表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/8

2月22日


「突如青シャーペンの前に現れた黒シャーペン!その正体は生き別れの兄弟だった!」「そ、そんな…兄、さん…?」「くっくっく、久しぶりだな。…100均で別れたのが最後だったか?強くなったな」「どうして、どうして赤ペンを!」「知ったからさ、俺の能力を」「能力…?」「見せてやるよ、青シャーペン、俺の力をな!」


ぐあああと叫んでいる我が愚弟。

ちなみに今は昼休み、私の机の前で何故か和は文房具遊びをしていた。

無視を続行しよう。


「こ、これは、でかい本!」「くく、俺の能力はこの召喚だけじゃないぞ?」「うわああページをめくった風圧が!」「はっは、飽きさせるんじゃないぞ、もっと悲鳴を上げろ、弟よ!」「うん、悲鳴上げろ」「ぎゃあ!?くう、怪人カッホーめー、聖剣本はもらった痛い!!」


本を奪い取ろうとした和の手を肘で攻撃する。

頬を膨らましているが別にかわいくはない。


「傷物にしたんだから責任取ってよね!」


「責任?死んだら助けてやる」


「何だそれ!?死んだら死んでんじゃん!」


言葉がおかしいのは馬鹿だからだろう。

こいつは国語のテストで一桁をとったことのある天災だ。


お父さんに頼まれて和に勉強を教えてるけど、同じことを何度教えたことか、時間的にも。


「かーほー、ヒマー」と言って私の机に乗ってくる和の頭を本で叩く。

友達と遊べばいいのに、こいつはしょっちゅうこのクラスに来る。


立ち上がると、やけにキラキラした目を向けてきた。

「図書室」と簡潔に答えると「俺も行くー」と言って教室の扉に向かった。

私より身長が高くて少しむっとする。


図書室にはこんなの邪魔だろうけど、この中学の図書室は結構うるさいのであんまり変わらないだろう、あと途中で和の興味がどっかに向かえと思いつつ階段を下りる。

階段の一番上から踊り場に向けてジャンプした和は途中で体勢を崩し、踊り場が血に濡れた。

足に血がかかった。




過去に戻ると、給食が終わったばっかりだった。

時計を眺めていると、「お邪魔するぜー」と言って和が教室に入ってきた。

私の後ろに来た和は私の髪をいじり始めた。


「ちょんまげ!」と言って笑う和を止めず、本を読んでると「どうした気持ち悪いのか?」と言ってきた。

面倒なので止めないでいると、ワックスを使おうとしてきたので殴って止めた。



ご機嫌な様子で放課後も和は教室に来た。





死因:階段で転落死


対策:図書室に行かない


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ