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今と昔

作者: 紫葵

中二全開だな、おい

小さい頃憧れていたのはウルトラマンや仮面ライダーとか戦隊ヒーロー、悪と戦う正義のヒーローだ。

非現実的な物に憧れていても他にも憧れている人がいた。母親だ。

頭が良く、同じ目線にいてくれる母はかっこよかった。幼い頃はヒーローに憧れてた癖に善悪の区別はつかず、母を困らせていたけれどそれでも母は僕の味方でいてくれた。


そんな母が憧れであり、自慢であった。


だけど、僕はそんな母とは正反対で、何もできない子だった。

そんな僕の話をしようと思う。


幼稚園児の頃から社交的ではなく友達の多い子では無かった。

特定の友達と遊んでたり、一人でいたりする事が多くて先生を困らせたりもしていた。

どうやって困らせてたかというと覚えて無いのだけど、聞いた話だと、ひたすらぬいぐるみの綿を取り出していたらしい。何を考えていたのか僕自身の事でも分からない。


まぁとにかく暗かったのだ。


今では虐待だなんだ問題になりそうだけれども、一時期、そんな根暗な僕の髪の毛だけでも明るくと母が自分の髪染めを僕に使い金髪にさせた事もあった。

金髪だったのも本当に一時期で卒園アルバムには金髪写真は無く、写真を撮られるのも好きではない僕は殆ど映っていなかった。(映っていても分からない)


小学校に上がると幼稚園児の頃仲の良かった子は殆ど別の地区の小学校に行っていて、相変わらず社交的では無かった。

それでも全く話す人がいなかった訳でも無かった。今思えばあれは友達というより上辺の付き合いだったのだろうけど、そんな幼い頃から厳しい社会だと思いたくないので友達としておこうと思う。

そんな風に思うのも僕は喘息を患っていて多くの入退院を繰り返してたからだ。

今ではあの頃が嘘のように頻繁に発作は起きなくなったが、当時は大変だった。

お陰で学校には進級出来る程度しか行けなかった。

それでも勉強(と言っても平仮名や足し算など)に関しては問題は無かった。自慢になるけれど僕は年少の頃には平仮名カタカナは読み書きできて、算数でもかけ算まではできていたからだ。

あれもこれも母が、絵本を読み聞かせるのが面倒で読めるようになったら買ってやるだのと言ったり、お菓子を買うのも300円までを自分で計算させていたからだ。母も母だが物に釣られる僕も僕だ。


まぁそんなに入退院を繰り返していたら特別仲良い友達など出来るわけなく、当たり障りの無い小学校生活を送り、中学校に入った。


中学生になってからは病院を変え、入院する事は無くなった。クラスの人とともそこそこ馴染めてた気がした。それでもやっぱり上辺だけだった。

部活を初めても特に変わらず、楽しい訳でもなかった。

この頃から優等生とは言い難い人達と一緒にいるようになった。

俗に言う不良だ。

その不良二人と話すようになると周りからはその二人が目立つだけで僕は影が薄くなった。それが居心地が良かった。

その二人と一緒にいると悪い遊びなど教わっていったが別に僕個人は不良でもなんでもなく、ただの影の薄い奴だった。

ただ、これも悪い事なんだろうが深夜徘徊だけは教わってよかったと思ってる。静かで、誰もいなくて。自由になった気がした。今でも時々深夜に散歩していたりする。

そんな僕も中学二年生になると右腕が疼き出した。嘘だ。

友達が出来た。向こうから話しかけてくれて仲良くなれた。相変わらず不良の二人とも一緒にいたけどもうこの二人も友達なんだろうか?とか思えていた。


中学二年生の夏頃に、所持品が壊されるようになった。僕はそれを極力気にしないようにした。どうせ誰かのイタズラだろうから。それにせっかくクラスに馴染めたりしているのに事を荒立てたくなかった。

ある日、クラスの人から話しかけられた。


「〇〇がやってた。」


僕の所持品を壊していたのは友達だと思ってた奴だった。

信じられないけれど、その事を本人に確認したら事実だった。

やった本人は縮こまって、謝罪したり言い訳したりで気付いたら殴っていた。

たまたま通りかかった教師に止められながら僕は殴るのを止めなかった。

不良達の付き合いである程度喧嘩慣れしていたので一方的に殴っていた。


僕はその日から不登校気味に学校には殆ど行かなくなった。


不登校ってより不定期登校。

一週間行かない日もあれば三日連続登校したりなど、それでも登校する日は確実に減った。

それに比例して深夜徘徊は増えた。それはもう麻薬のようで楽しくて止められなかった。


ある日母に喧嘩について話しをされた。

「殴るならバレないようにやりなよ。ヘタクソ。」

「学校このまんまでもいいけど、やる事はやんなよ。」

それだけ言われた。


その日僕はあるバンドのCDを聴きながら思っていた事を実行した。


ピアス開けよう。


そのバンドのギターがピアスを多く付けてるのもあり思い出したように実行した。

いや、実際に思い出していた。母がピアスしていたのを真似したくて母に強請っていたのを。


ピアスを開けたら何か変われる気がして安全ピンを制服から取り出して耳に刺した。

血はそんなに出なかった。そこまで痛みを感じなかった。僕自身何も変わらなかった。


穴は隠した。髪は隠すために元から長かったのからより長くなった。


開けた意味があったのか分からないけど、学校にはそこそこ行くようになった。楽しくもなかったけれど。

僕はいつも通りだった。


開けたピアスの穴がもう分からなくなってる頃には受験シーズンに入っていた。

出席日数と殴っていた事を除けば特に悪いところが無いので受験などは軽くこなした。


それから入学した先の高校でいろいろあり、転校するなんてイベントもあった。

その時に塞がった穴をまた開け、増やした。

気持ち的には、変わりたいって思いからだと思う。

でも、周りからしたらリスカと大差が無いのだろう。自分でもどこかそう思うから隠すのだろう。けど、それでもいい。

自分でいられるならそれでもいいんだ、きっと。


転校先ではそこそこ馴染めた。髪は未だに長いままだけれども。

いつか切れる時が来るといいなって思う。


それは遠いことじゃない気がする。

昔は山ピーに似てるってよく言われました。

今でもたまに言われます。

僕も自分で思ってます。

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