、着陸している機体の前に黄色い光るものが現れた。
(たしかに見た目は“窓”みたいだな…)
そんなことを思った刹那、その“窓”と呼ばれるものから突如三体の怪物が飛び出してきた。
全て2メートルくらいの大きさだ。
(な、なんなんだこれ…!)
「いくぞー!」
雄叫びをあげながら周りの兵士たちが化け物に向かっていく。
しかし、化け物が尻尾を一振りするだけで吹っ飛ばされていく。
(ダメだ、歯が立っていない…!)
ぼーっとその様子を見ていると、
「ボスもはやく来てください!」
そう叫ばれた。どうせ夢だから死ぬことはないだろう。そう軽い気持ちで怪物に向かっていった瞬間、怪物の尻尾を振る攻撃が体に命中した。
(痛い…!ってことは夢じゃない!?)
夢じゃないということは死ぬ可能性がある。
そう思った瞬間怖くなった。
(どういうことだよ…!でも、死にたくないから戦うしかない…!)
覚悟を決めて剣を抜く。
再び怪物が攻撃してくる。
(避けなければ)
そう思った瞬間、体が勝手に動く。
そして隙ができた怪物の心臓があるであろう位置に剣を突き刺す。
ここまでの動作も体が覚えているかのように動く。
(す、すげえ!この体、強い!)
考えるよりも先に体が動く。
感覚に任せて体を動かしているとあっという間に残りの2匹も倒すことができた。
【敵国オプラ活動停止。窓消滅します。】
機体から音声が流れた直後、中央にあった窓が消えた。
「さすがボス!」 「最強だ!」
いろんな声が周りからあがる。
自分でもなぜ体が勝手に動くのか理解できないまま、ふと機体に乗ろうとして車体に映り込んだ自分の顔を見てもっと仰天した。
(だ、誰だこの顔は…!!)
こんにちは。
川です。
初オリジナル作品を書いて行きたいと思います!
本当は短編で書く予定だったのですが、予想よりも長くなりそうなので連載という形にさせてもらいます。
ぜひ楽しんでってください