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2月24日

私と和は部屋を共用していているが、部屋の半分は散らかりまくって踏み場がない。

言うまでもなく、棚で境界線を張ってある和スペースだ。

バッタの卵が暖房のついた部屋の中で羽化したことで母と私の堪忍袋は切れ、弟に部屋の片付けを命じた。


私の足元には動かなくなった弟。

今はまだ温かいが、じきに冷たくなるだろう。


なんということはない。

掃除の最中、ぶつくさ言いながら机の下に散乱している飴玉を拾っていた和は立ち上がろうとして机に頭をぶつけ打ち所が悪く息を引き取ったのである。

たぶん脳内出血的な感じ。


ぶつけた直後は「いってえええええこなああああゆきいいいいいいいいねえええええええ」などと叫び、床の上を転げ回り部屋を散々散らかし、痛みが引いてからは「たっのしっくなーいーお片付けーちょっぴりコアラな気分ーコアラに意味はないー掃除機ー塵取りーああーーコロコロの正式名称がー思いいいい出せなあああいいいい」と謎の滅茶苦茶なリズムと歌詞の自作曲を熱唱しながら掃除を続け、ころっと死んだ。


脳内出血に気が付かないというのはよくあることのようだ。

私の知る限りでも40回くらいある。

いや、馬鹿は風邪引かない理論かもしれない。

馬鹿は風邪に気付かないのだ。


とりあえず過去に戻る。

部屋が汚いのは嫌だ。

バッタのあれは私に深い恐怖心と嫌悪感を抱かせた。

なので掃除を中止させるのは駄目だ。

頭をぶつける少し前に戻る。

見ていた漫画をベットに放り投げ、和を見て口を開く。


「和、頭ぶつけんなよ」


「ん?あいてえええええええええ!!誰にやねん!」


死んだ、死んだなあれ。

見るまでもないと、立ち上がって和室に行きタイムリープ。


「いええええい俺はー強い気がーするうううううチートになりたあああいなんか空飛びたあああああい」


机の下に潜り込む和の頭と机の上にすかさずクッションを挟む。

頭部はクッションの弾力により守られた。


たった一人の弟を守ることができる。

そう、某ショッピングセンターで買った、998円(税別)のクッションならね。


死因:掃除中に頭を机にぶつけ脳内出血


対策:注意を促す


死因:掃除中に頭を机にぶつけ脳内出血


対策:頭と机の間にクッションを挟む

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