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えぴろーぐ
夏の終わりに、私はあなたに告げました。
「あなたの願いを、三つ叶えましょう」
今までいろんな願いを叶えてきましたが、こんなに完遂までに時間がかかるものは初めてでした。これを読んでいるということは、恐らく私があなたの元へ行かねばならぬ時が近いのでしょう。もしかして私に会いたくなって、寂しいんじゃないですか?
私も、あなたがもういなくなるのかと思うと、寂しいです。
ねぇ、媛遥さん。あなたがあの時私にした三つ目の願いは。あの時確かに叶えました。でも、あなたはまだ生きている。この意味は、お分かりになりますよね。まだ、私の本当の名前も呼んでもらってないですし・・・。
あなたとは長い間一緒に居ました。彼女と一緒になった日も、遠くの方から見ていましたよ。幸せそうな顔してた。
あなたと出会えてよかった。
あなたを人間にしてよかった。
私にも、何かを幸せにすることが出来ると、あなたが教えてくれました。
さぁ、これは私からの、最期の質問です。
決まったら、目を閉じて、私のことを呼んでください。
岩崎媛遥、何か困っていることはありませんか?
『蝉日記』十匙謎人




