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戦闘訓練と襲撃

 


 スキルと加護を配布した後、装備に関して詳しいことを説明するために街の外に出ることにした。

 孤児院では銃火器を初めて使ってもらうのは非常に危険だと思ったからだ。

 年長組全員で孤児院を開けることはできないので、男子には幼い子供達の相手をしてもらうことをお願いした。

 彼らも最初は渋ったが、ゴブリンから手に入れた剣を渡し、訓練しながら交代で子供達の面倒を見るようにお願いした。やはり男の子だからか、剣で喜んで納得してくれた。

 女の子達は俺と一緒に街の外までついてきてもらうので、準備をお願いして門の前で待つようにお願いした。俺は準備してもらっている間にリンをリフィアと同じ永続奴隷にするために奴隷課へと向かう。


「いらっしゃいませ。本日はどのような御用でしょうか?」

「この子の奴隷化をお願いします」

「またですか……わかりました。条件は昨日と同じで借金奴隷ですか? それとも永続奴隷ですか?」

「同じ永続奴隷。条件は姉ちゃんと一緒にいさせてもらうこと。他の条件も同じでお願い」

「畏まりました。それでよろしいですか?」

「こっちはいいよ」

「では、昨日説明しましたから説明は省きます」


 別に永続じゃなくても良かったのだが、ここに来るまでに二人で説得してもリンがリフィアと同じでいいと言って聞かないので永続にした。


「それと死亡時における条件を設定できますが、どうしますか?」

「選べるのはなんですか?」

「後追い、引き継ぎですね」

「じゃあ、後追いで」


 俺が死ぬと自動的に一緒に死ぬように設定した。死ぬ時も一緒にすれば彼女達の全てを独占できる。例え、俺が死んだ後でもリフィア達が他の男のモノになるとか絶対に耐えられない。解放できるならそれで良かったが、それはできないみたいだ。


「それでいいよね?」

「私は構いません。ご主人様以外の人に身体を預けるのは嫌ですから……」

「私も、それでいい。この契約はご主人様にしか効かないし……」


 二人もそれぞれの理由で納得しているのでよしとしよう。当然、死ぬ気も死なせる気もない。


「あ、隷属の首輪を買うことはできますか?」

「できますが、色々と手続きが必要です。

 まず許可がおりませんので、一般の方はこちらにお越しください」

「わかりました」


 あれば色々と便利そうなんだけれど、残念だが仕方ない。もしかしたら、複製できるかも知れないが……どうなんだろうか?


「あっ、モンスターとかを服従させる時、首輪とかはどうなりますか?」

「モンスター専門店がございますのでそちらで首輪を購入して頂くことになります。

 モンスターは魔物使い(モンスターテイマー)のスキルがあり、講習を受けて頂いてからとなります」

「使い魔の場合は?」


 八咫烏を召喚していないけど、そろそろ召喚してもいいと思うんだよな。


「契約が成立している使い魔でしたら、モンスター専門店に行っていただければそちらで首輪を装着してくださいます。召喚獣を街中で使役する場合も首輪が必要になりますね」

「わかった。ありがとう」

「いえ、それではまたのお越しをお待ちしております」


 永続奴隷化の作業が終わり、グッタリとしたリンを受け取って優しく抱っこしながら門に向けて歩いていく。


「なあ、やっぱりリンは孤児院で大人しくしていないか?」

「嫌」

「そうですよ、大人しく安静にしていてくれた方が……」

「嫌」


 この会話をループさせていると、いつの間にか門に到着した。

 俺達が門に着くと既に子供達が外で待っていたので急いで並ぶ。


「身分証明を頼む」

「はい、ギルドカード」


 通る時にギルドカードを見せれば出入りは自由になる。


「確認する。

 永続奴隷が2人か……背負っている子とリフィアちゃんか。無理矢理奴隷にされたとかじゃないよな?」

「はい。自ら望んでなりました」

「わかった。よし、犯罪経歴も無いし通っていいぞ。下手なことをしたら許さないからな」

「わかってますよ」

「ありがとうございます」


 仮発行書はギルドに回収されているので手元にはない。


「そういえば子供達は身分証って何があるの?」

「市民カードというのがあるんです。そちらがギルドカードの代わりですね。奴隷になった時に返却しましたので私とリンのはもう使えませんけど」

「そっか。でも、ギルドカードの方がいいんだよね?」

「他の街でも無料ですからね」

「そりゃそっちの方がいいね」


 子供達が集まって俺が最初にこちらに現れた時に居た丘で駆けっこをしたりして遊んでいる。

 遊んでいることに怒るつもりはない。というよりは俺がお願いしたことだからね。

 肉体強化Ⅴを得たことで感覚が狂ってるはずだから遊ぶことで慣れてもらっているのだ。


「お待たせ。どんな感じかな?」

「「「慣れたよ~」」」

「「「はやく動けて楽しいっ!」」」


 肉体強化Ⅴといえばかなり戦闘のプロレベルの身体能力を得たことになる。それも日本の軍人とかではなく、生身で銃弾を避けるとかやってできるレベルの運動能力だ。つまり、あのマトリ○クスとかあんな感じまでできる。

 丘を使った駆けっこでもその速度は世界記録をあっさりと更新できるような速さで走っているのだから楽しそうだ。


「じゃあ、移動するからベアトリーチェ、皆を呼んできて」

「わかったです」


 ベアトリーチェが空に魔法を打ち上げて丘の周辺で遊んでいる皆を呼び寄せると、すごい速さでこちらに集まって来る。


「招集完了でやがりますよ」

「ありがとう。じゃあ、移動するから付いてくるように」

「「「は~い」」」




 全員に隠蔽を発動して街から3キロほど離れたところにある森に入ってから。更に2キロ程進んだ所にある丘へとやって来た。


「さて、こんなところでいいかな」


 ここに来るのにだいたいお昼の3時くらいになった。

 全員肉体強化が入っているのでこれくらい問題無いが、慣らしも含めて森の中を走ってきた。


「じゃあ、先ずは武器を配るから1人ずつ持つように」

「「「は~い」」」

「リフィアとリン、ベアトリーチェは配るのを手伝ってくれ」

「はい」

「うん」

「仕方ねーです」


 ゴブリンから手に入れた大量の武器を素材にしてH&KMSG90と弾薬、教導本のセットを大量生産していく。二人にそれを配ってもらう。


「……出鱈目でやがりますよ……」


 同じ制作系スキルを持つベアトリーチェは俺の作成方法を見て唖然としている。だが、今はベアトリーチェのことは置いておいて、弾丸と強化グローブなども生産して配ってもらう。

 強化グローブは握力やパンチ力を強化するSFに属する物で、強化スーツとかパワードスーツとかの奴なので兵器扱いとなっている。

 リフィア達を合わせて女の子だけで24人も居る。この数からもわかるように男の子の方が少ない。

 何故かと理由を聞くと教えてもらえた。それは今までに狩りやダンジョンなどで食料やお金を稼ぎに行って戻ってこないからだそうだ。

 つまり、男の子の大半は既に死亡しているということで、残っているのは孤児院で子供達の面倒を見ながら訓練をしている男の子達だけだ。


「皆、行き渡ったね。じゃあ、使い方を説明するよ。先ずは……」


 弾丸の込め方から銃の扱い方まで危険なことも含めてしっかりと教導本を使って教える。暴発などしたら大変だからだ。

 女の子達も真剣に聞いて取り組んでいるので、整備の仕方も教えたが加護のお蔭か皆は飲み込みが早い。


 教え終わったら実際に其の辺の木を的にして撃ってもらうため、8人ずつ3列に並んでもらう。1列が発砲し2列と3列が準備する。

 次は2列が発砲して他の1列が弾丸を込めて3列が入れ替わる準備をする。

 この3段撃ちの方法を教えてみた。

 まあ、発砲は弾切れまで撃ってからなので、基本的には5発となる。

 自動排出・装填のセミオートマチックライフルなのに精度がいいのがこの銃の特徴だしね。5発のマガジンの理由は慣れてもらうためとコストがそっちの方が安いからだ。あと20の方はジャムが怖いからだ。


「じゃあ、三段撃ちやってみようか。撃てっ!」


 8丁のH&KMSG90から一斉に狙いの木に向かって引き金が引かれる。大きな発射音が森中に鳴り響く中、放たれた弾丸が目標の木を粉砕する。


「「「ひゃぁっ!?」」」

「す、凄い音ですね……」

「耳が痛くなりやがります」

「でも、威力が高いよ」


 リンの言う通り、威力は高くて木を根本から貫いており、だんだんと傾いていって倒れる。そんな攻撃が5回も続けて放たれる。


「次、2列! 素早く交代して! できるだけ早く!

 準備ができたら合図に従って撃つんだよ! よし、撃てっ!!」


 順番通りに何回か交代しながら繰り返し撃っていく。その後はそれぞれ自由に撃ってもらう。


「分からないことがあったら直ぐに質問すること。それと決して巫山戯て仲間に向けたら駄目だからね。

 分かっているとは思うけど威力が高いからあたったら死ぬからね」

「「「はい!」」」


 それにしても全員射撃がⅥもあるので上達が速い。射撃Ⅵはプロフェッショナルの上位になるから当然だろう。

 最初からⅤなんて、相当な天才しかいないはずだ。特に女の子達とはキスをして俺の唾液を飲ませ、加護の中級をあげている。限界を突破しているだけでなく万能の女神と戦女神のアテナ、二柱の補正がかなり働いているはずなので撃てば撃つだけ成長する。



 時間が経って慣れたようなので、声を掛けて次の段階に向かう。


「じゃあ、撃つのを止めて休憩にしようか。それと銃に問題が無いか確認してね。多分平気だろうけど、熱くなってるかもしれないから気を付けてね」


 与えた加護のお陰で熱や炎は殆どダメージが通らないはずだ。


「火傷した人は直ぐに言ってくださいね」

「「「は~い!」」」


 リフィアの言葉に元気に返事をする女の子達。彼女達は座りながらH&KMSG90を分解して整備していく。

 その間にリフィアとベアトリーチェにスキルコントロールで俺のウエポンクリエイト・アナザーワールドを劣化させ、弾薬を作ることに特化させたエクストラスキル、ウエポンクリエイト・バレットを覚えてもらって弾丸の量産をお願いした。

 劣化を作るのはかなり魔力を消費したので気軽には扱えないが、弾丸の量産は必要なので仕方が無い。

 一応、スキルコントロールの短縮メニューには登録したので他の何人かには覚えさせるつもりだ。


「じゃあ、俺はちょっと倒れた木を回収してくる。木材にすれば無駄にならないからな」

「はい。気を付けてくださいね」

「いってらっしゃい」


 リフィア達を置いて、俺は打ち倒された木の元へと向かう。色々と非道いことになっているけれど、それらに触れて図鑑を呼び出す。


「収納」


 倒れていた木は綺麗に消えて無くなる。倒れた木は資材として全部回収して有効利用する。

 回収が終わったら次の作業として、ゴブリンの血を取り出して街とは反対側に撒いていく。それが終わったら元の場所に戻る。


「それじゃあ、次は動いている物を狙おうか。飛んでいる鳥を撃っていくといい。

 もちろん相手の行動を予測して撃たないと命中しないからね」

「「「はい!」」」


 流石にこれは難しくてしばらく時間が掛かったが、習熟度を見るに直ぐにマスターしてしまうと思う。

 撃ち落とした鳥も放置すると、どんどん周りの血の匂いが広がっていく。しばらくすると索敵に反応があった。


「全員、モンスターが来るから警戒して」

「撃ってもいいでやがりますか?」


 ベアトリーチェの質問の返事を答える。


「ああ、好きにしていいよ」

「やった。じゃあ、競争しようよ!」

「いいね! よーし……」


 女の子達は血の匂いによってこちらに向かってくる狼……ウルフ達をスコープ越しに見詰める。


「ある程度は引き寄せてから撃つように。そうすると貫通して被害が増えるし、命中精度も上がる。後は食事中や相手を攻撃する瞬間とかは警戒が緩むからそこを狙うといい」

「「「は~い」」」


 どんどん近づいてくるウルフ達は落ちていた鳥に食らいつこうとする。その瞬間、無数の発砲音が木霊して聞こえる。すぐに鳥を食べようとしていたウルフ達が倒れていく。


「ヒット!」

「次っ」


 彼女達は率先してローテーションを組んで絶え間なく銃弾を放って確実に殺していく。

 しかも、1匹として逃していない。暇ができたら鳥を撃ち落としているくらい余裕がある。


「皆、凄いですね」

「そうだな。これならダンジョンでもどうにかできそうかな」

「そうですね」

「まだ駄目。近接戦闘や横沸きに対応できない」

「それもそうか。そっちは訓練するしかないな。

 ベレッタも標準装備としておくか」


 P90TRの量産は魔力的にしんどいし、メインウエポンはH&KMSG90で充分だろう。

 リフィアには袖にデリンジャーを両手に仕込んでもらうとして……他の子達もしてもらうか。

 H&KMSG90、デリンジャー×2、ベレッタ×2が標準装備……怖いな。


「弾がなくなっちゃった」

「こっちもないよー」

「私も~」


 どうやら、撃ち尽くしたようだ。リフィアとベアトリーチェに目くばせをすると、彼女達は頷く。


「じゃあ、配ってきますね」

「私も行く」

「弾薬を作るのも無料じゃねーですから、節約して欲しいでやがりますよ……」

「そうだね。でも、今はいっぱい撃った方がいいから」

「わかってるです。っと、回収をお願いするですよ」

「わかった。今の間に回収してくる」

「はい」


 弾丸が入ったケースを運んでいく3人と分かれて、ウルフの死体や弾丸、薬莢などをできるだけ回収していく。

 最初の奴は非道い状態だが問題は無いだろう。

 それにしても、鳥もかなり撃ち落としているので全部回収していく。

 むわっとするくらい非道い血の匂いと硝煙の匂いがしてくる。死体の中にはゴブリンやオークのものも居た。

 しかも、オークに関しては2体居て、どちらもヘッドショットが決められているので身体は綺麗だった。ウルフは図鑑を見る限りだと54匹も撃ち殺しているようだ。


「ウルフはカード化できるか……効果は使えるね」


 ウルフカードの効果は靴に使うことで移動速度が40%上昇するとのこと。もしくは嗅覚スキルを覚えられるみたいだ。

 だけど、今の現状では嗅覚スキルなんていらない。だいたいこんな酷い臭い中で嗅覚を強化しても嗅覚が潰れるだけでやってられない。

 ウルフカードは使えそうだが、もう一つ面白い使い道がある。それは魔物合成だ。

 ゴブリンとオーク、ウルフが使用可能になっている。モンスターカードの状態でなら魔物合成のスキルが使えるんだろう。

 だけど、この中で合成しても見た目てきにも良くない。それにテイマー系スキルがないからモンスターカードからの合成となると非常にコストが高くなるそうだ。しかし、召喚はできるのだろうか?


「ただいま」

「お帰りなさいませご主人様。どうぞ、お水です」

「ありがとう」


 戻るとリフィアが笑顔で迎えてくれて、水の入ったコップを差し出してくれる。他の女の子達も成果を実感しているのか、皆が笑顔だ。


「今日の獲物は大量だけど夜までする?

 できれば夜間戦闘も経験しておくといいと思うけど……」

「そうですね……リンやベアトリーチェはどう思いますか?」

「暗くなって、少ししてから戻る。夜はモンスターが強くなる」

「夜間は流石に危険でやがりますよ」

「そうか。なら、もう少し訓練してもらうか」


 女の子達の方に言って、今度はベレッタを支給していく。


「次はベレッタと狙撃で分ける。ベレッタは空砲にしてあるから音だけで弾はでないようにしてある。こっちはすぐに抜いて撃つ練習をしてもらう。それと暗くなったら、少し狙撃の練習をしてから帰るからね」

「「「はーい!」」」


 指示を出した後、ベレッタの抜き撃ちに加えてリンが格闘も混ぜながら練習をやりだすと他の子達も真似していく。

 次第に近距格闘戦闘にベレッタを打撃武器として使い出すしまつだ。空砲を撃たれて命中したら負けというルールができたようで、激しい格闘戦を繰り広げている。

 ベアトリーチェなんて、格闘戦でH&KMSG90を槍のようにして使い出している。もちろん弾は抜いているようだけど。


「リフィア、モンスターカードから召喚とかできるのかな?」

「モンスターカード単体では無理だったと思います。召喚の魔導書などにセットしながら使うはずです。後は魔物屋で召喚してもらうとかでしょうか?

 すいません。私が聞いた限りではそれぐらいしかわかりません。

 後は使い魔ですが、そちらも魔物屋で契約するか、契約した後に首輪をもらいに行くかですね」

「わかった。ありがとう」

「いえ、役に立てたなら幸いです」


 そんなことを言ってくるリフィアの頭を優しく撫でた後、リフィアの後ろに座って抱きつきながら温もりを堪能する。

 リフィアは少し身体を震わせた後、力を抜いて身を委ねてくれた。

 俺はリフィアを抱きながら図鑑を開いて召喚ページがないか調べる。だけど、残念ながら見つからなかった。


「どうしたんですか?」


 俺に身を委ねて上目遣いで見詰めてくるリフィアに素直に答える。


「いや、召喚のページでもないかなと思ってさ」

「これは魔導書なんですか? アイテムボックスにも使えるようですけど……」

「両方だろうね」

「それは凄いですね……あっ、そこの検索と書かれているところで調べたらいいんじゃないですか?」

「流石に普通に探してないから検索にもないと思うけれど……いや、待てよ……」


 確か、簡単なスキルでもその場で作成とか、かなり無茶なこともやっていたよな。ひょっとして、この図鑑も望んだ機能が追加される?


「どうしましたか?」

「いや、やってみよう」


 試しに検索機能の所に召喚と打ち込んでみると、ページが開いて設定項目に移動した。その設定項目のページはチェックボックスがあって、アイテムボックスやら魔物合成やら書かれている場所にチェックが入っていた。

 そして、肝心な召喚にはチェックが入っていない。つまり、この設定項目のページを見つけない限りは便利機能を使わせないということだろう。

 このページの一番下には注意書きとして、新たな項目が追加される場合がありますので、こまめに確認しましょうと書かれてやがった。まったくもって巫山戯た図鑑だ。


「あったね……」

「ありましたね……本当に凄い魔導書ですね」

「まあ、便利なのはいいことだし気にしないでいよう」

「そうですね。あっ、これも便利そうですよ……」


 リフィアが指差したのは自動アイテム生成という奴だった。これは生産スキルを持つ所有者が望むアイテムを空気中の魔力を自動で吸収して生成するという凄いシステムだった。

 図鑑No.2の所有者が作成と書かれている。俺の図鑑はNo.9だった。つまり、俺以外にも8人は同じ奴が居ると思った方が良いだろうね。

 ちなみに俺が追加した機能は召喚と魔物合成ページだった。ただ、これに関しては同種のモンスターカード同士の融合しか無理みたいで、上限がある。

 ただし、俺は魔物合成があるので別のモンスターカードを合成してキマイラとかも作成できるし、素材を追加もできる。

 つまり、ウルフを改造して銃を合成したりできるのだろう。まあ、今はしないけど。


「そうだね。便利そうだし入れておこう」

「はい。これで弾丸の作成も楽になりますね」

「確かにそうだ」


 そのまま合成ページを開いてモンスターカードの数を確認すると、ウルフカードの数はなんと驚きの50枚だった。

 10人の装備を2倍の速度が出るようにできるが、今回はそんなことせずにウルフカードとウルフカードが合成できるか、試してみると進化先がでてきた。

 普通だとウルフリーダーで止まるようだが、俺の力は細かい所まで調整が効く。例えば多重合成とかもできるので、10枚を一気に合成してやると進化先にダークウルフが出現した。

 他にもウィンドウルフとかフレイムウルフとか出て来たけどダークウルフにした。

 何故ならこのダークウルフ、影の空間というスキルを持っていることが表示されていた。これは自身を影に埋没させたり、影にアイテムを入れたりできるとのことだ。

 つまり、難点だった補給物資を多く持たせられることができるということだ。銃を使っていると、弾薬は命綱になる。なので、アイテムボックスの代わりだけでなく、護衛にも使えそうなダークウルフを5体作成する。

 ウルフカードがダークウルフカードへと変化すると、カード効果まで変化した。ダークウルフは武器に付けると闇属性攻撃Ⅰで、習得できるスキルは影の空間だった。

 こちらは召喚した方が得な感じだ。影の空間のスキルはスキルコントロールでダークウルフからコピーすればいいだけの話だしな。


「さて、召喚してみるかな」

「危険じゃないですか?」

「まあ、警戒するに越したことはないか。悪いが皆を呼んでくれないかな」

「はい。少々お待ちください」


 リフィアが立ち上がって皆を呼んできてくれる。俺はリフィアの温もりがなくなって寂しくなる。

 そう思っていると、少しして女の子達が集まってきた。

 皆に整列してもらってH&KMSG90を構えてもらう。

 準備が整ったので召喚を始めようと思う。まずは召喚ページにダークウルフカードをセットして、召喚術式を起動するボタンを押し込む。

 すると俺の足元に魔法陣が作成されて、その中から全長1.5メートル、高さ60センチもある大きな黒い毛並みの狼が出てきて雄叫びを響かせる。


「グルルルルルル」


 雄叫びをあげた後は敵意が無いようで、むしろ俺の手に頭を擦りつけて甘えてくる。問題はなさそうだね。

 よく考えれば生まれたばかりなのかも知れない。それにしても毛並みはかなりもふもふしているので、子供達にも人気がでそう。


「とりあえず、俺とここに居る子達が指示する奴以外には攻撃するなよ」

「わふっ」

「「撫でていい~?」」

「もういいよ。だけど、優しく撫でてあげるんだよ。引っ張たりしたら駄目だからね」

「やった!」

「行こ!」


 女の子達が一斉にダークウルフに抱きつく。なので、こっちもどんどん召喚する。5体全てを召喚し終わったら、女の子達と狼の戯れをゆっくりと観察する。


「あ、あの……私達も行っていいですか……?」

「いい?」

「ああ、いいよ。楽しんでおいで」

「行くです!」

「はい!」

「うん!」


 3人ももふもふの輪に加わった。その間に八咫烏を召喚しよう。

 まずは腕を切って血で召喚用の魔法陣を描いていく。描き終えたら魔法陣の中心部に鳥型のモンスターの死体を多数置いて詠唱を開始していく。

 詠唱が行われていくにつれてモンスターの死体が融合して新たな形となっていく。形が整うと魔法陣すらも吸収されて残されたのは太陽の化身ともされるの漆黒の鳥。


「おいで」

「かぁ」


 俺の肩に停まる八咫烏のヤタ。この子とダークウルフ達はどんどん強化していく予定だ。ダークウルフのスキルはこんな感じだ。


 名前:ダークウルフ

 スキル:影の空間Ⅰ、闇属性攻撃Ⅰ、獣の嗅覚Ⅰ、強靭な牙Ⅱ、咆哮Ⅰ


 とりあえず、影の空間Ⅰ、闇属性攻撃Ⅰをコピーさせてもらって、お返しに鷹の目Ⅴ、索敵Ⅲ、射撃Ⅵ、肉体強化Ⅴ、魔力消費削減Ⅰをダークウルフに与えておく。

 八咫烏は残念ながらスキルコントロールを受け付けなかった。そんな八咫烏のデータは使い魔なだけあってより詳しくわかった。


 名前:ヤタ

 種族:八咫烏(2)

 ユニークスキル:太陽神の御使い、八咫烏の祝福

 エクストラスキル:装備化・機械翼(Ⅹ)、武装召喚(Ⅵ)

 パッシブスキル:火属性魔法無効化、風属性魔法半減、索敵(Ⅹ)、夜間適正(Ⅵ)

 アクティブスキル:火魔法(Ⅱ)、風魔法(Ⅱ)

 スキルポイント:0


 なんていうか、かなり強い。八咫烏の祝福は他者に加護を与える効果だ。これで得られる有用なのは夜間適性みたいだ。

 火や炎などに関するのも得られるけど、上位である太陽神アマテラスの加護があれば必要ない。だが、スキルは有用なのでスキルコントロールが効かないことがつくづく痛い。


「レン、何かやるような物はねーですか?」

「ああ、ゴブリンの骨でもあげるか」

「役に立ちませんからちょうどいいと思います」

「あげたい!」

「うん!」


 ゴブリンの骨を沢山だして食べさせてみると、バリバリとダークウルフ達が食べていく。

 次第に投げて取ってこさせたり、伏せやお手とかを教えたり、乗ったりして遊びだした。ちなみにヤタは俺に撫でてもらいながら膝の上で寛いでいる。


「どうせなら乗りながら射撃したらいいよ。まあ、鞍が無いから無理だろうけど」

「あははは……そうですね」

「まあ、後で買って取り付けようか」


 しばらく遊んでから狩りを終えて帰ることにした。

 帰りも多少は襲われたのだけど、女の子達が瞬殺していた。それもベレッタを使って何人かが同時に銃弾を打ち込んでいる。

 他にもダークウルフが美味しく頂いていますって感じで頭からバリバリ食べている。ヤタは空から偵察を行って、近く飛んできた鳥を噛んで連れてきたりしていたし、ヤタの索敵からは逃れられないのでかなり安心だった。


「お帰り……というか、そのモンスターはなんだ?」

「召喚体だよ。出しっぱなしにしときたいんだけど大丈夫かな?」

「ああ、大丈夫だ。ただ、登録してもらわないといけない」

「わかった」


 それから、必要なことをリフィアに書いてもらって提出すると、札がもらえたので俺達は魔物屋に向かう。魔物屋でお金を支払って首輪を購入し、もらった札を首輪に付けた。

 これで街中でも問題はないそうだ。魔物屋に連れて行く道中、色々な視線が突き刺さったけれどダークウルフが5体も居れば当然だろう。

 まあ、ダークウルフがどの程度の実力かは知らないけど大きくてもふもふなので仕方ない。

 とりあえず、魔物屋の用ことが終わったらダークウルフを送還する。


「ただいまです」

「「「ただいま」」」

「「「お帰りなさい!」」」


 皆が迎えてくれる孤児院は所々に火が灯っている。灯りは火の魔法で維持しているようだ。


「お腹空いたから、早くご飯にしようぜ」

「私達もお腹空いた~~」

「じゃあ、さっさとご飯にするか。といっても、丸焼きくらいしかできないんだけど」

「スープなら作っといたぞ」


 残ってくれていた男の子達がスープを作って待っていてくれたようで、これは助かる。


「ありがとうございます。では、ご主人様。鳥の処理をしましょう」

「だね」


 大量の鳥を図鑑で分解していく。図鑑のお蔭で血抜きもできるし、部位ごとに別れているし、細かく指定もできるので非常に助かった。


「リフィア、これでいいかな?」

「血垢もないですし、凄く丁寧に処理されていますのでなんの問題もありません。とても助かります」

「それじゃあ、次はどうしたらいいかな?」

「えっと、いいんですか? 普通、ご主人様は奴隷を手伝ったりはしないんですが……」

「リフィアは奴隷だけれど、妻として扱うからなんの問題もないよ。可愛らしい妻と一緒にご飯を作るのも新婚みたいで楽しいしね」

「あっ、ありがとうございます……それじゃあ、串を作っていくので焼いていってください」

「了解」


 顔を赤らめて照れながら頼んでくれたリフィアのためにも肉を焼いていく。まずは丸焼き用のお肉を取り出して、両手で抱えるようにする。肉を焼くにはたしか赤外線がいいんだったかな。

 赤外線で焼くイメージをしながら力を発動するとすぐに焼き上がっていった。できたのでスープと鳥の丸焼きをリンとベアトリーチェに配ってもらう。俺はリフィアが刺した串をもらって焼いていく。

 年長組の女の子達は自慢話をしたりしていて、男の子達がリフィアと共に料理をしているこっちにやって来た。


「明日は俺達だよな!」

「ちゃんと言われた通りに訓練しながら皆の面倒を見てましたらから!」

「うん、明日は君達だよ。女の子達と組んでダンジョンに潜ってもらうから一番きついけどね」

「えぇー!!」

「午前中に銃の使い方を教えて後は実地訓練だよ。流石に近接戦闘とかは全員の面倒を見られないから、危なくないように事前に狙撃で数を減らしてからになるよ」

「でもよ……いや、そっちの方が効率的だな。女の子達の護衛はどうするんだ?」

「安心して強い味方が居るから……そうだね、そろそろいいか。皆、聞いてくれ! これからモンスターを召喚するけれど、危険はないから驚かないようにね!」


 声を上げて注目を集めてからダークウルフ5体を召喚してヤタを呼び寄せる。すると子供達は驚いた表情をして、怖がって逃げてしまう。事前に伝えてもやっぱり怖いようだ。


「この子達は新しい仲間だ。怖くないけれど、踏んだり、蹴ったりすると怒るから其の辺は注意しないといけない。これは皆と一緒だからね」

「「「はーい」」」


 年長組の女の子達がすぐに餌をあげたりもふもふしだしたので、小さな子供達もすぐに打ち解けて乗せてもらったりして遊んでいく。


「ご主人様、お疲れ様でした」

「お疲れ様」

「ああ、3人もお疲れ様。それじゃあ、ご飯にしようか」

「食べるです」

「はい」

「うん」


 特にリンは疲れているだろう。休憩しながらだったとはいえ、永続奴隷になった日から動いていたんだから。だからか、うつらうつらしだしているので、三人で座ってご飯を食べていく。


「明日はどうしますか?」

「明日はダンジョンアタックだな……お金を稼がないといけないし」

「私は無理なのですよ。魔道具屋の方で留守番やアイテム作成があるのでやがります」

「わかった。そっちは手が空いたら弾丸を作っておいて」

「了解なのです」

「その、ご主人様……一つお願いがあるんですが……」

「なに?」

「後で構いませんので」

「わかった」


 ご飯を食べ終えた後、年長組以外の眠った子達の元へと向かう。そこでこっそりとスキルを与えていく。

 中には木工スキルと建築スキル、料理スキルを持っている子も居たのでそれを複製して皆に与えておいた。

 この子達に修繕してもらったり、料理してもらったりすれば他の子の負担が楽になる。これは明日にでも提案しよう。

 これで孤児院での作業が終わり、帰る準備をはじめる。ここに泊まってもいいけれど、流石に問題があるからな。


「あ、あの、ご主人様……」

「んん……」


 呼ばれて振り向くと、顔を真っ赤にして何かを堪えているリフィアとリンの二人がいた。二人はしきりに足を擦り合わせている。


「リフィアとリンか。言ってたことだよね。どうしたの?」

「こっちに来てください」

「あ、ああ……」


 それからリンの手を引っ張るリフィアに連れて行かれたのは庭の奥の方だった。そこは結構きつい糞尿の臭いがする場所だった。


「あ、あの……は、排泄の許可が欲しいのです」


 リフィアが顔を真っ赤にしてそんなことを言ってきた。


「え?」

「わ、私達は永続奴隷になりましたから……」

「何時も通りにするように許可したよね?」

「それが……その……はっ、排泄など、捨てることになるのは全てご主人様の許可が個別に必要でして……うぅ……」

「わ、わかった。許可するから……」

「ふ、2人分お願いします……」

「うん……」

「そ、それと、できれば向こうを向いていてください……」

「わかった」


 大人しく違う方向を向いていると、後ろで衣擦れの音とかが聞こえてくる。

 後ろを振り向きたい気持ちが湧き上がるけど、流石にそれは不味いのでしない。せっかくリフィアとは良い感じになりだしているのに、ここで振り向くと好感度が確実に低くなるだろう。

 今日と昨日、我慢したのか、結構長い時間が経った。その後、クリーンの魔法で綺麗にしたリフィアとリンが顔を赤らめながらやってきた。


「お、お待たせしました……うぅ……」

「うん……しかし、面倒だね。どうにかできない?」

「誰かに委任することはできますが……」

「じゃあ、離れる時とかはそうしておこうか。互いに委任させておけば二人だけの時でもできるしね」

「はい」

「ん……眠い……」

「リンはどうする? こっちで寝かせて行くか?」


 リフィアに寄りすがっているリンを抱き上げてお姫様抱っこしながらリフィアに聞いてみる。


「そうですね。こちらで寝かせていきましょう。その方が、いいと思います……」

「そうだね。しかし、毛布とか寝具も新しく買った方がいいか。もちろん服もだけど……」

「はい。色々とかなりボロボロですから……」

「それは明日の稼ぎ次第になるが……まあ、なんとかやってみよう」

「お願いします」


 それからリンを寝かせた後、俺達は孤児院をしっかりと戸締りしてから外に出た。既に結構遅い時間になっており、周りは暗くなっていて空には綺麗な複数の月が登っている。

 月明かりだけでも明るい上に地球とは違い、青い月と赤い月、紫の月まであるので結構見える。俺が月を見ている間、リフィアは孤児院をじっと見詰めながら手を組んで祈っていた。


「……お待たせしました。これで大丈夫です」

「そうか。それじゃあ帰ろうか」

「はい」


 俺が差し出した手をリフィアが握り返してしてきて俺のすぐ横につく。俺達は手は握ったまま宿に向かって進んでいく。


「なんだか変な感じです。今まではここが帰る場所だったのに……」

「すぐに慣れる……いや、またすぐに戻ってこっちで寝泊りするだろうから慣れないかもね」

「本当ですか!」

「うん」


 嬉しそうに答えるリフィアに俺は早めに戻った方がいいかと思う。でも、後6日間はお金を支払ってあるんだよな。

 今日から二人になるから半分の3日なるだろうけれど……できればそれまでに孤児院を整えたい。それにはやっぱり、金が必要だ。


「……」

「……」


 それから、歩いていくとなんだか意識してしまって恥ずかしくなってお互いに会話が無くなっていく。

 これから宿屋に向かってやることをやるのだから、仕方が無い。だが、それがある意味ありがたくもある……いや、全然ありがたくないことが起きた。

 この時代、夜も深まると人通りはどんどん無くなる。残るは道端で寝てしまう酔っ払いくらいだ。その彼らも基本的に宿屋の者達に凍死しないようにと助けられて、一泊の宿泊料+αの代金を取られるらしい。

 では、それ以外となると……簡単だよな。人通りが無く、金の持ってそうな奴を襲う……そう、強盗だ。


「金と女を置いていけ」


 フード付きマントと覆面で完全に姿を隠している男達が俺達の前に現れた。だが、マントの下から銀色の光が見えるので、鎧でも着ているのだろう。


「逃げられると思うな」

「お前達は包囲されている」


 後ろにも同じ格好をしたのが2人居る。さらにその後ろに2人居るのが索敵で判明した。これは明らかな計画的犯行だ。

 さて、問題は今の状態で殺しても大丈夫か、というところだ。人を殺すことに忌避感など無い! と、思いたいね。

 流石に同族……いや、元同族か。そう考える平気に……ならないや。まあ、震えているリフィアを守るためならなんでもできそうだけれど……いや、できるできないじゃない。やるんだ。


「ご、ご主人様……」

「ああ、大丈夫だ。それより、この状態でこちらから仕掛けても犯罪になるのかな?」

「い、いえ……ギルドカードに恐喝がでます。でも、攻撃されてからの方が確実ですが……」

「そうか」


 じゃあ、先ずは鑑定と行こうか。1人目から5人目まで楽しみだ。


 名前:レオポルド

 スキル:槍術Ⅲ、盾術Ⅳ


 名前:ロリ

 スキル:剣術Ⅱ


 名前:クローデット

 スキル:隠蔽Ⅲ、暗殺Ⅳ、短剣術Ⅲ


 名前:ウーゴ

 スキル:弓術Ⅲ、狙撃Ⅳ


 名前:ジャクソン

 スキル:投擲術Ⅲ、短剣術Ⅲ


「断るよ、レオポルドさん」

「なっ!?」

「逃げるぞ」

「は、はいっ!」


 リフィアを連れて急いで裏路地へと入る。裏路地はすぐに行き止まりだった。だからこそこちらには人が配置されていない。でも、それでいい。

 図鑑から弾丸が大量に入った木箱を取り出して配置する。それからリフィアを抱え上げてからその上に乗って壁の上に飛び乗る。そこから更に飛び上がって屋根の上に着地する。


「逃がすなっ、撃て!!」


 すぐに飛んでくる矢を横に飛んで回避して反対側に飛び降り、図鑑から箱だけを取り出してリフィアを入れる。後は究極隠蔽を使用して完了だ。


「リフィアはここに隠れていろ」

「で、でも……」

「大丈夫だ。ちょっと行ってくる。必ず迎えにくるから、俺を信じてくれ」

「は、はい……」


 リフィアを隠したのでこれから反撃を開始する。先ずは上に戻らずに下を走り、こちらを探している弓使いを殺しにいく。

 背後から接近すると風切り音がするので、すぐに飛び退くと短剣が壁に突き刺さった。気が付くと丁度は弓使いの反対側に投擲してきた者が居た。


「これで終わりだ」

「さようなら……」


 声をかける暇があるなら攻撃しろってね。屋根の上から乗り出している二人に向けて腕を上げ、コートの袖に仕込んでいたデリンジャーを取り出して二人の頭を撃ち抜いて殺す。集中しているからか、罪悪感は一切感じずに殺せた。

 崩れ落ちてくる2人を避けて逆に壁に刺さった短剣を利用して屋根の上に登る。そこから無音歩行で反対側へと移動し、デリンジャーを仕舞ってH&KMSG90を取り出して確認をしに来た奴を待つ。相手の動きはある程度索敵でわかるのでやりたい放題ができる。


 スコープ越しに索敵で警戒しながら待っていると2人がやって来た。そして、倒れている2人を確認するために1人が近づいていく。

 そこで近づいてない奴の頭を狙撃して撃ち抜く。そいつが倒れる瞬間には薬莢が自動で排出されて次弾が装填される。

 さっき撃ち殺した奴が倒れて射線が空いた瞬間、即座に発砲する。だけれど、残念ながら殺しきれなかった。

 目標が隠れようとしたので逸れて腕に命中しただけだった。すぐに薬莢が排出されて次弾が装填される。

 そして、騒いでいる相手に向かって足を撃って動けなくしてやる。これで残り1人も確認しにくるだろう。


 しばらく警戒して待ち構えているが誰も来ない。仕方なく動いて探すも、反応が無い。既に撤退したようだ。

 口封じをしない辺り問題ないと思っているのかも知れないな。


「まあ、構わないけどな……」


 殺した奴等の元へと移動するが、やはり周りに反応はない。腕と足を撃たれた奴だけが生きている。

 とりあえず、こいつらの処理を考えよう。俺のリフィアに手を出そうとしたんだから殺してもいいのだけど、どうせなら利用したい。

 俺のギルドカードを確認しても犯罪にはなっていないことから、どうやら問題は無いみたいだ。まあ、どちらにしてもこいつらからスキルと装備、金を迷惑料としてもらおう。


「い、嫌だっ、死にたくない……」


 女の方を見るとロリという名前なのにロリじゃない女が必死の形相で逃げようとしている。

 他の連中から奪う物を奪ったら、そいつに近づいてスキルを……いや、剣術Ⅱしか持っていなかったな。


「ねえ、誰に頼まれたのかな?」

「し、知らない! 私は酒場で依頼を受けただけだよ! ほ、報酬が良かったから……」

「そっかーなら、とりあえずその報酬を出そうよ」

「わ、わかった……」


 女が片手でアイテムボックスから取り出したお金が入った袋を回収し、女を昏倒させる。その後、アイテムボックスも含めて装備を取り上げたらリフィアを迎えに行く。


「リフィア、もういいよ」

「は、はい! あの、怪我はありませんか!? あったらすぐに治療いたしますから!」

「ないよ。別に、治療して欲しいのはいるけど」

「分かりました」


 リフィアに女を治療してもらいながらこいつをどうするか悩む。


「こいつはどうしたらいいと思う?」

「兵士の人に襲われたことを伝えた方が良いと思います。

 解放しないのであればその人は奴隷として売れますから連れていくといいです」

「捜査とかはされないのか?」

「簡単にしかされません。ギルドメンバー同士のいざこざとして片付けられると思います……」


 リフィアが彼女達のギルドカードを指差していう。


「ギルドカードに犯罪記録も記入されていますから、その中身を提出したら問題ありません」

「わかった。じゃあ、ちょっと寄り道をして帰るか……」

「はい。そうした方がいいかと思います」


 あらためて兵士の人を呼んで、女を奴隷として売り払う。逃がしたもう1人のことも伝えておいたが、進展は多分ないだろう。

 それから事情聴取などで時間が経過した。御蔭で宿に着いたのもかなり遅い時間だ。


「あの、ど、どうしますか……?」

「流石に気分じゃないな……だけど、どうせだからリフィアの身体を綺麗にさせてくれ」

「は、はい……」


 真っ赤になっているリフィアを連れて宿に入ると、男性の店員が迎えてくれる。


「お帰りなさいませ」

「ただいま」

「お、お邪魔します……」


 どうやら、店員はこちらのことを覚えてくれていたみたいだ。


「お食事はもうつまみくらいしかありませんが、大丈夫でしょうか?」

「ああ、それは大丈夫です。だけど、桶とお湯、布をいただけますか?」

「畏まりました。それと、お客様……今日はそちらの方もお泊りでしょうか?」

「ああ、そうです。今日から2人でお願いします。確か、6日は残っていたと思いますけど、どうでしょうか?」

「はい、そうですね。では、お二人で残り3日でよろしいですか?」

「それでよろしくお願いします」

「では、部屋が変わりますのでご案内致しますが、ベットはシングル2つとダブル1つのどちらがよろしいでしょうか?」

「ダブルで」

「はぅっ!?」

「畏まりました。では、こちらになります」


 その後、ポットと桶などをトレイに乗せた店員に案内してもらって新しい部屋に入った。

 そこはだいたい10畳くらいの部屋で、大きなベッドが1つとテーブルと椅子が2つ置いてある。


「それでは、こちらは終わりましたら廊下の方に出しておいてください」

「はい、ありがとうございます」

「ありがとうございます」


 店員が戻っていき、俺とリフィアだけになった。リフィアは全身を真っ赤にしながら、頭を下げてくる。


「不束者ですが、どうかよろしくお願い致します」

「ああ、こちらこそよろしく頼む。早速だけどリフィアの髪の毛を綺麗にしようか……」

「は、はい……お願いします……」

「じゃあ、椅子に座って」

「はい」


 椅子に座ったリフィアの後ろに立って、リフィアの長い髪の毛にクリーンを掛ける。その後、湯に垂らした布で綺麗に拭いていく。

 すると、どんどん汚れが出てくる。何度もやって、綺麗にしていく。

 回復魔法も使って肌や髪の毛のダメージを消していくイメージで行うと、光沢のあるサラサラですべすべな綺麗な金色の髪へと変化した。


「ひゃうっ! か、髪の毛があたってくすぐったいです……」

「よし、次は身体だな」

「は、はい……うぅ……」


 リフィアの服を脱がして裸になってもらう。すると、リフィアは恥ずかしがって胸とあそこを腕で隠す。仕方ないので、まずは背中から徹底的に綺麗にしていく。

 背中が終われば手へと向かい、だんだんと前に行って最後には下半身も綺麗にする。

 興奮してきたけど流石に今日はしない。生活魔法、回復魔法、湯と布を使って綺麗にすると湯は当然の如く汚くなるので何度か捨てて魔法で水を出し、指を入れて体温を上げて沸騰させる。布自体もクリーンで常に清潔にして利用していく。


「じゃあ、交代だ」

「は、はい! 頑張ります……んしょ、んしょ……」


 可愛い掛け声と共に俺の全身を綺麗にしてもらう。流石に照れて身体中を赤らめたリフィアが動かなくなったので、前は自分でした。

 その後、念のためにダークウルフを室内に召喚する。ヤタは孤児院の護衛に残ってもらっているからここにはいない。


「それじゃあ、寝ようか」

「はっ、はぃ……」


 お互いに裸のままリフィアと一緒にお布団に入って、スベスベで柔らかくていい匂いのするリフィアを抱きしめる。


「お休み」

「お休みなさいませ、んっ」


 軽く唇にキスをしてから抱き合ったまま眠りについた。リフィアを抱き枕にしたおかげでゆっくりと気持ち良く熟睡ができた。








 名前:レン・パラディオン

 種族:神族(3)

 ユニークスキル:太陽神アマテラス(Ⅰ)、守護神アテナ(Ⅰ)、スキルコントロール(Ⅰ)、魔物合成(Ⅰ)、ウエポンクリエイト・アナザーワールド(Ⅰ)

 エクストラスキル:隠蔽・究極(Ⅰ)

 パッシブスキル:射撃(Ⅵ)、弓術(Ⅵ)、罠探知(Ⅳ)、索敵(Ⅲ)、短剣術(Ⅳ)、肉体強化(Ⅴ)、剣術(Ⅱ)、格闘術(Ⅲ)、魔力消費削減(Ⅱ)、木工(Ⅰ)、建築(Ⅰ)、暗殺(Ⅴ)、狙撃(Ⅳ)、投擲術(Ⅲ)

 アクティブスキル:鷹の目(Ⅴ)、水魔法(Ⅰ)、火魔法(Ⅰ)、回復魔法(Ⅰ)、支援魔法(Ⅰ)、影の空間(Ⅰ)、闇属性攻撃(Ⅰ)、闇魔法(Ⅱ)、風魔法(Ⅰ)、生活魔法(Ⅱ)

 スキルポイント:25


 名前:リフィア

 種族:人族(2)

 ユニークスキル:

 エクストラスキル:ウエポンクリエイト・バレット(Ⅰ)

 パッシブスキル:永続奴隷(Ⅰ)、射撃(Ⅵ)、魔力消費削減(Ⅱ)、肉体強化(Ⅴ)

 アクティブスキル:回復魔法(Ⅰ)、支援魔法(Ⅰ)、鷹の目(Ⅴ)、魔力操作(Ⅴ)、影の空間(Ⅰ)、生活魔法(Ⅱ)

 スキルポイント:13


 名前:リン

 種族:人族(2)

 ユニークスキル:

 エクストラスキル:功魔格闘術(Ⅱ)

 パッシブスキル:永続奴隷(Ⅰ)、射撃(Ⅵ)、魔力消費削減(Ⅱ)、肉体強化(Ⅴ)

 アクティブスキル:回復魔法(Ⅰ)、支援魔法(Ⅰ)、鷹の目(Ⅴ)、魔力操作(Ⅴ)、影の空間(Ⅰ)、水魔法(Ⅰ)、火魔法(Ⅰ)、闇属性攻撃(Ⅰ)、闇魔法(Ⅱ)、風魔法(Ⅰ)

 スキルポイント:13


 名前:ベアトリーチェ

 種族:ハーフエルフ(2)

 ユニークスキル:

 エクストラスキル:妖精の血族(Ⅱ)、ウエポンクリエイト・バレット(Ⅰ)

 パッシブスキル:永続奴隷(Ⅰ)、射撃(Ⅵ)、魔力消費削減(Ⅱ)、肉体強化(Ⅴ)

 アクティブスキル:精霊魔法(Ⅱ)、魔力操作(Ⅴ)、魔導具作成(Ⅴ)、回復魔法(Ⅰ)、支援魔法(Ⅰ)、鷹の目(Ⅴ)、影の空間(Ⅰ)、生活魔法(Ⅱ)

 スキルポイント:13


 名前:ヤタ

 種族:八咫烏(2)

 ユニークスキル:太陽神の御使い

 エクストラスキル:装備化・機械翼(Ⅹ)、武装召喚(Ⅵ)

 パッシブスキル:火属性魔法無効化、風属性魔法半減、索敵(Ⅹ)、夜間適正(Ⅵ)

 アクティブスキル:火魔法(Ⅱ)、風魔法(Ⅱ)

 スキルポイント:0


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